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51話 怒らせたらいけない人

 


 僕は久しぶりのベットでの睡眠でちょーーーうぐっすり寝ていた。


 最近はダンジョンで寝て、かまくらで寝て、正座して寝て、と安眠もできない毎日だったから。


 それでも、僕は元の世界では学校に行くために6時には起きていて、それが体に染み付いて遅くても6時には起きれる。


 この世界に来てからは農業やらなにやらでもっと早くなり4時くらいには起きるようにしていた。


 だから、寝坊するのは珍しいこと。


 だが、今日は寝坊してはならなかった、なぜなら


「レン、おきなさい……レン! おきなさい! 」


 クルアが起こしに来たから。


「ん〜〜、もう少し……」


「血吸うわよ」


「Zzz...…」


「いただきます」


 クルアは我慢ができない、欲に忠実だ。


「いてっ……ん? クルア??」


「あ、レン起きたわね。でも、もう遅いわよ、レンが起きないのが悪いんだから……『念動力(サイコキネシス)』」


「え? ちょっ……クルア!」


「いただきます……カプッ」


「ちょ、やめっ! あっ//// ああああああああぁぁぁ」


 でも、今日はそれで終わらなかった……


「レン様?! レン様どうしました?! クレアさん?!」


 そう、ミーナも来たのだ


「あら、ミーナもどう? レンを頂いてるところよ」


「えっ? レン様をいただける?」


「そうよ、今魔法で動かなくしてるからやりたい放題よ」


 え? 何言ってるの!?


「ミーナ! 悪魔の囁きに耳を傾けるな!! 正気に戻れ!!」


「えへへへ……やりたい放題ですかぁ〜、ねぇレン様、私二日間レン様のお近くにいられなくてレン様不足なんです」


 わぁー!! ミーナもダメだ!!


 この二人、王女と貴族でお嬢様だから割とワガママなところがあるんだよ。


「華憐!! かれーーーん!! たすけ……ヘルプミーー! ヘルプっ! ヘルプミーー!!」


「えへへ、レン様のお身体は逞しいですね」


 ミーナが僕の服に手を入れて身体に指を這わせてくる。


「ミーナやめい! 怒るぞー、さすがの僕も怒るぞー!」


「大丈夫です、レン様!」


 いやいやなにが大丈夫なのさ!


「あ、そう言えば昨日カレン様から聴いたのですが、レン様の……」


 その時、僕の部屋の扉がバァン!!っと壊れるんじゃないかと思うくらいいきよいよく開いて、部屋に青金色のオーラが流れてきた。


 え? 神気??


「クルア、ミーナ、蓮くんを起こしてきてって言ったのに一体何をしてるの?」


 扉から青金色のオーラを振り撒き散らしながら金髪碧眼の華憐が入ってきた。


 こ、ここここ、こわっ……あんな華憐初めて見たよ。


 ミーナとクルアも圧倒されてる。


「とりあえずミーナ、蓮くんの上からどきなさい、クルアは魔法を解除、そして今すぐ小ホールに行きなさい」


「「は、はい……」」


 ミーナがぼくの上から降りて、僕の身体が動くようになる。


 二人はとぼとぼと部屋を出ていって、最後に華憐が出ていこうとする、直前こっちを向いて


「蓮くんも着替えたらすぐに小ホールに来なさい」


「30秒で行かせて頂きますっ!!」


 あの目でみられたら逆らう気など全く起きなかった。


 僕は全力で着替えて全力で小ホールに向かった。




 ………………………………………………………………




 小ホールにいくと、裁判所セットはそのままで台のまえにミーナとクルアが正座をさせられていた。


「し、失礼します…………ひっ…」


 静かに警察官側の席に座ろうとしたら睨まれたので、クルアの隣に僕もとりあえず正座した。


「さて、なにか言い訳はありますか? クルアからどうぞ」


 華憐が腕を組んでクルアに視線を向ける。


「はい、えっと、レンがなかなか起きてくれなくて、寝顔を見てたらダンジョンの時のことを思い出して、血が吸いたくなってしまいました、ごめんなさい」


 クルアが頭を下げる。


「そう、分かりました、じゃあミーナは何かある?」


 華憐がミーナに視線を向ける。


「ムラムラしてやりました、後悔はしてないです」


 えっ?! 開き直り?! 犯罪者末期みたいになってるよ!


「蓮くんは何かありますか?」


「寝坊してすみませんでした、平に平に御容赦を……」


 僕は華憐に平伏する。


「まず、クルア、血を吸わないと生きていけないのかしら?」


「いえ、血の方が効率がいいですが普通の食べ物でも問題ないです」


「そうですか、なら我慢するように、それと人に対して『念動力(サイコキネシス)』を使うのを禁止します」


「れ、レンに許可をもらったらいいですか?」


「だめです」


「そ、そんなぁ〜」


 クルアが力尽きた。


「次にミーナ、出家しなさい」


 え?! 出家って……お坊さんになれってこと?! ということは……剃髪…?


 この綺麗な銀髪を剃髪しろと?


 だめだだめだ! そんなの人類の損失だ!


「華憐! それはだめだ!それだったら僕が剃髪するから、ミーナにそんなことさせないでやってくれ!」


 僕は華憐からミーナを守るように前に立つ


「蓮くんがやったって意味無いでしょう?」


「な、なら他の罰にしてやってくれ、この綺麗な銀髪がなくなるのは見てられない!」


「れ、レン様……」


「はぁ、分かりました、今回は蓮くんに免じて髪の毛はショートカットにして、1ヶ月のお風呂掃除の当番をしなさい、ルンちゃんには私から言っときます」


 結局髪の毛は切らせるのね、まぁ剃髪よりはマシになったからよかった。


 あとは、まぁ、妥当だろう。


「最後に蓮くん、油断しすぎです、この人達に隙を見せないでください、罰としてミーナとおなじお風呂掃除1ヶ月です」


 んー、僕は被害者な気がするけど、今の華憐には逆らえない。


 1ヶ月風呂掃除頑張ろう……


「いいですか、今後同じようなことがないように!」


「「「「はい、申し訳ありませんでした」」」」


 この日から華憐は一番怒らせてはいけない人として僕達は認識した。

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