第二十六話 「予想もしない思わぬ展開」
*優子は、菜々と直接会って対決した事で、先の光が見えた気がしていた。
現状は、まだ、直也の気持ちは菜々にある。でも菜々には、直也への気持ちはないと感じた事は優子の大きな希望となっていた。直也に早く目を覚ましてもらうしかないと感じる優子は、直也に会って、菜々と直接話した事を伝えようと決める。
だが、事態は思わぬ所から、急展開する事になる。実は、優子は直也と別れた事を、親友であった晴美に相談をしていたのである。そこで、優子に断りもなく晴美が勝手に直也に直接会いに行くという急展開となる。直也の元々彼女晴美が出て来る事でどうなるのか?
晴美が直也に会いに行ったのは、優子が菜々と会って数日後の事であった。優子は、直也と別れた経緯を晴美に相談していたのである。別れた直後の優子は精神的にかなり落ち込んでいて、誰かに話さないと精神的におかしくなりそうで頼れる相手も晴美しかいなかったのである。優子は、晴美に聞いてもらうだけでよかったのだが、晴美は変に誤解したようで、直也に文句を言うため、直也に会いに行くのである。晴美は、店の近くまで行き、公衆電話から直也の店に電話する。
<晴美>
・電話の呼び出しコールが鳴る。2回鳴ると男性店員がでる。すいません。そちらに勤務している直也さんを電話口までお願いしたいのですが?
<男性店員>
・直也ですか?あの?私が直也ですが、どちら様ですか?
(誰から電話か分からない直也)
<晴美>
・直ちゃん?私!晴美。しばらく!覚えているよね?
<直也>
・晴美?しばらくぶりだな?何かようか?
(ちょっとびっくりする直也)
<晴美>
・ちょっとだけ時間作ってくれない?そんなに時間とらせないから!
(機嫌はあまりよさそうにない晴美)
*断ると面倒な事になりそうなので、直也はこう答えた。
<直也>
・もうすぐ昼休みだから、会社近くの公園のベンチで待っててくれるか?
(たいした話はないだろうと直也は思う)
<晴美>
・わかった。公園ベンチで待っているから来て!
(何かご機嫌斜めがきになる直也)
*晴美と電話を切った10分後に昼休憩になり、近くの公園へと急いだ。指定の場所である公園のベンチで晴美は座って待っていた。
<直也>
・しばらく。元気にしてか?で?話ってなに?
(何の件できているのかわからない直也)
<晴美>
・今日来たのは、直ちゃん!あなた最低ね!何で優子を裏切ったわけ?新しい女作って、二股かけてた?
優子の気持ち考えた事あんの?
(自分の言いたい事をバンバン言ってくる晴美)
<直也>
・晴美には関係ないだろ!何言いに来たかと思えば!何?優子に頼まれたのか?
(直也はなぜか冷静に話す)
<晴美>
・関係あるよ!優子は私の友達だよ!
だからこうしてきたの!それに優子に頼まれてはないよ!私あなたを許さない!優子があなたをどれだけ好きか1番知っているから!
(晴美は怒りモードで話す)
<直也>
・俺にどうしろと!今は、付き合っている彼女いるしさ!それに優子とは終ったことだし!
(直也はなぜ?今更と思うのである)
<晴美>
・直ちゃんさ!優子が納得していないのを知っているよね!一方的に別れると言われたと聞いたけど本当?
<直也>
・優子が納得してないのは知っていたよ。悪いのは俺だし、一方的にというか、そうするしかないだろ!今更どうしろと!
(優子の事を持ち出されると正直辛い直也)
<晴美>
・優子納得していないから!直ちゃん!もう1度だけ、優子とちゃんと話してくれない?
お願い!結果は変わらなくても、優子は一方的に別れられた事を未だに引きずっているから、話をちゃんとしてあげて!大人でしょ!逃げないでさ!OKだけだしてくれたら、私帰るし、それと連絡は、直ちゃんから優子にしてあげて欲しい!お願い!
(晴美の気持ちをぶつけてくる)
<直也>
・優子に連絡して話せばいいんだな!わかった!俺から連絡するよ。
(直也は晴美がわがままな性格だと知っているので、頷かない限り帰らないと思い晴美に優子に連絡する約束をする)
<晴美>
・では!お願いね!優子と話ちゃんとしてあげてね!私帰るね!
あ?すぐ連絡してあげてね!
(晴美は言いたいことだけ話して帰っていった)
*晴美が帰った後に、直也は面倒な事にならないうちに、優子に電話してきちんと話そうと思うのである。しかし、今更どう話せばいいのか分からないし、優子にどのように話したら納得してもらえるのか悩む直也である。
優子は、まさか晴美が直也の所に行ったとは知らず、夜電話して直也と会って話したいという事を伝えようと考えていた。直也は会ってくれるだろうかと、悩む優子と晴美との約束をしたことで、優子にどう話して納得してもらおうと悩む直也!
お互いがお互いに悩む事で、またまた新たな展開になっていく。
悩む2人は、お互いに電話の前に立つ。優子の気持ちは?直也は納得させることが出来るのか?




