音楽室の天才奏者 砂糖Twins
私の名前は有沢由香。
中学三年生だ。
今私は窮地に陥っている。
なぜなら罰ゲームの肝試しをやらされているからだ。
私は怖いものが苦手。うちの地域にある比較的怖くないと噂のお化け屋敷にも入れない。
今回の肝試しの場所は学校。
学校だからまだいいじゃんとか言われたけどぜんっぜん良くない。
お化けとかお化けとかお化けとか出るかもしれないのに、、。
あぁ、、こんなとこでうじうじしててもダメだ。
行かないと。
てかこれ不法侵入になるんじゃ、、。
そんなことを思いながら私は学校の中に入った。
暗くて静かで、、。すっっっごく怖かった。
罰ゲームの内容は学校の中をくるっと1周回ることだった。
教室の鍵が空いていたらこっそり入れとも言われていたが多分普通は閉まっている。
あぁ、なんであの時私は負けちゃったんだろう、、。
あの時のことを後悔しながら私は廊下を進んでいた。
•*¨*•.¸¸♬︎♬*°•*¨*•.¸¸♬︎
あぁなんか綺麗な音楽が聞こえる。なんだろうこの曲は。クラシックっぽいな。
突然音楽が聞こえたことに疑問を持たずに私はその音に耳を傾けていた。
体はいつの間にかそのおとのするほうにうごいていた。
そしていつの間にか私は音楽室の前にいた。
あぁほんとに綺麗な音だ。
もっと、、近くで聞きたい。
私は扉に手を伸ばしていた。
中にいたのはうちの学校の制服を着た顔がソックリな男女だった。
もし性別が違くなければ同じ人が2人!?と思っていたくらい似ておりそして幼さは残っているもののとても美しい顔をしていた。
女の子はピアノを男の子はヴァイオリンを弾いていて息ぴったりな演奏だった。
女の子が先に私に気づいた。
そして女の子の演奏が止まったのに気づいて男の子も私を見た。
2人はびっくりしたように目をまん丸にして私を見ていた。
「あ、ご、ごめんなさい。盗み聞きするつもりはなくて、、。あまりにも素敵な演奏だったからつい、、。」
私がそう謝ると男の子はニコッと笑いながら言った。
「別に大丈夫だよ。でも、こんな時間にここに来て大丈夫?不法侵入とかにならない?今なら見逃してあげるから帰りな。」
「あ、は、はい。ごめんなさい。」
私はあなた達もじゃない?といおうとしたが何故か謝ってしまった。何故だろう。彼の笑顔が少し怖かった。
そして私は音楽室から出た。
私が出るとまた美しい演奏が聞こえてきた。
あぁほんとに綺麗な音だ。
翌日私は友達にその事を話した。
すると友達は少しびっくりした顔をして教えてくれた。
彼等は「音楽室の天才奏者 砂糖Twins」といううちの学校にある七不思議のひとつらしい。
私はそんなのもあったなと思いながら、少しびっくりした。
彼等は普通の生きている人間に見えたし、足もあったし、、。
でも、なぜ彼等があんな時間にあそこにいたのか少し理解出来た。
あぁまたあの美しい演奏が聞きたい。
そんなことを思いながら私は友達に目を向けた。