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第1話『Appears the second princess』

ああ、まただ。

東の領地で農民が蜂起したそうな。

おお、怖い怖い。

こっちも不作だ。

駄目だ、川も枯れてらぁ。

ここいらも全滅だねぇ。

やっぱりあれでねぇか?

そうだそうだ、あの日からだ。



やはり神の愛し子を逃がしてはいけなかったんだ。



逃がしたのは誰だ。


王だ。


白い魔女は言う。



殺してしまえ

滅ぼしてしまえ

王の罪を知らしめろ




各地で狼煙があがる頃


王宮から生き物が消えた。







あれから1年と少し。


ある少女と青年が町を歩いていた。


2人は王宮へ足を向けている。


「止まれっ!何者か!」


門兵の言葉にはいっさい耳を傾けない少女。

じれったさに兵士が近寄ろうとしたとき


「白き魔女、マリア・ティディール!」


少女は大声で叫ぶ。

その名は新たな王と共にいるであろう、内乱の主導者。


「私が誰だか分かっているんだろう。

時は来た。ゲームを始めようじゃないか!

ルールは至極簡単。どちらかが死ぬまでの半永久のかくれんぼ。

私達が殺されるのが先か、お前達が死ぬのが先か。

私達は絶対に負けない。この国は私が救う、私達が守る!」


傍らに控える青年が移動魔法の詠唱を始める。


少女は被っていたぼろ布に手をかける。


「遥か昔、この大地を救った英雄、この国を作り守りあげてきた偉人たちに誓おう。私は必ずや悪逆の魔女より、この国を取り戻すとこを!!………この、ルナイト・A・ラフィーカスの名において!」


ある筈の無かったAの文字。


思い出されるのは優しかった母アリシアとおおらかな父アルスの微笑みと最期。


刻むのは己への戒め


始まりの合図


魔法の師匠、アビスへの想い


背負う覚悟。


「お前達が隠そうとする真実の昔話。帝国の謎。あの誕生会に来た使者の言葉。………その全てを暴き、お前を殺す!」


剥ぎ取ったそこに現れたのは


創国より王族しか持てない紫の髪と瞳。


まだ幼さの残る10代の顔立ち。


それらが指し示すのは


「き、貴様………まさか!?」


動揺する門兵たち。


「姫。遠隔魔法が来ます。」


金髪に赤い瞳の青年が言う。


すると少女は上空を指差して言った。


「翔べ。」


次の瞬間、突風が辺りを抉りあげる。


開けるようになった視界の先にはもう誰もいない。





そして翌日、国中に知らせが飛ぶ。



かの暴君のニノ姫、ルナイト生存。

英雄王と最高位の魔導師様に、犯意を示す。

国を裏切った神の愛し子らは最早害悪。

見つけ次第、捕縛し王の元へ。なお死なない程度に痛め付けてよし。











カサッ


「私ら、害悪だってさー!」


少女は笑う


「さぁて、ゲームは始まったよ。」


少女は探す


「まずは仲間を集めないとね。」


幼き頃、己達が守護せんと決めたあの場所へ


「行こう、リオ!」

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