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68話 お風呂掃除騒動

 


 カレーのルーの木の件から数日たった。


 カレーはかなり好評! そりゃー市民の4大料理だもんね!


 とくに気に入った人はシロ様。


 ここ最近ずっと食べてる。


 なんか、米とよく合うな!! って言ってお気に召したらしい、さすがその筋の専門家だな!


 あとは、生簀を見に行った。


 リザードマンたちしっかり仕事をしてくれて養殖がもう始まっていた。


 養鶏のほうも順調! ニワトリを増やしてもらってる。


 ゴシゴシ……ゴシゴシ……


 ゴシゴシ……ゴシゴシ……


「ふぅー、本当に疲れるな」


 僕は今、お風呂掃除をしている。


 カレーのルーの木を育てちゃったせいで僕のお風呂掃除の期間はプラス1ヶ月増えた。


 あれは僕のせいとはいえわざとじゃなかったのに……


 いつものお風呂掃除は16時から初めて18時に男湯も女湯も終わるけど、今日はコロッケたちと遊びすぎて取り掛かるのが遅れた。


 いつも必ずぴったり18時に入浴できるようにしているため清掃中の札掛けはしてないが、今日は間に合いそうにないからミーナにかけにってもらってる。


 ていうか、遅い、すごく遅い。


 バイトならクビレベルだぞ、もうすぐ18時になるだろうし。


 まぁ、男湯の方は割と頑張ってたし、女湯ももうすぐ終わるからいっか。


「レン様、お待たせしてすいません、清掃中の札がどこにあるのか分からなくて」


「ああ、そっか悪い、場所言ってなかったね、しっかり掛けてきた?」


「はいっ! バッチリです!!」


「それはよかった、じゃあもう少しで終わるしラストスパートを……」


 かけよーって言おうとして顔を上げたら言葉が止まった。


 だって、ミーナの首に清掃中の札がかかってたから。


「あはははは、ミーナかけるとこ間違えてるよ!」


「え? え? ちゃんとかけてますよ??」


「違う違う、入口にかけてきて欲しかったんだよ、あはははは、それじゃあミーナが清掃されてる見たいじゃん」


「あ、あぁーなるほど! てっきり首にかけるものかと……って、そんな笑わないでくださぃー!」


「いや、無理! いいねー、ミーナお笑い芸人になれるよ、笑いの道に進もう!」


 ミーナが掛け直してきますー! って入口に戻って行った。


 ミーナ天然だったなー、やっぱり華憐のアホが移ったな、前は割と王女っぽかったのにただのアホ娘になってきた。


 そんなこと思ってると、アホ娘が清掃中の札そのままにダッシュで帰ってきた。


「レン様! 隠れてください!」


「は? うげっ!」


 僕はミーナに近くにあった炭酸風呂に押し倒された。


「ミーナ様ー? いませんかー??」


「ミーナ様いないの?」


「いないねー、一番風呂一緒に入ろうと思ったんだけど」


 え?!


 リーアさんとレーアさんの声がした。


 二人はいつも一番風呂ではいるから18時になったから入りきたんだろう。


「レン様、しーーですよ」


「わ、わかった」


 分かったけど……なんで、ミーナまで隠れる必要が?! あと、炭酸風呂って寝そべる形だから押し倒された体制だとちょうど目の前にミーナの胸の谷間が見えて落ち着かないんだけど!!


 お風呂掃除中だったからミーナの格好、下着とインナーしか着てないし! あと、お湯に塗れてぴったりと体に服が貼りついてるのがまた……いかんいかん、今は緊急事態、エマージェンシーだ、僕の社会的地位が脅かされてる!


「ミーナ様いないなら仕方ない、体洗いましょ」


「そうね、それで今日ねうちの隊の子が……」


 リーアさんとレーアさんは体を洗いに洗い場に行った。


「レン様、今のうちです、出ますよ!」


「ラジャー!」


 僕はミーナに手を取ってもらって立ち上がったらダッシュで出口へ


 出口へ到着後、扉を開けようとしたら、それよりもはやく扉が開いて……


「ちょっ……レン様!?」


 とっさに近くにあった掃除用具入れに入った。


「あれ? 今誰かここにいなかった?」


「そうなの? 気のせいじゃないかしら?」


 華憐とクルアとハルが入りに来た。


 あっっっっぶねぇーーーーー


 僕の陸上部で鍛えられた反射速度に感謝だね、あとはここで時が経つのを待とう。


「ふぅーー」


「ひゃんっ……レン様そこは……」


 え?


 あ………やっちゃった………とっさのこと過ぎてついミーナも引き入れちゃった……


「ご、ごめん」


「んっ……れ、レン様……み、耳に息がかかって……」


 僕の口元にちょうどミーナのエルフ特有の長い耳があった。


 なんでこんな至近距離にミーナがいるのかというと、ここのお風呂の掃除用具入れ、なぜか学校にある掃除用具入れみたいな大きさなのだ。


 いつもは全く気にしなかったけど、こういうことがあるとなんだか悪意を感じる!!


 ていうか、今気づいたけどミーナと身体超密着じゃん!! ク〇ック〇ワイパーの吸着ウェットシートくらい密着してるよ! あれ? この例えだと僕がゴミかな?


 うぅー、やばい……ミーナの身体の色んなところが当たってやばい……しかもほら、薄着だし……


 そう思うと、ついみじろぎしたくなる。


 少しだけ、動こう。


「あっ……レン様、あまり動かないでください……んっ……」


 あぁーー、もう!! 喘ぐな!!


「ミーナはどこに行ったのかしら?」


「掃除してると思ったんだけど、蓮くんもいないね」


「カレンー、掃除道具落ちてるよぉー?」


 あっ! やべっ、道具を外に置きっぱだった!


「ほんとだ、全くちゃんと片付けないとダメでしょ」


 華憐が掃除道具を拾ってこっちに持ってくる音が聞こえる。


「れ、レン様まずいです! バレちゃいます」


「ミーナ、僕達は掃除道具だ! 掃除道具の気持ちになれ、そしたらきっと掃除道具としてみてくれてスルーしてくれる!………かも」


「な、なんですかそれ! あぁぁ、バレちゃう!」


 うん、僕もさすがに無理があると思ってる。


 華憐はアホでもさすがにそこまでのアホじゃない、ああ、終わったー。


 ぺたぺたと歩いてくる音がどんどん近づいてきて、掃除道具入れの前で止まった。


 ミーナはギュッて抱きついてきて、目もぎゅっと閉じてる。


 僕は怒られる覚悟を決めた。




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