表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/236

43話 『神気解放:飛耳長目』

 


 私は昨晩一睡もできませんでした。


 蓮くんが帰ってくるのを待ってたからです。


 蓮くんがダンジョンに入ったあと、ミーナがそれはそれは暴れて、抑えるのに苦労しました。


 蓮くんはちょっと規格外な所があるからちょっとやそっとじゃどうにかならないから大丈夫大丈夫となんとか宥めて落ち着いてもらい


 それでも昨日一日中ソワソワしてました。


 私は<知識>の『探知』の能力で蓮くんの居場所は分かるけど、ミーナはわからなくて気が気でないのがよく分かります。


 だから、あのあとミーナはやることも手付かずでどこかずっと上の空でした。


 蓮くんがダンジョンに行ったあと、とりあえず地面をほって生簀を作るのは諦めて、他の方法を考えました。


 考えて厳密な協議をした結果、湖に作るのがいいとなりお鶴さんたちにネットをつくってもらい、ネットに重りと浮きを付けて湖に投げ入れました。


 とりあえず今はこれでいいかってなり、あとはリザードマンが来たらいろいろ改良していくことになりました。


 それからまたミーナを宥めて宥めて、蓮くんの好きなとこだったり話したりとガールズトークをして気を紛らせて過ごしました。


 それが昨日の話。


「はぁー、蓮くん帰ってこないなー、矢印は昨日から動いてないから休んでるんだと思うけど……」


 私がこの調子だとミーナはどうなってるのか、ちょっと会うのが怖いな


 私はいつもみんなが集まる食堂にいきました。



 ………………………………………………………………




「カレン様! レン様は……レン様は大丈夫ですか?!」


「大丈夫! 大丈夫だから落ち着いて!!」


 食堂にいくとやっぱりミーナがすごい形相で蓮くんの安否確認をしてきた。


 昨日はやっぱり一緒に寝てあげればよかったな、でもなんか「一緒に寝よ」って言ったら、昨日ずっと一緒にいて話しかけてたこなすちゃんときゅうちゃんみて「いえ、大丈夫です」って言われたんだよね、どうしたんだろ??


「レン様はいまどこにいるのですか?!」


「蓮くんの矢印は滝のほうを向いてるよ、昨日から動いてなくて結構近いところ、たぶん休んでたんじゃないかな?」


「でも、レン様ご飯とか持って行っていませんよね? お腹すいて倒れたんじゃ……」


 私はそんなことないと思うけど、蓮くんの状態を確認してみよう。


 私は視界に写る蓮くんの矢印をじーーっと見つめ蓮くんの状態を見てみる、『鑑定』と『探知』の合わせ技! 開発しました!!


 ………………………………………………………………


 雨宮蓮 (人間族、神の使徒)

 十八歳

 身長175cm B84 W70 H86 体重65kg

<才能> 『開花』『神気解放:才気煥発』

 状態:貧血、パニック


 ………………………………………………………………


 本当に見ようと思えば色々見れますね、ん?


「ミーナ、蓮くんの状態が貧血とパニックになってる!」


「え?! 貧血って、血を流しすぎたとかですか?! パニックって……なにか不測の事態が……」


 これには私もミーナと同じ考えです。


 さすがに心配になってきた。


(蓮はこの時クルアにキスされてた、貧血は血の飲まれすぎパニックはキスされたからである)


「カレン様! レン様を探しに行きましょう!」


「うん、心配だし探しに行こう」


 私たちは蓮くんを探しに行くことにしました。



 ………………………………………………………………




 蓮くんの矢印は滝の方向を指しています。


 どうやら滝の向こう側みたい


 ということで私たちは滝の向こう側に行くために崖を登ることになりました。


「た、高くない??」


「高いですね、カレン様は高いところ大丈夫ですか?」


「ま、まぁ、たぶん大丈夫だと思うけど、この高さはなぁ……」


 私は別に高所恐怖症とかではないですが、自分で登るとなると少し、しかも200メートル、絶対登れないでしょ!!


「よしっ! 行きますよ!」


 そう言って崖に手をかけるミーナ


 え?! ホントに登る気なの?!


「カレン姉ちゃん先に行くぜ」


「カレンもはやくいこぉー!」


 コロッケとハルちゃんも登り始める


 し、しょうがないこうなったら覚悟を決めるしか……


「フーーー、よしっ!」


 私は崖に手をつけて登り始めた。


 が、元々私は体力がある方じゃないからさすがに半分くらいでギブアップ。


 コロッケとハルちゃんにロープを持ってもらいそれで運ばれてく


 ううぅ……風が、風が強いよぉー、揺れるぅ!落ちるぅー!!


 私はロープで宙ずり状態だから風が吹くとゆらゆらと揺れて、さすがに怖い! しかも高い!


 下を見ないように下を見ないように、恐怖を抑えて涙を流さないように上を向いて運ばれてった。


 ミーナは……なにあの子、もうすぐ頂上じゃん! 愛って怖い………


 頂上に着いた時にはもう私はヘロヘロになった、風に吹かれる恐怖でフラフラする。


「カレン様! レン様はどこですか?!」


「えーと、ここの真下だよ」


 私が蓮くんの矢印が差すところに立つと矢印が真下を向いた。


「真下って、この中ってことですか、どうしましょう……そうだ! カレン様も『神気解放』と言うやつをやれば壊せるんじゃないですか?!」


「え? 無理だよ、神気解放の仕方分からないもん! それに、私力ないから蓮くんみたいにダンジョンの壁壊せたりしないし……」


 そもそも、力が<知識>です。


 なにかを壊したりするときに役立つものじゃないです。


「そんなのやってみなきゃわかりません!」


「で、でも……」


 私がまた無理だということを言おうと思った時、



 どごぉぉーーん!!



 と、地面に響くような音と同時にすこし地面が揺れました。


「レン様……」


「蓮くんっ!! お願い無事でいて……」


 無理だということなんて関係ない、蓮くんに何かあったら助けてあげなきゃ……


 私は目を閉じて祈るように手を組み、蓮くんのためになにか出来ないか必死に必死に考えます。


 蓮くん……


 どこにいったの?


 なにがあったの?


 心配だよ、帰ってきて……蓮くん


「か、カレン様の周りにひかりが……」


「カレン姉ちゃん、すげえ」


「きれいぃー」


 みんなが何か言ってるけど今は蓮くんのこと


 どんどん感覚が研ぎ澄まされてく感じがわかる。


 すると、目をつぶってるはずなのに何かが見えた。


 あれは……人? あっちはリザードマンの人達だこっち来てるってことは移住の方たちかな? ここから見えるはずがない一緒に住んでるエルフの人たちも見える


 あっ、これなら蓮くんのことも!


 私はダンジョンを見てみる、光がないから真っ暗だけどしっかりと見える、猿っぽい魔物、トカゲっぽい魔物……蓮くんはどこ?


 それから、音も何だか沢山聞こえるようになってきた。


 水の流れる音、虫の鳴く音、鳥の羽ばたく音、ミーナたちの心臓の音


 耳もダンジョンに向けてみる、いろいろなたくさんの音がする。


 私は視覚と聴覚で蓮くんを探す、大体の場所は矢印でわかるから下に下に意識を向けていく……




 下に……




 下に……






 見つけたっ……!!


 私はまず聴覚で蓮くんを見つけた、聞こえてきたのは


 女の子の声……?? と、蓮くんの声


 次に視覚でも見つけた、見えた姿は


 蓮くんの首筋に女の子が噛み付いてる姿。


 そして、



『くっ、殺せ! 身体は屈しても、心までは屈するとは思うなよ!! あっ/// ああああああああぁぁぁ!!』



 と、ちょっと嬉しそうな蓮くんの声。


「……………」


「あの、カレン様? レン様は……??」


「…………………」


「あのぉー? カレン様?? どうしたのです??」


「ミーナ、蓮くんは大丈夫だよ、むしろ活き活きしてるから大丈夫、ええ、今すぐ帰ろう」


「え? どうしてですか??」


 私は今見た事と聞いたことをミーナに教えてあげる。


 聞き終えたミーナは真顔すぎるくらい真顔になって


「ええ、今すぐ帰りましょう、そして準備です、粛清の準備をしましょう」


 私たちは、家に帰って、蓮くんを粛清するための計画を立て準備を始めました。


 あとから、ミーナに蓮くんを探してる時の私は金髪に碧眼で青金色のオーラを纏っていたと聞かされて、自分のステータスを見てみると『神気解放:飛耳長目(ひじちょうもく)』というのが増えてました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
https://ncode.syosetu.com/n3707gq/『父さんが再婚して連れてきたのは吸血鬼な義妹でした』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ