第十四話 新たなる道
*優子の思いは直也に通じて付き合う事になった2人である。人生は七転び八起きと言う言葉があるように、恋愛も同じように付き合った事がゴールではなく、ここが出発地点である事。
そしてここからが新たなるスタートになる。
自宅に着いた直也は、優子が新聞に投稿していた直也への思いを新聞をひっくり返しながら探した。ペンネーム○○○リカ見つけた。投稿は、3週連続で直也への切実な思いが書かれていた。それを呼んだ直也は、優子の性格優しさに心を更に動かされた。こんな自分でもここまで好きになってくれている人がいると言う事に凄く感謝するとともに、優子への気持ちは強くなった。ほんの数時間前に別れたばかりなのに無性に優子の声が聞きたくなった直也は、23時に受話器を上げて優子へワンコールする。
すると・・・。直也の自宅の電話がなる。
<直也>
・もしもし。優子さん?こんばんは。
<優子>
・もしもし。直也君こんばんは。今日はありがとう。とっても嬉しかったよ。
帰りの車の運転も大変だったでしょ?私もバスが吹雪で3回立ち往生して、普段より40分も遅く家に着いたから。
<直也>
・俺も帰りは、道路状況はよくなくて、少し時間はかかったけど、立ち往生するくらいの吹雪にはならなかったので、大丈夫だったよ。帰ってきてすぐに、新聞探して優子さんの投稿見させてもらったよ。凄く心に感じたよ。ありがとう優子さん。
優子さんの投稿見たら、無性に声聞きたくなったから電話しちゃいました。
<優子>
・読んでくれてありがとう。恥ずかしいけど、直也君への思い。伝わったから良かったよ。ねえ~?直也君今度いつ会えるの?デートの約束して欲しい~。
*優子の投稿の内容は、直也に思いを寄せる乙女心を素直な文面にした内容で、直也はそれを読んで優子の切ない思いを感じたのである。それと同時に優子を守ってあげたいと思うのである。
<直也>
・今度のデート?そうだね~。いつにしようか?俺の休みは、来月のシフトは、明日渡されると思うけど、平日が休みで、土日祝は出勤だと思うよ。優子さんの休みは、俺と逆で平日は仕事で、土日祝が休みだよね?
(直也は、優子との休みのすれ違いまでは考えてなかった。元カノの晴美とは、土日祝が仕事で休みは平日で合わせる事が出来て週1ペース会っていた)
<優子>
・直也君仕事柄、私となかなか休みが合わなそうだね?でも月の中で1回くらいは、同じ休みってとれないの?
(優子もまた、直也と付き合う事にはなったが、休みの事までは考えていなかった為、元彼のように土日祝休みで、週1ペースで会う事が出来ないと感じる優子である)
<直也>
・サービス業は土日祝が稼ぎ時だから、中々休めないと思うけど、商人は、2、8月は比較的暇な月と言われているから、来月は2月でシフト希望出せば、1日くらいは、休みとれると思うけどね。上司に聞いてみないと分からないよ。
<優子>
・明日会社に行ったら、休みとれるか聞いてみて頂戴。休み取れる日ならどこでもいいからとって欲しい。私がその休みに合わせるからお願い直也君。
<直也>
・分かった。明日上司に申請してみるよ。希望が叶うか分からないけど、その結果は、明日夜電話するから。いいかな?
<優子>
・希望が叶うといいけどね。明日電話待っているよ。明日も仕事だから、もう休もう。
おやすみなさい。また、明日ね。
<直也>
・優子さんお休みなさい。また、明日ね。
*翌日はお互いに、仕事をこなした。直也は上司に、2月のシフト変更希望を依頼した。
すると上司は、「いつが欲しいの」と聞かれた。直也は、頂けるのであれば土日祝の1日いつでも構いませんと答えた。上司は、店は月末・月初は少し忙しくなるから、「中旬の日曜とか」どうだと聞かれた。休み頂けるのであれば、お願いしますと言って、上司は了解してくれて、13日の日曜日を休みに変更してくれた。直也は、優子によい報告が出来ると思いながら、仕事をした。優子は仕事中も直也の事が頭から離れない様子で休みがとれたかどうか、気になりながらも仕事をこなした。お互いが仕事をこなして自宅に帰り、直也から連絡の来る23時を優子は待っていた。直也もまた、23時になるまでテレビを見ながら待っていて、約束の時間になる。
*直也は受話器を上げて、ワンコールして電話を切る。するとすぐに電話が鳴る。
<直也>
・もしもし。優子さんこんばんは。
<優子>
・直也君こんばんは。早速だけど、休みとれた?
<直也>
・とれたよ。シフト変更してもらったよ。それで2月13日の日曜日に休み貰えたよ。
その日でいいかな?
<優子>
・私が合わせる約束したし、13日で大丈夫だよ。それで直也君と行きたいとこあるんだけど、今回私に任せて貰っていいかな?ちなみに12日の土曜日って何時に仕事終るの?
(優子は13日に休みが取れたと聞いて、14日がバレンタインデーだから、グットタイミングと思った。)
<直也>
・12日の土曜日は、早番だから、17時には仕事終るよ。優子さんが行きたいところ?いいけど?どこ?
(優子の積極性に直也は驚く)
<優子>
・1泊で温泉に行きたいの。12日仕事終った後に、駅で待ち合わせして、新幹線とタクシー使って1時間でいける所に行きたいの。段取りとか、旅館とか、新幹線の時間とかは、全部私が調べて手配するから。いいかな?
(優子は凄くウキウキした口調で直也に話す)
<直也>
・俺はいいけど。優子さんに全部任せていいの?
<優子>
・今回は全部私が全部したいの。今まで直也君には随分迷惑かけてきたし、それに私の大事な彼だから、私に任せて頂戴。
<直也>
・それじゃ~。優子さんに今回は甘えてお願いします
<優子>
・詳しい事は、近くになったら連絡するから。それと、出来れば、直也君と週1回くらい会いたいなと思っているのね。無理かな?
(優子は会えない不安もあったが5歳も年下の現実もあった。それと元カノの晴美からは、週1で色んな所にデートしていた事を聞いていただけに、晴美には絶対負けたくないと思う優子である)
<直也>
・週1で会いたい?休み合わないから厳しいと思うよ。でも俺の休みに優子さんが仕事終わるのを待って会う事は可能だよ。夜のデートになると思うけど。それか、優子さんの休みに、俺が仕事終わるのを待ってから夜デートするとかね。そんな方法しかないと思うよ。
(直也は、晴美の時とは会う機会が少ない現状を実感する)
<優子>
・私の勝手ではあるけど、出来れば直也君の休みのときに私と会って欲しいな。仕事終ってから会えても、短い時間しか会えないと思うけど会って欲しい。実は、私の家門限があるの。会社が17時で終わり、バスで帰って行って自宅に着くのが、18時なの。つまり18時が門限なの。元彼との事があってから、お父さんが門限決めて厳しくなったの。
(優子は直也と会う回数を多くするためには、直也の休みに向かえに来て貰うしかないと思うのである)
<直也>
・門限があるのね。仕方ないよ。週1会うためには、俺が休みのときに、優子さんを迎えに行って自宅まで送ればいいね。短い時間でも会えれば俺はいいしね。でも門限あるのに旅行大丈夫なの?
(門限と聞いて驚く直也である)
<優子>
・私のわがまま聞いてくれてありがとう。旅行は上手く友達といくと話して、その友達にも根回ししておくから心配しなくて大丈夫だよ。
(直也の優しい気持ちに優子はとても嬉しく感じる)
<直也>
・来週の休みから、優子さんを17時過ぎに迎えに行くことにするよ。待ち合わせ場所は、この前のバス停の近くのホームセンター駐車場でどうですか?それと、旅行も来週末だから、その打ち合わせを来週の木曜日俺休みだから、迎えに行った時 に相談しようよ。いい考えでしょ?
<優子>
・来週の木曜日の17時までに、旅行の段取りをして、会った時に予定を打ち合わせしようね。待ち合わせ場所もホームセンター駐車場ね。じゃ~また来週ね。直也君お休みなさい。
<直也>
・来遊ね。優子さんお休みなさい。
(直也は来週の約束をして電話をきった)
*時間の経過は早く、優子と待ち合わせの約束をした木曜日になり、直也は、約束の時間に間に合うように、早めに家を出て、16時40分には、約束のホームセンターの駐車場には着いた。この前とは状況は全然違って、天候も道路状況もよく順調に時間前についた。
17時10分過ぎ、優子が直也の車の方に歩いてくるのが見えた。直也は助手席を指差した。
<優子>
・助手席のドアを開けて、優子はお待たせといいながら、笑顔で車にのり、シートベルトを締めた。バスが17時半に出発するから、その前に家の近くの公園あるからそこに先に行って話そうと言う。場所は私案内するから、そこまで運転して頂戴。
<直也>
・優子さんお疲れ様でした。時間勿体ないから、移動するねと言って、優子に案内して貰いながら公園まで車を走らせた。
(公園について駐車場に車を停めて話始めた。時計を見ると30分は話せそうだ)
<優子>
・直也君旅行明後日だね。私凄く楽しみ。それで段取りを話すね。新幹線の時間は、
17時30分で、現地旅館のチェックインは19時前に予約した。
それで、直也君は仕事だから、待ち合わせは、17時20分に駅の改札で待ち合わせしよう。私が新幹線の切符とかは買っておくから。私はその日は、休みだから時間に間に合うように駅に先に来て待っているから。いいかな?
(優子は段取りよく計画を直也に伝えた)
<直也>
・完璧だね。その計画でいいよ。お父さんとかには、口実ちゃんと考えて話したの?
(直也は旅行の口実が心配であった)
<優子>
・大丈夫。予定通り友達に話して裏工作はしておいたし。お父さんにもちゃんと話して許可もらったから。
(嘘付いて許可を貰った優子)
<直也>
・嘘ばれたら?どうするの?
(ちょっと心配になる)
<優子>
・その時は、直也君覚悟決めて、お父さんに怒られてね。
(笑いながら優子は話す)
<直也>
・優子さん冗談きついね(笑)ばれたら、覚悟しますか。
(笑いながら直也も話す)
*そんな会話をしていたらあっと言う間に時間が過ぎ、公園の前をバスが通過するのを確認して直也は、あたかも優子がバスで帰ってきたようにしなければいけない為、バスの後を追いかけた。優子の自宅のバス停の近くで車を停めて優子を降ろす。車から降りる間際に優子が自分の手提げ袋の中から、「直也君お腹すいたでしょ?」帰り車の中で食べてとハンカチに包まれたおにぎり2つ手渡された。直也は「ありがとう」と言い。明後日ねと言って、自宅へと車を走らせた。
*休みが合わないこの2人。明後日に控えた旅行。2人の新しい恋のスタートは、今後どんな展開になっていくのだろうか?山アリ谷アリの恋愛は、まだまだ続くのである。