忘れ去って行くのだろう
高校時代の痛い感じを思い出して書きました(笑)
高校3年の2学期。
9月初旬の教室は残暑というには暑すぎる熱気で霞んでいる。
汗ばんだ肌にインナーが貼り付いて気持ち悪い、窓際の席が幸いして、開けられた窓から時折吹く風が心地いい。
蝉鳴りがガンガンと教師の声を呑んでいく、今日の授業は頭に入りそうにない。
一瞬の白昼夢。
教卓の前、あの子の背中に問い掛ける。
何者かになりたかった自分は、何者にも成れずにもうすぐ大人になる。
焦れるような熱はやがて秋降る雨に溶けて流れて行くだろうか。
訪れる冬に想いと共に冷めて消えるだろうか。
蛹の君に問い掛ける。
空望む地を這う虫を目にも留めずに舞うのだろう。
憧憬が憎悪に変わるのは嫌だ。
耳鳴りに目を覚ます。
黒板に踊るチョークの白に目眩する。
ピーターパンと描いた夢も綺麗に忘れ去って行くのだろう。
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