第二十七話 「約束」
*優子と直也は、同じタイミングで電話をかけて、ちゃんと話そうと考え23時にワンコールをしようと電話の前に立ち23時にお互いに受話器をあげ電話番号を回す。
お互いが同時のタイミングで、話中となる。直也は、話し中はきっと晴美と話しているに違いないと想像していた。そうなら尚更、とにかく優子と話して納得させようと考える。
優子は、話中は、彼女(菜々)と電話中だろうなと考える。
直也は、晴美が優子にきっと俺と話した事を伝えていると思う。
優子も菜々が直也に私が会いに行った事を伝えているんだろうと思う。優子も直也も1度受話器を置いて、少し時間が経ってからもう1回電話しようと思う。
まさかタイミング的に重なって電話したなんてお互いにしるよしもなかった。
15分後、もう1回電話をする。この時も偶然とは重なるもので、ほぼ同時のタイミングだった。
まだ話し中と思いお互いが受話器を置いた。優子は今日諦めようと部屋に帰ろうとした時に、電話がなった。直也がどうしても気になって仕方なく、優子にもう1回だけ電話したのである。優子は、電話の方に振り向き、急いで受話器を上げた。
<優子>
・もしもし・・・。どちら様ですか?
(誰か分からず不安げに電話にでる)
<直也>
・もしもし。優子?夜分ごめん。直也だけど。
(元気のない声で話す)
<優子>
・え?直ちゃんなの?どうしたの?
(直也からの電話に驚く優子)
<直也>
・ごめんな。遅くに、23時に電話したら話中で今さっきも話中だったから、誰と話したてたの?
(晴美と電話していたと思う直也)
<優子>
・え?私誰とも電話してないよ。直ちゃんこそ、私も23時に電話した時に、話中だったから、彼女と話してたでしょ?
(優子も菜々と話していたと思うのである)
<直也>
・彼女と電話してないよ。何で話中だったの?優子どこかに電話してた?
<優子>
・私。直ちゃんに話したいことあって電話したの!話中だし!
<直也>
・ちょっと待ってよ!俺も優子に電話した!話中だった。つまりお互いに電話かけてたという事か?
<優子>
・そのようだね?直ちゃんは私に何の話があったの?
(同じタイミングで直也が電話くれた事が嬉しく思う優子)
<直也>
・うん。晴美がこの前店に来てさ。だから・・・。電話した。
(何か上手くいえない直也)
<優子>
・え?晴美が?何しに直ちゃんに会いに行ったの?
(直也の話を聞いてびっくりする優子)
<直也>
・優子が晴美に俺との事を相談したのでしょ?晴美から優子の話をもう1度聞いてあげて欲しいと言われたよ。
何?とぼけているの?優子が晴美に頼んだのではないの?
(優子がびっくりする様子に直也はどういう事だと??思う)
<優子>
・直ちゃんとの事は話した。でも相談というより、別れた事を話しただけだよ。え~?
晴美からそう言う話をされたの?
(優子は晴美が勝手に直也に会いに行き、私ともう一度話すようにと言いに行った事は驚いたが、晴美の行動が逆に優子にとってプラスになり会って話すきっかけになったと感じる優子である。)
<直也>
・そうだよ。優子の話を聞いて欲しいって言われた。晴美が勝手に来たのであれば、優子は特に話俺にないよね?
(直也は、優子との会話で晴美が勝手にとった行動だと思う)
<優子>
・話!あるよ。あるに決まっているでしょ!私未だに納得してないしね。だから、会って話がしたいから、近日中に時間作ってよ!
(晴美の勝手な行動で相手直也から連絡がきて会えるチャンスをミスミス逃す訳にはいかない優子である)
<直也>
・しばらく考え込み無言となる。直也は口を開き話はじめる。
「分かった。会って話し聞くよ」いつがいいか教えて欲しい俺が合わせるから。
(1度会って、話を聞けば優子も納得するだろうと考える直也)
<優子>
・合わせてくれるのね?3日後の金曜日の17時10分にいつものホームセンターの駐車場でいい?
(直也の予定も聞かず勝手に決める優子)
<直也>
・3日後の金曜日だな。わかった。その時に会って話し聞くよ。会った時に聞くから、電話切るぞ!お休みと言って電話を切る。
(その日は、偶然休みだったので直也はすぐOKをだした)
*優子は、3日後に会う約束が出来た。晴美の行動が結局プラスに転じた。優子は、会ったら、菜々と会って話した事を伝えようと思う。直也の頭の中は、優子を納得させるにはどうしたらいいのか?これだけしか考えられないのである。
ましてや、優子と菜々が会って話しをしたことなど、当然のごとく知らない直也なのである。
直也と優子は色んな気持ちをいだきながら、3日後の会う当日となるのである。




