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天使へ
『彼はその能力を解き放つことにしました。誰もが等しくその力を使えるように。しかしそれは、彼がその血をもって封印した彼女の力をも解き放つことを意味していました。彼がそのことを理解していたのかどうかはわからないけれど。少なくともそのために人々が醜い争いをするとは思っていなかったのでしょう。”命”を分け、留め、奪う力の起源は疑いようもなく彼にある。そのことを記しておかなくてはいけない気がしてここまで旅の記録を綴ってきたはいいけれど、果たしてこの手記を読む人なんているのかしら?そもそも、本当に価値のあること?』 ―『クレアの手記』より