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偏見とは少数サンプルから導いた統計量である。
つまりいかなる場合にも少数サンプル問題がつきまとい、ゆえにその統計量に経済学的意味はないのであるが、しかし数学嫌いはむしろ数学を盲信するふしがあって、――往々にして節穴だが――、ひとたびt検定やKS値が頑健性を示せば以て私感がただしい、とか言い出す始末、こらこらバックテストはどこへやら、そもそもスピアマンでもケンドールでもよいから順位変換しているのかとか、まあそもそも意味なんてわかりませんよね、なら統計量騙るなや、といっただけでなぜかお前が阿呆だとののしられる始末、のみならずそれを疑似サンプルとしてブートストラップ法で自己拘束的に頑健にしてゆくから、つまりいかなる場合にも少数サンプル問題がつきまとい、ゆえにその統計量に意味がないことはついぞ拭いされたためしがないのである。
初出 「偏見とは少数サンプルから導いた統計量である。」2012年 11月03日 (土) 01:54