33話 『命名』パラダイス
僕はコロッケと黄昏あったあと、魚を籠いっぱいにとって戻ることにした。
「レン兄ちゃんたくさんとったな!!」
「そうだなー、もうあんまりとりすぎるのも考え物かもなー」
「なんでだ?」
「ほら、とりすぎるといなくなっちゃうだろ?」
「あー、確かにそうかも」
といって、手に持ってる魚を見るコロッケ。
魚はぴちぴち逃げようとしている。
魚のあの、ピチピチするのってなんかエロいよね、こうAV女優の人が感じる時あれくらい身体くねらせる人いるもん。
あ、やばいやばい、こんなこと考えてたら魚にエロスを感じる変態になっちゃうよ! 違うからね! 僕はマゾじゃないよ!
そんなこと考えてると、コロッケが手に持って魚を逃がした。
「よかったのー?」
「魚いなくなったらやだし」
そーかー、コロッケは優しいなー
ん? 食べるためだから優しいとは言えないのかな?
まぁ、今度生簀を作ることも考えてみるかー
生簀ってどうやって作るんだろ? 華憐と要相談だなー
そんなことを思いながら家に戻ってくると、そこにはたくさんの鶴がいた。
「なんだこれ、どういう状況?」
「あっ、蓮くんおかえりなさい! ちょっと話があるからこっちきて!」
華憐が玄関まで迎えに来てくれて、話があるというのでコロッケと一緒に食堂にむかった。
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「レン様、お久しぶりでありんす、あら? その服着てくれてますのね」
「あーっ!! いつぞやの全裸の美女!! やっぱりこの痛シャツはあなただったのかー!!」
食堂にはこの前、真夜中にベランダで会った美女がいた。
あの時は全裸だったが今は紫色の着物を着ていてThe和風美女!!って感じで綺麗な人だな。
「む、蓮くん全裸とはどういうことですか!?」
「レン様、まさかこの方と……」
「違う違う!! 何もやましいことはしてないよ!!」
誤解だ! 僕は紳士だぞ!
「あら? あんなに熱い視線を向けておりんしたのに」
「わーー!! そんな誤解を増長するようなことを言うなぁー!!」
「「蓮くん(様)あとでゆっくりお話しましょうね」」
怖いよぉ怖いよぉ、僕何もしてないのに……理不尽だぁー!!!
もう、この話はやめやめ!! 僕が不利になるだけだ、話を戻そう。
「それで、話ってなんでしょう??」
「はい、ここに住まわせてもらいたいでありんす」
「え? ここに移住してくれるんですか?!」
「はい、カレン様にまだ御恩をお返ししてないでありんすからか」
「え、それはあの痛シャ……ごほんごほん……服じゃないんですか?」
「あれはお詫びの品でありんす、それにここの湖はなんだか神聖な感じがして居心地がいいでありんすから、それとお願いがありんす」
「なんですか??」
「はい、私はここに来て人間の姿になれるようになりました、それを私の家族たちにもやってあげて欲しいでありんす、ずるいずるいとうるさいでありんすので」
「あーー、もしかしてそれが狙いですか??」
「あら、バレましたか? でも、ちゃんと働くでありんすからどうか願いを受け届けてくださいまし」
「まぁー、それに関しては僕達にも責任がありますしね、どこかの誰かさんが誰隔てなく名前をつけてくから」
「ちょっと蓮くん! そんな尻軽みたいな言い方しないでよ!」
「えー、でもたまにおもうけど華憐、ムッツリだよねー?」
「誰がむっつりですか!! 私はむっつりなんかじゃないです!! 」
「大丈夫大丈夫!! そういうお年頃なのは分かってるから! うんうん!!」
「蓮くん! お説教時間延長だからね!!」
「はいはい、それでお鶴さんの家族たちは、家の前にいた鶴たちのことですか?」
「はい、そうでありんす」
「じゃあ天空ガーデンに来るように言ってください、そこで華憐が『命名』をします」
「わかりんした、お願いするでありんす」
「こら! 蓮くん話を逸らさない!!」
「ほらほら、華憐『命名』しに行くんだから名前考えないと!」
「あ、たしかに、どうしうかな〜」
ふぅ、チョロい、なんとか話をそらせたかなー
ん? なんかミーナがこっち見てる
「レン様、全裸の件まだ終わってないですからね?」
わわわわ、にこーっといい笑顔なのに向けられたら寒気が……
その後、ルンにも住人が増えることを伝えたら
「ホテルの部屋を綺麗にしておくスラ」
って言ってた、ルンは働き者だなぁー
僕達は天空ガーデンにいった。
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天空ガーデンは巨木の家の96階から99階部分が突き抜けになっていて柱だけで壁がなく、地面は原っぱで名前の通り庭のような感じ、日向ぼっこだと最適な場所。
そこに今、鶴が一列に整列してる。
うーーん、なんだかシュール
「んー、あなたは『お通』、あなたは『お江』……」
華憐が一人一人名前を付けてる。
なんだか日本っぽい名前ばっかりだなー、まぁ鶴たち和な感じだからわからくもないけど
てか、華憐、性別とかわかるのかな?? わかるかー、<知識>の力だもんな
「あなたは『お鷹』、あなたは『お滝』、えーとあなたは『お拓』……」
あ、華憐、絶対適当になってきただろ、『お鷹』、『お滝』、『お拓』って、か、き、くじゃん
あ、そろそろ最後の一匹だな
「カレン様、この者は私の夫でありんす」
「そうなんですか? じゃあちゃんと考えなきゃ……んー、ひろみ……うんー、、」
お鶴さん、旦那さんいたんだなー、あれ?? お鶴さんの旦那さんだけ和って感じがしないんだけど……
まぁ、華憐なら大丈夫……かな??
「決めたっ!! お鶴さんの旦那さんは『ひろし』だ!」
えー、ひろしって顔かな?? 僕にはわからん
こうして鶴たちの『命名』が終わった。
『命名』したのは15匹
『お通』、『お江』、『お初』、『お糸』、『お時』、『お空』、『お菊』が女性7人
『お鷹』、『お滝』、『お拓』、『お武』、『お凧』、『お坂』、『お楽』、『ひろし』が男性8人
頭文字を『お』にしたのは分かりやすくするためかな?? 途中から雑になった気がしなくもないけど…
『命名』して一晩寝ると擬人化するみたいだから明日の朝が楽しみだ
こうしてお鶴さんを加えた新しい仲間が16名これから一緒に生活していくことになった。




