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Triangle Relation  作者: 東京 澪音
20/23

晴秋side-3

目の端と口の端に血を滲ませた茶髪のヤンキーと、それを心配そうに見つめる整った顔の女の子。


世間様の目にはどううつるのかな?

電車に乗ってる間そんな事をずっと考えていた。


秦野で電車を降りると神薙の家まで歩く。

電車に乗ってから会話って言う会話は無かったが、先に話かけてきたのは神薙で。


「…ねぇ、晴秋ってさ、暴走族なの?」


聞かれなければ答えないけど、聞かれたらんだったら答える。


「神薙は足柄倶楽部って知ってる?」


この辺の中学校の間じゃかなり名前が通ってるから、どっかで神薙の耳をかすめてても不思議じゃないと思う。


「噂位なら知ってる。クラスの男子達が噂してたの聞いたことあるから。この近辺の喧嘩が強い各中学の男子6人で作った喧嘩チームで、暴走族とも交流があって、それに春秋も参加してるって、私聞いたもの。」


そこまで聞き知っているのなら話してもいいかな。


「中学生になる頃にはさ、イキがった奴らってのが沢山出てきてね。中でもウチのチームの奴らってのは大抵が小学校の頃から噂になってる様な悪ガキばかり。自分より悪いヤツの噂とか聞きつけるとさ、やっぱ喧嘩になる訳よ。中学入学前の春休み、酒匂川の河川敷で誰が一番強いか決めようって事になってさ、大人数で大喧嘩した事があったんだけど、最後まで倒れず逃げずに取っ組み合いしてたのが、俺を含めたウチのチームの6人て訳。最終的には決着がつかなくてさ。腹減ったから続きはまたにして飯でも行こうやって誰かが言ってね。ズタボロの服で顔面腫らしたムサイ男6人がラーメン屋でラーメン啜ってる訳なんだけどさ、その絵があまりに面白くてさ。六人で大笑い。気がつけば仲良くなっちまってチーム結成って訳。」


ちょっと呆れ顔で俺の話を聞く神薙。

まぁ、女子には面白い話じゃねーわな。


「結成当時はさ、兎に角名前を売りたくって片っ端から喧嘩を売ったし買って歩いたよ。おかげでこの辺じゃすっかり有名になっちまってさ、誰も喧嘩を売ってくる連中も買ってくれる奴らもいなくなっちまった。そうするともっと刺激を求めて危ない連中に喧嘩を売るわけなんだけど、ある日近隣の高校生に喧嘩を売ったら、それがBreak Outって言う暴走族の幹部でさ。

最終的にウチの倶楽部は全員ボッコボコにされちまうんだけど、ビビらず最後まで1歩も引かなかった姿勢が幹部連中に気に入られてな。誘われて時々集会に参加する仲になったって訳。因みに夜ウチのチームがBreakOutに合流する時は、OutBreakって名前で遊撃隊として参加してる。」


宗人ならもっと神薙が興味を引くような会話が出来ると思う。だけど俺にはそういった気の利いた話題を神薙に提供してやる事が出来ない。


「俺さ、こんなんだから最近まで宗人以外にマトモな友達っていなかった訳。今は徐々に神薙や学校のヤツらと少しづつ仲良くなれてる気がする。ウチの倶楽部の連中ってのもさ、俺みたいなヤツらばかりなんだよ。人付き合いが苦手で、コミュニケーションのとり方が極端だから、喧嘩しないとわからねー連中ばっかなのよ。不良になる奴らにもさ、好きで不良やってるヤツらばかりじゃねーんだよ。そういう奴らとしかツルめないコミュ障なヤツもいてさ。いつかさ、俺を通して宗人や神薙みたいなマトモな友人との架け橋になれたら、アイツらも色々よくなっていくんじゃないかって思ってる。」


そう、これは馬鹿なおれが馬鹿なりに考えたことだ。

現に俺は宗人と知り合った事で小学生の時よりは幾らか真面になれたと思っている。


ウチのチーム連中は、家庭や周りの環境が悪くってグレちまった奴らばっかだから、少しづつでもそういった環境から抜け出して、悪い事よりもっと楽しい事があるって事を教えてやりたい。


悪い仲間ばかりではなく、もっと沢山の色々な人達と関われる環境を作ってやりたい。


俺自信がそうなれた様に、アイツらにもそうであって欲しい。


そんな話をしていると、神薙んち神社の大きな鳥居が見えてきた。


「今度さ、その晴秋の良くない方の友達連れて来なよ。私は女の子だし不良じゃないけど、お話したり、一緒にご飯食べたりする位出来るから。それと、勉強位なら教えてあげられるわ。私も友達少ないから、偏見の目なんか抜きで仲良くなれたら嬉しいかも。あ、その時は宗人も一緒にね。彼がいれば色々何とかなりそうな気がするの!」


宗人か…ビビらなきゃいいけど。

そんな事を考えていると、それを察した神薙がニコニコと答える。


「宗人なら大丈夫よ。だって晴秋の面倒を根気よくみてくれるくらい面倒みがいい人だから!彼なら上手く架け橋になってくれるわよ、きっと。」


そうだな。

アイツは俺の1番の理解者だし、アイツがいたから今の俺があるんだもの。


「ほら!ウチ着いたから手当してあげる!あ、あと昨日煮物作り過ぎちゃったから夕飯食べてって!今日のお礼って事で、ね?」


神薙にそう促されながら、俺達は神社の鳥居をくぐって裏手の入口に回った。

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