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出会いの日

何気ない1日。いつも通り学校の廊下を歩く


(うわー…廊下人多……あれ、黄色の上履き。1年生の女の子?なんでこんなところ…にっ!!?)


目の前から女子が走ってき──


「どゅわっ!?…………え…?」

すり抜け………




─こころ彷徨びより─



俺は (みやび) 祐希(ゆうき) と言う。ようやく2年生になった。

(それにしてもさっきの子…)

黒い髪の毛。高校1年生の少女というには大人びた見た目の子。

(顔見えなかったけど可愛かったな。っていやいやじゃなくて)

すり抜けた、ぜっったいにすり抜けた。いやゲームのガチャの話じゃなくて。


すり抜けたのだ。あの少女とぶつからず、己の体を貫通して………。

考えなくてもわかる。


「幽霊か…」

「授業中は喋るな」

「すみません。」

数学の先生に怒られてしまった。



幸いホラー動画を沢山観ていて何となく耐性はあってあまり気にしなかった。あの少女は幽霊と言うにはあまりに普通の人間と変わりない見た目だったので尚更だ


─13:06─

「よっしゃ探しに行くか」

探しに行くのはもちろん朝に見た幽霊だ。

(なんだか悲しそうな顔をしていたし、迷える子羊ならぬ迷える地縛霊なのだろう。俺が助けてやらねば)


────


「居ねえよぉぉ!!!!!!どこだよ!ユウレイ!!

ったく人が助けてやろうとしてんのに……って…あれ」

(朝に見た子だ。居た…っ花……?)


献花の前にあの少女が居る


「それ…お前のなのか?」

無視。

「おい、お前だよ幽霊の!」


ビクッとした後、少女が喋る

「はえ……???」

「はえ?じゃなくて、それはお前の花なのか?」

「わ、分からない…です。記憶がなくて……」


人生初幽霊との会話。やはりこの子は幽霊と言うには普通の女の子すぎる。どう扱えばいいのか…。

「去年の冬、ここで事故があって3年生の女子が死んだっていうのがあったけど」

「…」

「学校をうろちょろしてる理由は?」

「…私を探すため」

「俺の手助けは必要か?」

「ん…独りで、大丈夫です。何も情報は掴めてないけど」


えへへ、と軽く微笑む。が、すぐに顔は曇った。

無理もない、もし本当にこの少女が冬にあったあの事件の被害者ならば、約4ヶ月。誰とも会話できず、自分が何者なのかもわからず、ずっと独りぼっちだったのだ


「ん?冬に死んだのは3年生の…?」

「…??」

「先輩かよ!!!!!??」


またもやビクッとなる少女

「っあの…?」

「すみませんでしたどうかお許しください」

「あっあえ?えっと………。大丈夫、です。別に上下関係とか気にしたことないですし、久々に誰かとお話できて良かった」


今笑顔は曇らない。心からの笑顔だった


「っあの」

「?」

会話を進めたのは少女の方だった。

「お名前、教えて欲しい…な」

「!!雅 祐希。好きに呼んで」

「みやび…くん」


変わらず笑顔で続ける少女。

「ありがとう、またお話できたら嬉しいな」

「うん、また今度。えっと…君の名前は?」

「…分からない」


先程も言ったが少女には生前の記憶がないのだ。名前を知っているわけが無い。…だったら


「レイちゃん」

「えっ?」

「幽霊のレイちゃん。なかなか可愛いだろ?」

「!!うん!ありがとう」


─キーンコーンカーンコーン

お昼休憩終了の鐘だ


「あ、俺もう行かなきゃ」

「あっ、うん。行ってらっしゃい。頑張ってね」

「おう!じゃあな」

「またね」


『またね』

この言葉に少女は名付けられない感情を抱く。

「明日も誰かと会話ができる」という喜びと、「自分に明日が来るのか」と言う不安が混じりあった感情。


どちらにせよ、少女…レイにとって今日は忘れられない1日になったのだった。

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