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Eliot  作者: 聖みいけ
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07

 この世界のどこかに、美しい旅人がいる。


 彼の名前はエリオット。しかしそれを知る者はいない。


 夜色の髪に、月色の瞳。彼を目にした人間は誰もが振り返り、その光景に目を見張り、感嘆のため息をついてしまう程の美貌。


 エリオットと関わった者は皆、彼のことを「冷たい人」と呼んだ。


 何故なら、彼の手のひらはビスク・ドールのようにひやりと冷たく、誰の誘いもすげなくかわし、そして、どんなに感情を揺さぶられるような話を聞いても、涙一つ零さないからだ。


 誰も知らない。


 冷たいと称される彼の胸の中が、この世の何よりも温かく満たされているということを。


 彼の胸の前で揺れる懐中時計が、それを証明し続けているということを。




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