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55話 精霊使い

 


 私たちは魔法の練習をしに広場にやってきました。


 きゅうちゃんとこなすちゃんは私の中に宿ってる状態みたい。


 外には出てないけど私の中にいる。


「じゃあまずは魔力を感じるところから始めるわよ、私が二人に魔力を流すからなにか感じたら言って」


 そう言ってクルアは私と蓮くんの手を取って魔力を流し始める。


 私も目を閉じて意識を右の手に集中する……わっ! 感じた感じた!


 昨日までなんとなーく感じてたのが今日はすごくよく自分の中に魔力が流れてくるのがわかる。


 これも精霊のおかげなのかな?


「はい! クルア先生、流れてくるのがよくわかります!」


「うーーん、僕もなんとなくだけど分かるかな」


「そう、じゃあ次は魔力を見てみて」


 クルアはそう言って魔力を放出し始めます。


 んーー、あっ! 見えた! 金色っぽいやつ!!


「はい!見えました! 金色っぽいやつですよね!」


「そう、金色っぽいのは魔力光よ、ひとそれぞれで色が違うわ、ちなみに私の色はアッシュゴールドよ」


 確かにクルアの髪色と似てる。


「うーーん、アッシュゴールドは見えないけど陽炎みたいにゆらゆらしてるのは見えるなー」


「そこまで見えたならもう少しよ、というか練習始めて間もないのに、もうそこまで見えるなら凄いことよ」


 さすか<才能>もちの蓮くんですね。


 そのとき、私の頭にきゅうちゃんの声がした。


「どうしたの? 出たいって? わかった、実体化!」


 蓮くんの前にきゅうちゃんが出てくる、そして……


「ぶはっ」


 ちょっとにやっと笑ったと思ったら吹き出した、あれ絶対バカにしてるやつだよ


「あ、お前今バカにして笑ったな!」


「ぶるるるる」


「こいつっ! 痛い痛い! 」


 蓮くんがきゅうちゃんに飛びかかる、けど噛まれた。


「レン様何やってるんですか? うわぁ! お馬さんですね! 」


 ミーナがやってきた。


 ミーナは小ホールにいなかったからきゅうちゃんの正体をしらない。


「レン様、私乗馬できるんですよ! 見ててください!」


「ちょっとまってミーナ! それは……」


 ミーナが馬に飛び乗って、私が慌てて止めようとしたけど一歩遅く……


「さぁ! 進めぇー! 風のようにどこまでもぉーぉぉおおおおおおおお、待って早い早い早いぃぃぃぃぃぃ!!!!」


「ミーナアァァァァァァァ!!!」


 ミーナを乗せたきゅうちゃんは多分言葉通り『疾駆』を使って風のように駆けて行った。


 そして、そのまま戻ってくる、乗っていたミーナは……


「ミ、ミーナ大丈夫??」


「……………」


 戻ってきたミーナは白目を向いて失神していた。


 こーれは蓮くんには、というか誰かに見せたらいけないお顔だ……


 私はそっとハンカチをミーナの顔に乗せ、合掌……な〜む〜


「え? ミーナ死んだの?!」


「まぁ、乙女としては死んだようなもの……かな?」


「な、なるほど……な〜む〜」


 蓮くんもミーナに向かって合掌し始めた。


 少ししたらリーアさんとレーアさんかきてミーナを連れていった。


「なんか、最近のミーナ、華憐に影響され始めたきがする」


 なんか、失礼なこと言われた気がします!


「なんで私のせいなの!」


「いやだって、いつぞやの尋問記録とか見たけど、あれ華憐の入れ知恵だろー?」


「ま、まぁあれは私が教えたけど……」


「なんだか、ミーナと会った時から随分と変わったよなー、残念になっている気がする」


 ま……まぁ、それは私も思わなくはないかな?


「さ、さて、なんか話の急展開についていけなかったけど練習を再開しましょ」


「そーだなー」


「じゃあ、レンはそのまま魔力を目視できるのをめざして、カレンは魔力操作して手のひらに集めて」


 クルアに指示を出されて私は自分の魔力に意識を向けます。


 一応クレアに魔力量を測ってもらって、異世界転生のお約束、魔力量で測定装置を壊すってイベントは私がしっかりとこなした。


 意外なのは蓮くんは普通の人間と同じくらいだったこと、私は本当に規格外だったみたい。


 意識を向けていくと、だんだん私の中にある魔力を感じるようになってきた。


 私は手のひらにゆっくりと魔力を集めていく


「そうそう、いい感じよ、そのまま風を吹かせるイメージでそよ風を吹かしてみて」


 私は言われた通り風を吹かせるイメージをうかべて詠唱をする。


「『風よ吹け……そよ風(ソフトウィンド)』っえ? きゃあああああ!」


「ストーープっ! カレン制御! 止めてええぇぇぇぇえ!!」


「うぉぉおおおおお、飛ぶっ!吹き飛ぶってー!」


 私は魔力を制御しようと必死に意識を向ける、けど……


「まってぇぇぇぇぇぇ強くなってる!!カレン強くなってるからぁぁぁー!!」


「わああああああああああああぁぁぁ」


「止まんない! 止まんないよぉぉぉー!!」


 クルアは吹き飛ばされて咄嗟に空に飛んで避難、蓮くんは吹き飛んでって湖にドボン、私はなんとか魔法を止めた。


「ふぅ〜、なんとか止まった」


「カレン……あなた……」


「ゴホッゴホッ、華憐……」


「「絶望的に魔力制御が下手くそだな(ね)」」


「うっ……」


 私は絶望的に魔力制御ができないみたい……


「なんで、『そよ風(ソフトウィンド)』が『暴風(テンペスト)』並になるのよ!」


「わ、わかんない……」


「華憐、あれだな水道で間違えて蛇口をひねりすぎていきよいよく出てきた水を止めようとして逆に捻って被害を拡大するクラスに一人はいるまぬけ」


「蓮くん」


「ん?」


「『風よ吹け……そよ風(ソフトウィンド)』」


 私は蓮くんに向けて魔法を放つ、そよ風を放つ魔法をなのに……


「うわぁぁぁぁぁぁぁーーー!!」


 バッシャーーーン


 やっぱり、上手くできない……


「カレン、きゅうにやってみてもらいなさいよ」


「きゅうちゃんに?」


「そう、指示を出すの」


「きゅうちゃん、『そよ風(ソフトウィンド)』」


 私がきゅうちゃんに指示すると、


「ヒヒィーーン」


 きゅうちゃんが一鳴きするとふわぁ〜って優しい風が吹いた。


「おお! きゅうちゃんすごい!!」


「ヒヒィーーン!」


「カレン、わかったわ、あなた自分で魔法を使っちゃダメよ、精霊に代わりにつかってもらいなさい」


「ええー、私も使いたいー」


「ダメよ! カレンが使ったらそのうち天災がおきるわ! あなた不器用なんだから」


 ぶ、不器用……私も薄々感じてたけどやっぱりそうなのかぁー


「それに魔法使いより精霊使いのほうが珍しいわ、精霊の方が強力な魔法を使えるし」


 精霊使い……それもかっこいいかも!!


「うん! 私は今日から精霊使い!!!」


 こうして私は精霊使いになることになった。


「ゴホッ…ゴホッゴホッ、死ぬかと思った……」


 あ、蓮くん忘れてた



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