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87話 衝撃の事実

 


「蓮くん、おはよう」


「おはようございます、レン様!」


「レンは相変わらず朝は早いわね」


「レンさん、今日も朝ごはん美味しいです!」


「みんな、おはよー」


 僕はいつもどうり、朝ごはんを作ってみんなと同じ席に座る。


 マールちゃんが来てからはマールちゃんも一緒の席。


「華憐とクルアとマールちゃん、昨日はすごい花火だったなー」


「でしょ!! すーーっごく悩んで作ったんだから!」


「よくあんな魔法思いつくわね」


「綺麗な魔法でした」


 昨日は、華憐やクルアたち魔法が使える組に、『花火(ファイアーフラワー)』の魔法を教えた。


 もともとは夏の終わりにプールの所からでも打とうと思ってたけど、ルカを立ち直らせるために使った。


「それに、ルカさんが前を向いてくれたのが一番良かったですね!」


 ミーナの言う通り! ルカはしっかりと立ち直って、展望台のあとは下に降りてみんなでプチ夏祭りを楽しんでた。


 笑顔を見せるルカはとっても素敵だった。


 というか、展望台で最後に見せてくれた笑顔が名実ともに天使のような笑顔でめちゃめちゃドキってした。


「その『熾天使(セラフィス)』は今何してるのよ、まだ部屋でご飯食べる気なの?」


 確かに、食堂に姿が見えない。


「お姉ちゃんならもうすぐ来ると思いますよ………あっ、ほら!」


 マールちゃんが指さす方を見ると、少し紫色の混じった翡翠色の髪をポニーテールに結んで、左右で白と紫で色が違う羽根をパサパサと楽しそうに揺らしてるルカの姿が見えた。


「おーーい、ルカーー、こっちだよー」


 キョロキョロと僕達のことを探してるみたいだったから手を振って呼ぶと、こっちを見たルカが顔をパッと輝かせてこっちに来た。


「おはよー」


「ルカ、おはよう!」


「ルカさん、おはようございます」


「『熾天使(セラフィス)』、あなたお寝坊さん?」


「お姉ちゃん、今日もレンさんのご飯は美味しいよ」


 みんなが各々朝の挨拶をする。


「我は漆黒の闇から覚醒した!!」


 カラーン……


 誰かがスプーンを落とす音がした。


 誰だ? あ、僕だ……いや、華憐も落としてるや。


「え、えーーと、ルカ? どうしたの?」


「レン、共に宵闇の極夜を乗り越えたことを祝おうではないか」


「あ、レンさん、お姉ちゃんは一緒に朝ごはん食べようって言ってます」


 うん、まぁ、それは何となくわかるけどさ、ルカってこんなキャラだっけ?!


「はぁ、やっといつもの『熾天使(セラフィス)』になったわね」


「え、クルア、ルカっていつもこんな感じなの?」


「そうよ? 昔からたまーに何言ってるのかわからないことがあるのよね」


 そ、そうだったのかぁー……まぁそれなら良かったのか? 僕てっきり堕天を中途半端に治しちゃったから後遺症とかだと思ったよ。


 あれ? 昨日のプチ夏祭りでちょくちょく聞こえた厨二病発言ってルカのだったの?!


 てっきり華憐が言ってるものだと思ってたよ……


「もしかして、昨日のやつはルカの……? てっきり蓮くんが厨二病になったのかと……ルカ、あなた何歳なの?」


 華憐がルカに年齢を聞いてる、確かに厨二病ってことは14歳? いやいやなわけないよな見た目僕達と同じくらいだし。


 ていうか、華憐も僕と同じようなこと考えてたのか……僕が厨二病になったって……そんなのとっくの昔に卒業したに決まってるだろう!


「私は永遠の時を生きるもの、『先祖返り』と同い年だよ?」


「クルアと同じってことは18歳ってこと?」


「ん? 何を言っている?、私はひゃくは……」


「わぁぁぁぁぁぁーーーー!!」


 ルカが年齢を華憐に言おうとした時、突然クルアが大声を出した。


「え?! ど、どうしたのクルア、大声なんて出して」


「い、いえ、なんでもないわ……」


「そう? それでルカは何歳?」


「だから私はひゃく……」


「わぁぁぁぁぁーー!!!」


 また、ルカが年齢を言おうとしたらクルアが大声を出してルカの声をかき消した。


「もう、クルアうるさい! ルカが何言ってるかわからないじゃん! ミーナ、クルアの口を塞いで!」


「あいあいさー!」


「ちょっ、ミーナやめなさい!」


 華憐に命令されてクルアの口を塞ごうとするミーナ、クルアは抵抗する。


「それで、一体何歳なの?」


「私は180歳で『先祖返り』と同い年だ!」


「「「え?」」」


 僕と華憐とミーナの『え?』が重なった。


 だって、クルアからは僕達と同じく18歳って聞いてたから……まさか


 僕はミーナに口を塞がれてるクルアを見る。


 クルアは顔を真っ赤して、目が会った瞬間明後日の方向を向いた。


 あ、サバよんどるがな……


「えーーと、ルカは180歳でクルアと同い年で、つまりクルアも180歳ってこと?」


 華憐が頭の中を整理するように言う。


 クルアは明後日の方向を向いたままだった。


「クルアさんは162歳、お歳を誤魔化してたってことですか?」


 ミーナが口を塞いでた手を退けてクルアに聞く。


「そ、そうよ……あーーもう! ルカはなんでそうポンポンと年齢を言えるの?! 恥ずかしいじゃない!!」


「そんなことないではないか! 永遠の時を生きる我

 らの生きた証である!」


「そんなこと言ったって、180歳なんて人間で言えばよぼよぼおばあちゃんの年齢なのよ?!」


 いやいや、クルア、180も生きられる人間なんていないって。


「ま、まぁ、女性が年齢のサバを読むのは普通のことだし、クルアも女性なんだから、ねぇ?」


「いやいや、蓮くんそれにしたって……」


「はい、読みすぎです」


 僕はなんとかフォローしようとするけど惨敗。


 華憐とミーナにジト目を向けられたクルアはただでさえ赤かった頬をさらに紅潮させて、穴があったら入りたいって感じに小さくなってる……物理的に。


 幼児体型久しぶりに見たなぁ……


「『熾天使(セラフィス)』、この恨み忘れないわ……」


 クルアがルカを睨む。


「うーーん、『先祖返り』、その『熾天使(セラフィス)』って呼ぶのやめて欲しい、もう天使族の国には帰らないから」


 そう、ルカはもう帰らないらしい、というか帰れないみたい、まだ完璧に堕天が治ったわけじゃないし、たぶん治らない。


 残った紫の髪とか羽根は時間が経ちすぎてしまって、堕天の影響が染み込んでしまったかららしい。


 ワイシャツに着くカレーうどんの汁かよって思ったけど実際そうだから仕方ない。


「なら、私のことも『先祖返り』って呼ぶのをやめて欲しいわ、昔みたいに名前で呼び合いましょう」


 クルアとルカはお互いに握手して笑いあってた。


「お二人はいつからお知り合いなんですか?」


「あ、私も気になる!」


 ミーナが質問すると華憐も便乗。


「そうね、確か初めてあったのは……」


「私がまだ、『零眼(ホワイト・アウト)』に目覚める前の時だったよ」


「今も目覚めてないでしょう」


 クルアとルカは5歳くらいの時に会って、仲良くなったらしい。


 それから、100歳くらいまでは一緒にいたが、大喧嘩をしてそれっきり別れてしまったとか。


「あの時のことは結構後悔してたのよ、だからルカが無事で本当に良かったわ」


「私も、クルアとあれっきりはいやだった」


 それから僕達はルカとクルアの馴れ初めとか、厨二病ごっことかして朝のご飯の時間を過ごしていった。


 ルカのせいで、ちょっと昔の若気の至りが疼いて……お、俺の左腕の封印がァ……ってやった時は華憐とかクルアにジト目で見られたけど、そんなのは気にしない!


「我が同胞たちよ! 今回のこと本当に感謝している! カレン、ミーナ、クルア、三人はせっかく手を差し伸べてくれたのに拒絶ばかりしてごめんね……」


「気にしてないよ」


「はい、本当に元気になってよかったです!」


「カレンとミーナの言う通りよ」


「それからレン、あの時私のことを救ってくれてありがとう!!」


「いえいえ、そんな大層なことしてないし、それに完全に治しきれなかったし……」


「そんなことは気にしてない、むしろかっこよくなった気がするし! それに、それにね……あのときのキス……嬉しかったから……」


 ルカは翡翠色のポニーテールを指先でクルクル言う。


 あ、待ってルカ、最後の発言はちょっと……


「レン様? キスしたんですか?」


「レン、どういうことか教えてもらおうかしら?」


「ルカはダークホースになったんだね、さすが蓮くん……」


「え、えーーとーー……し、しょうがなかったんだよ! 」


「あの時は愛を感じた……」


「「レン(様)?!」」


 あーーもーー、ルカ!! そんな火に油を注ぐような発言しないでよ!!


 それから僕は、昨日のことを逐一全て話して状況説明して、朝食の時間は終わった。


 まぁ、なんだかんだルカが元気になったことが一番良かったな!






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