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身長差50cmの恋  作者: Last Life
22/72

第二十二話 「優子の気持ち」

*優子に別れを告げた直也は、複雑な気持ちであった。優子の涙が目に焼きついて離れない。振り切る形で一方的に別れを告げただけに、気持ちに引っかかるものを持ちつつも自業自得から招いた別れに後悔しつつも優子の事は忘れようと考える直也である。

優子はと言うと直也が思っているほど簡単ではなかった。

どうしても直也がこんな酷いことをするはずがないと、振られたにも関わらず、納得はしていなかった。きっと直也は、一時的な気持ちで別な女性(菜々)に傾いたに違いないと思うのである。

別れた理由が会える時間の短さだけなら、まだ直也を取り戻せると考える優子は、今後とんでもない行動をとることになる。

菜々は、直也がいつ彼女(優子)と別れて自分の所に来てくれるのか待っていたのである。

実は菜々が直也と海にドライブに行く数日前に付き合っていた彼と別れていた。

菜々が振られたのである。

菜々は傷ついていて、気分転換に直也とドライブに行ったのである。誰でもよかったといえばそうだが、教育係で指導してくれた直也の姿勢には仕事上でも女性の心を「キューン」とさせるものがあったのも事実である。菜々の場合は、寂しさを埋める為に誰でも良かったのが事実であった。そんなプライベートな事情があったなど直也は当然知らない。菜々は振られた腹いせに直也に彼女がいると知って、その中を壊して直也を奪ってやると思っていたのであった。つまり一番身近にいた先輩上司の優しい性格を利用したのである。もうすでに脅しとも思えるやり方で直也を追い詰めて、優子と別れさせた菜々である。職場も異動となり、直也からは離れることになった。通勤は楽になったが、直也の様子がわからない菜々は、優子とどうなったのかは、まだ知らない。直也は、優子と別れた事を菜々に会って、話さないといけないと思うのである。


さて、さて、直也・菜々・優子の繰り広げられるこれからの展開・・・・。


幸せを掴む為には、何かを犠牲にしなければならない。恋をして時めいて居る時は、花だが歯車が狂い始めると一気に不幸の連鎖が続く。人を信じ待ち許してあげる。こんな綺麗ごとが通用したとして、そこに本当の幸せは訪れるのかその答えは、結果を恐れず、己を信じて進んだ人にしか見えないのだと思う。

優子は、直也に一方的と思える別れを告げられ、納得は出来るはずもなく、別れ話をされた当日の夜から、直也に電話をして納得のいく理由を聞くまで引き下がらないと心に決めた。出てくれるまで毎日でも電話しようと思っていた。

いつも直也と電話していた23時を時計がさした。

今日の今日では絶対に出てくれないと思いながら優子は受話器をとり、電話する。普段はワンコールで切るのだが、納得のいかない優子は、10コールも呼ぶ。だがでない。夜中に10コールって?非常識だと分かっていた。

でも優子の気持ちがおさまらず、翌日も翌々日も23時に10コールする電話が続き、1週間目に23時に電話をした時10コール目に受話器が上がる音がした。


あっ?とってくれた?優子は・・・。


<優子>

・直ちゃん?優子だよ。

(元気のない精神的に辛そうな優子の声)


<直也>

・何か用?俺は何も話す事ないんだけど!

(嫌そうな感じで出る直也)


<優子>

・直ちゃんが話しがなくても、私が話しあるの!話聞いてもいいと思ったから、電話に出たのではないの?

(必死に優子も抵抗する)


<直也>

・あのさ~。こう毎日夜中の23時に電話鳴らされたら、出るしかないだろ!迷惑だよな!俺タオル3枚持って、電話なったとき上にかぶせて音があんまり漏れないように防御した!こんなの毎日続いたらこっちがおかしくなるよ!

(迷惑そうに話す直也)


<優子>

・直ちゃん!どうしてそんなに冷たくするの?私の事そんなに嫌い!

(涙声になりながら優子は話す)


<直也>

・優子とはこの前別れただろ!それに俺は、優子を裏切って嘘ついて他の女とデートしたんだし。もういいだろ!

(自分が悪いと分かっているからこそ、もう後には引けない直也)


<優子>

・直ちゃん!私に平気で嘘ついて裏切ったね!私凄く傷ついた!この気持ち分かる?

自分はさ、別な女と幸せかもしれないけど!直ちゃん酷いよ!本当に酷い!

(涙が電話越しにともらない優子)


<直也>

・言い訳はしない!全部俺が悪い!酷いのも俺だ!今の彼女を選んだのも俺だ!

(早くこの場を切り抜けたいと思う直也)

<優子>

・直ちゃんが全部悪い!そうだよ!私納得いかない事が1つあるの!どうして、会う時間が少ないからが理由になるの?私がもっと時間作れたら、私ともう1回考えてくれるの?そのことが原因なら、私、直ちゃんの事絶対諦めない!

(どうしても理由を聞きたい優子)


<直也>

・納得いかない?優子がどう思おうと俺は、時間が少ないのが限界だった。それが理由!

それにいまさらもう遅い!別れた後に気付いても!裏切った俺が言えた立場ではないけどな!もういい加減いいだろ!

(引き下がらない優子に苛立つ直也)


<優子>

・私を嫌いになったと言われた方がずっと楽!時間が原因なら、私絶対諦めない!

(直也との話で余計諦めきれなくなる優子)


<直也>

・もういいだろ!とにかく俺は、もう優子とは別れたのだから電話も寄越さないでほしい。

(諦めて電話を切ってくれることを待つ直也)


<優子>

・別れた!別れた!と言うけど、一方的でずるいよ!ねえ~彼女って?どこの人?

会社の人?

(食い下がる優子)


<直也>

・一方的でずるくて結構!それに今の彼女?関係ないだろ!

(どんどん優子に突っ込まれる)


<優子>

・直ちゃん!私を納得させたいなら、今の彼女どこの人かだけ教えてよ!そしたら考えるから!

(優子は彼女がどこのどんな女かをどうしても知りたかった。それに直也の口調から早くこの場から逃げたいというオーラが出ていたのでもしかすると話すかもと揺さぶりをいれた。)

<直也>

・そんな事聞いて、どうすんだよ!会社の後輩だよ!これで納得しただろ!

(直也は疲れてきていた)


<優子>

・会社の後輩!同じ職場ならデートも出来てさぞかし幸せでしょうね?

その彼女なら職場同じだから休み合わせること事できるからいいんだ!

(優子は嫉妬でおかしくなりそうになっていた)


<直也>

・もういいだろ!今の彼女同じ職場でないし!とにかく関係ないだろ!

明日も仕事だし、疲れているからもう切るぞ!悪いがもう電話はしないでくれ!

迷惑だ!

(追い詰められて電話を切りたい直也)


<優子>

・直ちゃん!早く電話を切りたいのね?なら私も勝手させてもらうわね!私の気持ちを直ちゃんに向かせた責任はとってもらうからね。だから!私は絶対諦めない!それに電話もたまにしてもいいなら、今日は電話切るから!どうする!

(優子は、絶対に諦めないと心に決めた)


<直也>

・もう勝手にしろ!直也は、半分怒り口調で話し、もう寝る!じゃ~といい

電話を切った。

(また一方的に電話を切ることになる)



*直也が優子を裏切り、別れを一方的に告げられ、納得のいかない優子は、小さな身体で、「負けてなるものか」と何度もつぶやいていた。普通であれば、裏切られた時点で綺麗さっぱり忘れ、もっともっといい人見つけて幸せになってやると考える女性の方が一般的なはず、でも優子は、どうしても直也を諦め切れなかった。自分の幸せは自分で掴まないといけない。私は小さい身体だけでも普通の女性よりリスクはある。でも直也を好きな気持ちは、絶対他の女性には負けない自身があった。その証拠に優子は、電話だけではない次なる行動をとることになる。その行動がまた新たな展開に発展していくとは、現時点では分からないのである。


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