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44話 ダンジョンの奥には

 


 クルアに血を吸われて僕は少々ゲッソリしてる。


 逆にクルアは心無しかお肌にツヤがある気がする。


 それに、血を吸われてる時なんか、冷たい視線を感じて背中がゾワゾワした……なんだったんだろ?


「『格納庫(ガレージ)』……はい、これでいいわよ、奥に行きましょ」


 クルアが僕が倒したフ○ンキー将軍ゴーレムを魔法で収納してくれる。


 ほんとに、その魔法便利だなー、絶対教えてもらおっと


「それじゃあ、いざ最奥へ! 何があるかなー」


 あれかな? フラン○ー将軍が守ってたしひとつなぎの大秘宝かな??


 海賊王に俺はなる!! ってかー?


 そんな馬鹿なこと考えながら僕達は最奥に向かう。


 ガーディアンが守ってた扉をくぐると、なっっっっっっがい階段があった。


「うぇー、長すぎないこの階段」


「全部登ったら足がむくみそうね」


 クルアはそう言って飛んだ


 えっ?! クルア飛べたの?!


「クルア飛べるの?」


「何を今更言ってるのよ、私は吸血鬼よ、早く飛んだり高度なことは出来ないけど普通に移動するくらいならできるわ」


 いーなー、ずるいなー、僕も飛びたい!


 僕今、神気解放した直後でしかもクルアに血を吸われたせいで疲れてるんだよー


 文句をブツブツ言いながらも僕はしぶしぶ階段を登り始める。


「なぁー、クルアはこれからどうするのー?」


「どうするって?」


「ほら、この奥にあるやつを手に入れてからどうするのかなーって」


 僕としては一緒に来てもらって魔法を教えて貰いたいところ


「そんなの決まってるわ、私はレンと一緒にいる」


「マジで? やったー! じゃあ、地上に戻ったら魔法教えてよ!!」


「いいわよ、そういえばレンはどこから来たの??」


「僕? 僕はたぶんこのダンジョンの真上だよ、天井ぶち破って入ってきたから」


「天井をぶち破って?! さ、さすがレンね予想外のことをしてくるわ」


 それから、故郷はどこかだとか、魔法はどうこうしてどう使うのか、とかたわいもない話をしながら長い長い階段を登って行った。



 ………………………………………………………………




「やーーーーっと着いたー!!!」


「うーー、私もこんなに長時間飛び続けるのは疲れたわー」


 僕達は階段を登り終えてついにダンジョンの最奥にやってきた。


 ダンジョンの最奥は、陽の光が指していて外であることがわかる、周りは崖というか、滝になっていて水のカーテンをひいていて、全体は丸い形をしているのがわかる、多分上から見るとここだけぽっかり円形に穴があいてるようにみえるはず。


 最奥の中央には神殿みたいになっていて、周りを滝から流れてる水が囲んでいて、祭壇のところだけ太陽光が集まるようになってるのか明るい。


 たぶん、巨木な我が家と我が家のバックにある滝を見ていなかったら僕も隣のクルアみたいに口を開けて光景に感動してたに違いない


 まぁ、でも、巨木な我が家とバックの滝のほうがここより勝ってるな!


「クルア口空いてるよー」


 僕はクルアの顎を掴んでカクカクさせる。


「いてっ、レン! 舌噛んだんだけど!!」


「んー? どれどれ? ありゃ、傷口がみるみるふさがっていきますねー、そんなことより中央の神殿に行ってみよ!」


「そんなことって、まったく傷跡残ったらどう責任とってくれるのよ」


 僕は中央の神殿に近づいてあるものを見つけ唖然としてしまった。


 中央の神殿には使い切れないほどの金銀財宝も、なんでも願いを叶えてくれる鏡もなかった。


 あったのは


「なんで、こんなとこに僕のバックが……」


 そこには、僕がこの世界に来る時、もう随分前に感じるがトラックにひかれた時に持っていたスポーツバッグといつも学校に持ってってる筆箱とかが入ってるスクールバックがあった。


 もう一個のスクールバックは華憐のだろう。


「見たことないバッグね、何かしらこれ? ねぇ、レンこれ何かわかる? レン? どうしたの?」


「これとこのバック僕のなんだ、そっちのは僕の仲間のバック」


「え? これはレンの? どういうこと?」


 僕は華憐に無断でやることになっちゃうけどクルアに話すことにした。


 僕がもともとはこの世界の人間じゃなくて、別の世界の人間であることとか、その世界で死んでこっちに来たこととか、ミーナに話したことと同じことを話した。


「それで、これは僕が死んだ時に持っていた荷物なんだ」


「なるほどね、レンが神の使徒ならあの規格外の神気量もなっとくね」


「信じてくれるの??」


「当たり前じゃない、レンが嘘つく必要ないもの」


「ありがとう、とにかく中身見てみるか」


 まずはスポーツバッグから見てみる、中はTシャツ3枚、短パン、タオル3枚、パンツの替え、靴下の替え、水着、水筒、ランニングシューズ、スパイク、アタッチメントケース、制汗スプレー、汗ふきシート、日焼け止め、安全ピンにタブレットと磁気ネックレスって感じでThe陸上部長距離って感じの中身


 スクールバックには筆箱、ルーズリーフ、大学ノート、財布、スマホ、本、目薬そしてなくしたと思っていたピアス


 たぶん、部活で外してそのままだったんだろう


 バックは両方とも中身はあのときのままだった。


 財布にはしっかりと現金とかレシートとかポイントカードとか入ってた。


 スマホも起動してみたが充電は本当にギリギリで、もちろん電波は入ってない。


「まぁ、多分中身は全部あったかな」


「見たことないものばっかりね、興味がそそられるわ」


「今度、いろいろ教えてあげるよー、それよりなにか欲しいのある? せっかくここまで来たのに手ぶらなのは割に合わないでしょ、華憐のはダメだけど僕のならなにかあげるよ」


「ほんと? そうねぇー、それじゃあそれは何かしら?」


 クルアが指さしたのは僕が愛用のボールペン、あのサラサラと書けるのが心地よいやつ


「これはボールペンって言って書くものだよ」


 そう言って、ルーズリーフにパッとクルアの似顔絵を書いてやった。


「すごいすごい!! 羽根ペンとかより全然便利ね! というかレン絵うまいわね」


「当たり前だろー、僕には絵の才能があるんだから!」


 まぁ、貰い物だけど。


 クルアはボールペンを使って僕が書いた似顔絵の隣に僕の似顔絵を描き始める。


 クルアも絵うまいな


「どう?? レンの似顔絵」


「うん、似てる似てるよ、たぶん自分の顔あんまり見た事ないけど」


「レンの顔こんなんよ、『変身(メタモルフォーゼ)』」


「やめいやめい! ドッペルゲンガー効果が怖い!!」


 クルアはなんかの魔法を使って僕に化けた。


 さて、ここはなんなのかよく分からないけど、とりあえず帰るか、お土産と荷物渡さなきゃだし


 荷物はクルアが魔法で入れてくれた。


 てか、どこから出るんだ?


「なぁー、クルアどこから出るかわかる?」


「うーーん、あ、あそこに穴あるわよ、洞窟っぽいの」


 クルアが指さした場所には、なるほど確かに洞窟っぽい


「それじゃあ、いってみっかー」


 僕達は洞窟に入って進んだ。



 ………………………………………………………………



 洞窟をしばらく進むとゴオオオオオって音がして、水が流れてた。


「察するに滝の中ってところかー」


「そうね、割ってみるわ、『風刃(エアカッター)』」


 クルアが魔法で滝を割るとそこから巨大な木が見えた


「我が家やん!」


 うそー、僕の家、ダンジョンの最奥とこんな近かったの?!


 なんか、すーーーーっごい脱力感。


「え、あれがレンの家なの?」


「そうだよ、巨木な我が家だから、とりあえず帰るか」


 んーーーー、帰ってきたーー! もう今日も夕方だし、2日くらい家開けちゃったな、みんな大丈夫だったかな?


 僕は玄関まで到着、ドアを開けようとして……


「あれ? 開かない……」


 おかしい! 鍵なんて着いてないはずなのになんでだ?!


「レン、どうしたの??」


「いや、鍵なんてついてないのに開かないんだよ、なんで?!」


 ガチャガチャやってみたり大きな方の扉も押したり引いたりしたけど開かなかった。


「おーーーーい!! かーーれーーんーーー!! ミーーナーー!! 」


 僕は仲間の名前を叫んで呼んでみる。


「誰も来ないわね、閉め出されたんじゃない?」


「んなわけないじゃん、僕何もしてないし」


「さぁー、どうかしらね、レンだもん、知らないうちにお仲間さんの胸でも触ったんじゃないの?」


「クルアまだ根に持ってるの? そんなわけないじゃん、僕は紳士だぞ」


「どうかしらねー」


 結局今日は誰も来てくれず、まぁ明日の朝になれば来るだろって思い、夜ご飯としてニギリメシコシヒカリを食べて、昔作った粘土のかまくらで寝ることにした。



 まさか、次の日も家に入れないとは思いもしなかった。

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