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あの日

作者: 羽生田鷹

そのようなものを書いてみました。

よろしくお願いいたします。


「おはよう…」


 中島綾音は、気の抜けるような挨拶を教室に入って直ぐの席に座る花沢ひなに向けて発する。

 ひなは幼稚園から学び舎が一緒の幼馴染である。

 性格は引っ込み思案で非常に大人しく、会話がもの凄く苦手で、ほぼほぼ喋らない子だ。

 だが、綾音とはある程度は話をするし、彼女にとっては、居るだけで心の平穏を与えてくれる安定剤のような人物である。


 ひなが綾音の挨拶へ答える前に、もう一人の友人、中学校からの腐れ縁である堀川由美に遮られた。

 彼女はもの凄くおしゃべりで、賑やかな元気少女だ。

 中学入学時に綾音と知り合い、ゲーム好きという共通点から仲良くなった。

「おっはよー!」

 と大きな声で由美が挨拶をする。


 その横で、いつものようにひなが、静音でないと聞こえないような、蚊の羽音のような小さな声で挨拶をする。

「おはよっ。」

 ニコッとは儚げに微笑む。


「昨日は遅くに連絡しちゃってごめんね、寝ていたよね。本当にごめん。」

 そう綾音が2人へ謝罪する。


 昨夜遅くに、今日の持ち物の事を想いだし、2人に慌てて確認しようと、連絡をしたのだが、2人共返答は無かったのだ。

 それはそうだ、あの時間は、世間では寝息を立てて寝ているであろう深夜であったのだ。

 その話を続けたかったのだが、綾音は遅刻ギリギリであったので、すでに背後には担任の気配があった。

 慌てて席に着くことを2人にも促して、自分の席に着いた。


 今日の綾音は非常に眠い。

 それもこれも、昨夜寝る前に開封してしまったゲームが原因であった。


 夕飯後、のんびりと夏の新ドラマを鑑賞した後、お風呂に入り、自室へと入った瞬間、目の中に飛び込んできたのだ。

 それは、勉強机の上に置いてあった小さな段ボール。


 この中身は、数か月前にネットで購入した人気のゲームソフトだ。

 発売開始から店頭での売り切れが続出し、綾音も近所のお店を何軒か回ってみたのだが、買えずじまい、仕方なくネットで購入して入荷待ちをし、ようやく我が家に届いたらしい。

 効果音がなる幻聴と共に頭上高く持ち上げる。

 手に入れた瞬間であった。


 それを目にしてしまっては、手を出さないわけがないのである。

 そう、それから数時間程、夢中になってプレーを楽しんだ。

 外で鳩のような鳥の鳴き声が耳について、これはマズいと手を止めて、眠りについたのは明け方である。

 その為、本日の朝のホームルームは完全に睡眠タイムとなった。


「……という訳で、皆も気を付ける様に。」


 担任のお話が終わり、起立と号令がかかって、ガタガタという机の音に反応して、脳を覚醒させ、慌てて綾音は目を開け、立ち上げる。


 口端に透明な液体をほんの少し零したまま、姿勢の崩れたお辞儀を終えた。


 教室中がいつもよりもザワザワしている。


「中島さん!?」

 心配そうな表情のクラスメイトに名を呼ばれた時に、担任が大声で告げる。

「おーい、今日の一限目の体育だが遅刻すると、1分毎にトラックを走る数が増えるらしいぞー。早く行けー」

 それを聞いた者は意識を切り替えて更衣室へと素早く移動していく。


 綾音も、後でね!!と、心配そうな表情で名を呼んだクラスメイトへ告げて、急いで更衣室へと移動した。


 室内では先程の担任の発言により皆が大慌てで動いている。

 ホームルームが少し伸びたようで、一限開始までの時間がかなり短くなってしまっていたのだ。

 サッサと着替えを済ませては校庭へ向かっていく。


「1限が体育だなんて、今日は3限じゃなかった!?」

 文句タラタラに綾音が発すると、後ろで着替えていたクラスメイトが反応した。


 彼女は教室で綾音の斜め後ろの席に座っている優等生ちゃんだ。


「中島ちゃん、さっき朝礼での先生の話を寝ていて聞いていなかったものね。先生が急ぎの用事が出来たでしょう。それで1限と3限が入れ替わったのよ。さあ、本当に始業に間に合わなくなるわよ、急いで!」

 そう眼鏡をクイっと上げながら話すと、あっという間に部屋を出ていってしまった。


 見渡すと、残っているのは、ひなと由美と自分だけだ。


 着替えていない由美を見て、何でまだ着替えていないのか今日は体育を見学するのかなと、声を掛ける。

「由美、休み?」


「うん、ちょっと…ほら、私、月のものが重いから。今日は休もうかと思って。」

 由美がそう気まずそうに答える。


「ああ、そうだね…休み…オッケーオッケー。そうね、辛いよね。」

 綾音の言葉に、ひなが頷く。

 ひなはロッカーに携帯をしまい、準備を終えた様だ。


 三人は部屋を出て、校庭へ速足で向かった。

 1限目の体育が熱血体育教師のお陰でハードであった為、その後のクラスはすでにお疲れモードとなっていた。


 そして、2限、3限、4限と疲れが残ったまま時間は進み、昼食の時間となる。


 ***


 いつものように、昼食は綾音とひなが所属している茶道部の部室で食べている。

 由美は茶道部ではなく、体育会系のバスケ部に入っていたのだが、いつもこの部屋で三人は昼食を食べていた。


 部室のドアがノックされ、扉が開く、後輩が入ってきた。

「失礼しま~す。やった、よかったー。先輩いてくれて。」

 そう言いながら、後輩はソロっと入室し、自身の小さな荷物起きスペースへ向かうと、何やらガサゴソと何かを探している。


「どうかした?」

 席から立ち上がり、綾音が声を掛けると、

「先日の学祭で持ってきた水差しを、今日こそ持ち帰ってこいと母に言われてしまいまして…今日は部活動のない日だから、昼休みならば、先輩達がいつも居るから、鍵をわざわざ借りにいかなくても取りに行けちゃうよなと思いまして。ヘへヘッ。」

 ちゃっかり者の後輩がそう答えた。


 先日の文化祭前々日に、部員が水差しを割ってしまい、お茶を嗜んでいるという彼女の母親へ、借りたのであった。


「ああ、その水差しならば、そこの棚の中にあるよ。無造作に床に置かれていたから、ひながそこへしまったはず。」

 綾音は後輩へ優しく教える。


 後輩は嬉しそうにお礼を述べて、棚の中を調べ始めた。

 目的の物を見つけ、お礼を言って、部室を出るために入り口を目指す。

 振り返り、言い忘れていたと言うように話し始めた。


「見つかって本当によかったです。今日持ち帰らないと母に叱られ、お小遣いを減らされてしまうところでした。ありがとうございました。先輩の昼食の時間を邪魔してしまってすみません。美味そうな弁当で、お腹が鳴りそうです。では失礼します!」

 後輩はそう元気よく言い残し、颯爽と帰っていった。


「元気で気遣いのできる後輩だね。」

 由美が感心する。


「じゃまなんかじゃないのにね。本当、いい子だよ。」

 綾音の言葉にひなが激しく頷く。


 それから、5限、6限をウトウトしている間に終えた。


 今日の帰りの会は無くなった。

 臨時の先生が当たり障りのない言葉を述べて、早く帰るように述べると、解散となり、すぐに下校となったのだ。


 ***


 先程から、いつもは、秒もしないうちに部活へと駆けだしている由美が、教室の自身の席に着いたままであることが気になっていた。

 いつもならば、明日ね!と元気に声を掛けて教室を飛び出しているのに。


 すでに大多数の生徒が教室を出ている。

 何だが不安感が込み上げる。

 由美は体育も休むほどであったから、もしかしたら体がきついのかもしれない。


 そう綾音が考えていた時に、肩を捕まれた。

 振り返ると、ひなであった。


 ひなが無言で、携帯を耳に当て、それを指さしてくる。

 すでにコール音を鳴らしているらしく、電話をしてくるというサインの様だ。


 ひなを待つ間に、体調が良くないと言っていた由美へ、話を聞こうと考えたのだが、顔を当の本人へと向けると、すでに彼女は席に居なかった。

 ああ、すでに部活へ向かってしまったのかと、教室のドア付近へ目を向けようと体の向きを変えたのだが、その視界に由美の姿が入った。


「中島さん、あの、何か聞いている?」

 再び、横から心配顔のクラスメイトから声がかかる。


 何を聞いているのかと聞かれても、何も思い当たる節がない。

 とりあえず、無いと答える。

「えっと、知らないよ??」


 そう彼女へ答えた瞬間、由美が近くへ来ていた。

 そしてこう言った。


「やっぱり、今日は体調が万全じゃないから部活しないで帰る。一緒に帰ろう。」

 綾音はその言葉に、大丈夫なのか?と彼女に向けて気遣う言葉を発する。


 心配な気遣いをする半面、その内心では一緒に帰れるのだと嬉しく思っていた。

 いつもの由美は、熱血部活ヤローだ。

 その為に高校へ進学してからも、毎日放課後はバスケ部へと直行していた。

 それなので、綾音は大半がひなと2人きりでの下校であった。

 由美も一緒の下校は本当に久しぶりだ。

 それなので、由美とも行ってみたいと思っていた場所へ、寄り道しようと提案してみようかなと考えて、とても楽しかったのだ。


 その際に、横に居たクラスメイトが言いかけた言葉を引っ込めて、

「大丈夫だよ…、うん、大丈夫。何でもない、早く良くなるといいよね、明日ね!」

 といって帰っていったのである。


 不思議に思いながら、綾音は一緒に由美と帰れることが嬉しいという気持ちを表に出さぬよう努め、由美に向かって真顔で相槌を打つ。


 そして、内心ウキウキしながらひなへとメールを送ったのであった。


“由美が、今日は一緒に帰れるって!!”


 だが、ワクワクしながら送ったのに返信は無かった。


 それから数分もしないうちに、ひなが慌てて教室へ戻ってきた。

 “ごめん”と聞き取れるか取れないかという程の小さな声を発し、両手を合わせて揺らし、拝む仕草をしながら必死に駆け寄ってくる。

 それを見て、綾音は返信が無かった悔しい気持ちのことなどすっかり忘れ、癒しへと置き換わり、心を満たされてしまった。


「いいよ、いいよ。そんなに待ってないから。さあ、帰ろう。」

 と、ひなの不安を拭い去った。


 すでに、教室には三人以外は誰もいなかった。


 教室を出て、校門を出る。


 いつもと違う3人で帰る帰り道。


 綾音の心は嬉しさに、さわさわとさざ波を立てていた。


 ***


 由美は。運動部だからだろう、歩くのが早かった。

 そこで、少し後ろで遅れてしまっているひなを心配し、綾音は速度を落として、ひなへと近づき、声を掛ける。


「ひな、どうしたの?歩くスピードがかなり遅いけれど、体調悪いの?」

 そう綾音がひなに聞くと、ひなは血の気の無い顔でこう言った。


「ごめん、今、メール見た…」

 ひなが震えながらそう言ったあとに、息を飲みこんだ。


 前を歩いていた由美が振り返り、距離が遠すぎることに気が付いたようで、声を掛けてくる。

「おーい、遅いぞ。置いて行っちゃうぞー。早く早くー。」


「今行くー!」

 綾音は急いで返事をして、ひなを急がせる。

「ひな、急ごう。由美がどこか行きたいようだから、急ごう。早く早く。」


「えっ、あ、えっ。」

 と、ひなは戸惑うように答える。


 綾音はひなを心配しながら、先をずんずん進んでいる由美を見て、ひなを引っ張り無理矢理歩かせる。


 ひなは何だか、抵抗でもしているかのように、体に力が入っており、進みがとても鈍い。

 だが、綾音も、少し力を加えて、彼女を強引に進ませた。


 右手に工場の壁、左手は建設中という看板の立てかけてある雑草の生い茂る土地という場所まで来た時に、携帯のバイブ音が鳴る。


 ブブブ、ブブブと音が鳴る。


「ま、待って。」

 ひなが大きな声でそう言うと、立ち止まり、携帯の中身を確認している。


 少し止まって貰おうと、綾音は前を歩いている由美へと大きな声で話し掛けた。


「由美、由美。ひなが遅れているから、先に行かないで。停まって!」

 その言葉に、由美が反応し、ぐるっと首がこちらを向き振り返ったのだが、その時の彼女の動きは、なんだか不自然だと感じた。

 なんだろう、この違和感は?と、不思議に思った時に、由美が返事をする。


「あの子はいいのよ。綾音は私と遊ぶって約束したでしょう?早く行こう。」

 そう、無表情で返してくる。

 そして、引き返し、少しずつ距離を縮めてくる。


「何を言っているの?遊ぶなら、ひなも一緒でしょう?」

 いつもと違う、ひなをのけ者にしようとする由美の言葉に、綾音はムッとする。

 だが、その言葉の後に、思いもよらない大声が発せられた。


「遊ぶのは、私と綾音だけ。由美は一人で行って!!」

 ひながそう大声で叫んだのだ。


 信じられなかった。

 二人は自分の知らない所で喧嘩でもしたのだろうかと、考えが過った瞬間、ひなが綾音の腕にしがみ付き、小声でこう言った。


「綾音は、由美が見えるの??だから今日は独り言が多かった!?」


 ***


 何を言っているのだろうかと、綾音は真横に居るひなを見下ろす。

 身長が小さいので、つむじが見えているが、酷く震えて、怯えている様子が伝わってくる。


 こんな様子のひなは、幼稚園の時に、かくれんぼをしていて、倉庫に鍵を掛けられてしまった時以来だ。

 あの時は直ぐに救い出されたが、外に出ても、綾音の腕にしがみ付き、震えていたのをよく覚えている。


“ひなは、由美が見えていない?”


 由美の方へゆっくりと視線を向けると、由美が酷く怒った顔で、こちらを見ていた。


「由美が見えていない!?私だけが見えている?由美が見えない??」

 頭が整理できなくて、言葉を繰り返す。


「どういう事なの?」

 そう、綾音が言うか言わないかのタイミングで、ひなが声を張り上げた。


「いないよ!由美は、死んだの!!」


 その言葉を聞き、綾音は由美の方へと顔を向け、目玉が飛び出そうになるくらい、彼女を見た。


「さっき…ママから連絡があった。由美のお母さんにずっと朝から確認してくれていたの。容態はどうなのかって…そうしたら、たった今、急変して亡くなったって…」

 ほらと、携帯のやりとりした画面を見せてくる。


「容態?死んだ?」

 綾音はチンプンカンプンであった。

 でも、違和感はあった。


 クラスメイトの様子やいつもよりも口数の少ない、はしゃがない由美、極めつけはいつもと違う行動や言動をとる事に、なぜ気が付かなかったのだろう。


 その間にみるみる由美の容態が変化していく。


 頭部に陥没跡、そこから大量の血が流れていた。


「ヒィッ…」

 見えたのか、ひなが声無き声の悲鳴を上げる。


「由美…」

 惨い怪我の跡に、言葉を失う。


「…今日の朝礼で、先生が言った。昨夜、部活後の帰宅途中に、由美は歩道橋から落ちて酷いけがをして入院中だって…でも、突き落としたっていう目撃情報もあって、犯人を捜しているって由美のお母さんが…うちのママに。」


 由美は無言で、こちらを見続けていた。


「由美、ごめんね。気が付いてあげられなくて。一人で苦しかったよね…怖かったよね。悔しかったよね。寂しかったよね……ごめんね……」

 由美の血だらけの様子は正直怖かったが、それよりも、親友の心が傷ついたであろうことが気がかりで、そう、気が付いたら言葉に出て居た。


 涙が流れ、綾音は由美に近づこうと、一歩踏み出す。


 だが、由美が口を開いた。

「来ないで!!!」


 その言葉に、綾音は驚き、足を止める。


「綾音は、本当にいい奴だよね。だから、私は連れて行こうとしたのよ。」

 由美がそう言った時に、横を自転車が通過していく。


 綾音が泣いていることをチラッと横目で見て、一瞬ギョッとした後、無かったことにして過ぎ去っていく。


 角を曲がって見えなくなったあと、ガシャンと言う大きな音が一帯に響き渡った。


 そして、複数の足音と張り上げる声が聞こえる。

「おい、救急車だ!!救急車を呼べ!」

「まずい下敷きだ。」

「退かすぞ!」

 騒がしく、急ぎ動き回る声や音がする。


 その音をバックに、綾音たちの周りには、静寂が訪れていた。


「寂しい、寂しい、寂しいいよ…なんで、私だけ……気づいたら死んでたの。だから、これまでみたいに一緒に遊べるように連れて行こうと考えていたのに…ひながずっと羨ましかった。喋らないし、面白くも無いのに、ひなは綾音にとって特別な存在……敵わなかった。綾音をずっと独り占めしたかった。私もそういう存在になりたかったから、綾音を連れて行こうとしたのに。結局、それも出来なかった…」

由美は言った。


「…バイバイ、私を忘れないでね。忘れたら怒るぞ。」

 そういつもの明るい口調で言うと、由美の姿は消えた。


 遠くで、サイレンの音が聞こえてくる。

 もうすぐ着くのだろう…。


 ***


 由美の遺体が検死から戻り、綾音たちと本当の意味の対面が出来たのは、あの日から数日経ってのことであった。


 その翌日には、通夜、そして葬儀が行われ、葬儀の最中に、犯人が捕まったことがご両親へ報告され、由美の母親はその場で膝をつき、泣き崩れた。


 犯人は同時間帯に由美とよくあの道ですれ違う程度の男で、毎回会うたびに嬉しそうに電話で友達と話しながら帰宅する仕草が苛立っていたから痛い目に遭わせてやろうとしただけだと、男は突き落とした理由を話したのだという。

 身勝手な話であった。


 由美の遺影は、由美とひなと私と三人で水族館へ出かけた際に、一緒に撮った写真で、由美だけを切り取ったものであった。


 イキイキして、楽しい、嬉しいという気持ちが弾ける笑顔から伝わってくる一枚で、棺にひんやりと横たわる者との温度差は顕著であった。


 現実を受け入れると、たちまち目から大粒の液体が流れ落ちてしまう。

 我慢をしようとすればするほど、涙は溢れ出る。


「忘れないよ。」

 そう言葉を発しながら、花と共に、棺に3人で写った写真をそっと入れた。


 私はあの日の帰り道を忘れない。

 3人で過ごせた最後の時間。

 最後に見せた彼女の悪戯心が滲む可愛らしい笑顔を、私は忘れることはない。




ありがとうございました

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― 新着の感想 ―
[良い点] 霊であることに気付かないという話が破綻無く書かれてあって、そのお陰で最後に、あ、そうかと思ってしまいました。 読んでいる時でなく読んだあtに怖くなるホラーですね。
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