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76話 天使と悪魔について

 


「あなた、どこかで見たと思ったら思い出したわ、『熾天使(セラフィス)』の妹ね」


「クルアさん?! お願いします、お姉ちゃんを助けてください!」


「クルア知り合い?」


「知り合いというか、この子の姉は天使族でも有名人よ」


「ふーーん、『熾天使(セラフィス)』って?」


「それは天使族の階級よ、たしか……」


 クルアが天使族の階級について教えてくれる。


 天使族の階級は基本的に9つに別れてる。


 上から『熾天使(セラフィス)』、『智天使(ケルビム)』、『座天使(スローンズ)』、『主天使(ドミニオン)』、『力天使(ヴァーチュース)』、『能天使(エクスシア)』、『権天使(アルケー)』、『大天使(アークエンジェル)』、『一介天使(エンジェル)』の9つで、上の3つを上位三隊、中の3つを中位三隊、下の3つを下位三隊とまとめられる。


 一応その他に特殊階級があるらしいがそれはまた今度、今は話を聞かなきゃだからね。


「んー、吸血鬼族の貴族階級みたいな感じ?」


「まぁ、そんな所からしら、それでこの子の姉は『熾天使(セラフィス)』の三人の中の一人なのよ、だから割と有名で私も会ったことがあるわ」


 なるほど、助けて欲しいという天使族の少女の姉は割とすごい人だと言うことか、どれくらい凄いかはわからんけど。


 そういえば、少女の名前聞いてなかったな。


「君の名は?」


「私は最近『能天使(エクスシア)』になった、マールです、どうかお願いします、お姉ちゃんを……お姉ちゃんを助けてください!」


 手を祈りの形にして涙目で言ってくるマールちゃん、とりあえず何があったか聞かなきゃだな。


「まず、何があったか聞いていい? どうしてこんなところに倒れてたの?」


「はい、私がここで倒れてたのは……」


 マールちゃんの話によると、悪魔族が事件を起こしそれの調査、解決を『能天使(エクスシア)』になったことで任されたらしい、だがそれは天使族を呼び出す悪魔族の罠でマールちゃんは悪魔族に襲われ、攫われたらしい。


 それにいち早く気づいたマールちゃんのお姉さんは中位三隊の部下三人を連れて暗黒界に救出に向かったが、悪魔族の本当の狙いはマールちゃんの姉で待ち伏せをされていて絶体絶命の状態に追い込まれる。


 それでも、なんとかマールちゃんのことは救出が出来たがマールちゃんの姉と部下三人は逆に捕まってしまったということみたい。


 マールちゃんは逃げて逃げて、なんとか暗黒界から脱出、そこで気を失ってしまったということ。


「私のせいでお姉ちゃんは……お願いします! 私一人じゃお姉ちゃんを助けられません、助けてくれませんか?」


 マールちゃんの話を聞き終えて、とりあえず華憐に目を向けてみる。


 華憐も僕のことを見ていた。


 つまり、お気持ちは一緒ってことだね。


 僕達は頷きあってマールちゃんに言う。


「「もちろん!!」」


「本当ですか?!」


「ここで嘘言ってどうするのさー」


 まぁ、ちょっと暗黒界とやらに行ってみたい気持ちも無きにしも非ずだけど、悪魔とやらに会いたいって気持ちも無きにしも非ずだけど。


 そもそも、あんなすがるような目で見られたら断れないしねー。


「ありがとうございます!」


「いえいえ、それよかその暗黒界とやらにはどうやって行くの?」


「それは、黒曜石で四角を作り火をつけると門が開きます、私が通って来たのがあるのでそれを使いましょう」


 え、まさかのマイ〇クラ〇ト?! そんな簡単に行けちゃうの? なんかありがたみないなぁー。ダイヤモンドもとってないのに……


「まぁ、行けるなら早速行こうかー、門は後で壊そう、こんな近くはさすがに物騒だしね、メンバーは僕と華憐とクルアとサイカとマールちゃんでいいかな?」


 少数精鋭でいきたいしね。


「レン様、私も行きたいです!」


 ミーナが進言してくる。


「ミーナはダメ、多分かなり危ないしここにいるみんなを頼みたい」


「でも……」


「頼むよ」


「……分かりました、無事に戻ってきてくださいね!」


「もちろん!」


「ご主人様、私もお供します、もう一人護衛がいた方がいいでしょう」


 今度はメイドさんのオリアが進言してくる。


「確かにもう一人欲しいけど……」


「レン、オリアなら大丈夫よ、たぶんサイカと同じくらい強いわよ」


 え? そうなの?! 初耳だよー。


「はい、鬼人族ですから」


 なるほどたしかに強そうな種族だもんね。


「分かった、よろしく頼むよオリア」


「承りました」


 ミーナがほっぺをリスみたいにしてるけど今回は我慢してもらいたい。


 オリア強いのかー、怒らせないようにしよ。


「じゃあ、みんなミーナについて行って怪我せず帰ってくれよー! マールちゃん案内よろしく!」


「はい!」


 僕達は暗黒界とやらに行くことになった。


 暑いかな? 暑いよね、ネ〇ーっぽそうだし、華憐が溶けなきゃいいけどなぁー。



 ………………………………………………………………




「わぁお、ほんとにあったよネ〇ーゲート」


「蓮くん、この世界ってなんなんだろうね」


「華憐、頼むから溶けないでね、マグマダイブも絶対しないでね!」


「蓮くん、ふざけて豚さん攻撃したらダメだよ!」


「マグマダイブ? 豚さん? レンさんたちは何を言ってるのですか?」


「気にしないでいいわよ、いつもの事だから」


 いつもの事って失敬な、マ〇クラネタはやったことないぞ!


「じゃあ、開きますね」


 そう言って、マールちゃんが魔法で火をつける。あ、火打石じゃないのか……ちょっと残念。


 マールちゃんが火をつけた瞬間


「オンナァァァ!、オンナオカスゥゥゥゥ!!」


「ミツケタゾ、オンナァァァァ!!」


「ひゃっ!」


 ゲートから薄汚れた服とも言えない服を着た男がクソみたいなことを言いながら飛び出してきた。


 が、警戒していたのかサイカとオリアが一撃で意識を刈り取った。


 男たちが地面にぶっ倒れる。


「これが悪魔? なんか思ってたのと違うなー」


「どんなのを想像してたのよ」


「こう、なんか黒い翼をもってて角とか生やしてるみたいな」


「そういうのは上位の悪魔たちね、こいつらは下の下よ、身分は奴隷かしら?」


「華憐、悪魔にも階級ってあるの?」


「蓮くん、悪魔はね……」


 華憐が悪魔族について教えてくれる。


 今日は解説が多いな、華憐先生お願いします!


 悪魔族の生まれ方はいろいろある。


 まずは天使族が堕天して悪魔になること、つぎに人間の悪感情が具現化したり、生き物に取りつくことで生まれる。


 悪魔族には天使族と同じく階級があって、吸血鬼族と同じで貴族階級みたいな感じ。


 上から『王』、『君主』、『侯爵』、『公爵』、『伯爵』、『総裁』、『騎士』でさっきのは階級も持っていない悪魔。


 まず、『王』の階級、いわゆる魔王はこの世界に8人いてそれぞれ国を作ってるそうな、今現在この地上にいるのは一人だけで残りはみんな暗黒界にいるとか。魔王多いな、勇者は大変だ……


 次に『君主』の階級と『侯爵』の階級はあわせて72人いて、魔王に仕えていたり、放浪していたりして詳しいことは分からないらしい。この72人って絶対ソロモンのやつだよね、ファンタジーだなー。


 他にも特殊な悪魔がいるみたいだけど今回は割愛してもらった、なんか長そうだし。華憐、この説明する時「悪魔大辞典によると」とか言ってたからたぶん有名悪魔が載ってる本でもあるんだろう。


 そう、悪魔の歴史は長い、中国四千年の歴史より長いらしい、悪魔は歳を取らず死んでも蘇ってくるためかなり昔からずっと同じ悪魔しかいないらしい。


 昔は天使族や人間族と戦争を繰り返していたらしいが今は休戦中で小さないざこざがるくらい、それに魔王たちはほとんどが暗黒界にいて魔王同士で戦争をしあっている。


 この地上にいる魔王はそんな戦争がいやで暗黒界を出たとかなんとか、今は地上で魔人の国を作ってるみたい。


「うーーん、悪魔と天使は難しいな、日本史と世界史みたいで嫌になるね、それで今回襲ってきたのは?」


「はい、今回の首謀者は暗黒界の悪魔で君主の階級でデモゴルゴンという悪魔で、二つ名は『触手(テンタクラ)』だったはずです、さっきのもデモゴルゴンの奴隷だと思います」


 え、二つ名がそこはかとなく寒気がするんだけど、ほら華憐もブルってしてるもん。


 なんか、マールちゃんのお姉さんを一刻も早く助けてあげた方がいい気がする。


「わかった、すぐに行こう!」


 僕達はネ〇ーゲート特有のブオンブオンって音を聞きながら暗黒界へと突入した。


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