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31話 蓮の悩み

 


 ◇◇レンside◇◇



 僕とコロッケは今、青い空広がる芝生の上できもちいい風に吹かれながら寝転がっている。


 コロッケが魚食べたいって言ったので僕も川についてきて疲れたから休憩中ってところ。


 それで僕、雨宮蓮にはいまある悩みがある。


 そして、こんな青空で気持ちよく寝転がっていれば、一緒に寝転がってるのがクマなコロッケでもついつい悩みを話してしまうものなのだ。


「なぁー、コロッケ、男友だち欲しくないか?」


「レン兄ちゃんいきなりどうしたんだよ」


「いやさー、家にいる住人ほとんど女性じゃんか。華憐とか、ミーナとか」


 それに、他のエルフたちも女性の方が多い。たぶん、戦争で逃げて来たから男たちは戦っていて女子供だからなんだろうけど。


「たまには気を使わず男友達とはなしたくなるもんなんだよ」


「俺じゃダメなのか?」


「コロッケは友達っていうより弟って感じがするんだよなー」


「たしかに俺もレン兄ちゃんは兄貴って感じがするぜ」


「だろー? だからたまには同年代の男と下ネタの言い合いとかしてみたくなるもんなんだよ」


 そう、僕は男友達がほしい。


 今、我が家には僕と年齢の近い人は女の子しかいない。


 べつにそれが嫌な訳では無いんだ。なんかハーレムしてるみたいで普通に優越感をちょっと感じるくらい。ただその分気を使うことも多い、たとえば……。


 気を使うパターン1 食事の会話。


 3


 2


 1


 よーーい、はいっ!



 僕、雨宮蓮は今、最高に気まずさを覚えている。


 なぜなら、席を同じにしている子達が女子ばっかだからで、会話がデリケートすぎるからだ。


「ミーア、このあと一緒にお風呂入りましょ」


「あ、ごめんなさいカレン様。今日私、その生理の日で……」


「あー、私も昨日まで生理だった、ほんとなんで私たち女子だけこんな日があるんだろうね」


「ほんとですよね、しかも男たちといったらこの痛みもわからず好き勝手いってくれますし」


「そうそう! ほんとにむかつくよね!」



 とか言う、僕と同年代くらいの女子たち。


 僕に聞かれることに何も抵抗がないのか、それとも聞かれてもなんとも思わないのか。ただ、そういう話は男子としてはなんとも気まずいトークなのよ。そういうデリケートな話は僕のいないところでしてくれませんかね!


 それとすいません。


 僕が生理痛の痛みのわからない男代表として謝ります。はい。


 本当にきまずい……。




 はい、カットぉー!





 気を使うパターン2 お風呂上がり


 3


 2


 1


 よーーーい、はいっ!



「ふぅ、今日もいいお湯だったなー」


 僕、雨宮蓮はお風呂好きだ、かなり長湯してしまう。


 今日も満足いくまでお湯につかり、気分よく上がって部屋に戻ろうと廊下に出た。


「あなた、また胸おっきくなったでしょ」


「ええー? そんなことないよー」


 おっと、エルフの女性たちもお風呂上がりで廊下でお喋りをしているらしい。遠くの方で火照った体を覚ますようにパタパタと服を仰いでるのが見えた。


 お風呂上がりの女性ってどうしてこうなんだか艶やかでエロく感じるのだろうか。


「いやいや、絶対おっきくなったって! どうしたらこんなに巨乳になるのよ」


「えー、そうねぇ、たとえば……」


 僕の部屋はエレベーターに乗らないと戻れないため、エルフの女の子たちを通り過ぎないといけない。だんだんと近づいていけば会話が聞こえてきた。


 まぁ、女の子同士ならお互いの胸の話とかにもなるか、でももう少し声小さく話して欲しい。僕もそういう話きくとつい気になっちゃうから。


 僕はそんなこと思いながらそのエルフたちの横を通り過ぎようとした。


「あっ! そうそう! 男の人に胸もんで貰うと大きくなるらしいよ!」


「えー、私に男なんていないし」


「レン様に揉んでもらいなさいよ! この家唯一の男じゃない」


 と、僕が後ろを通ろうとしたのに気が付いていなかったのかそんなことを言っていた。


 ぴくっと反応してしまったのは男の性だよね。まぁ、そのせいで僕がいることに気が付かれたんだけど。


「あっ、レン様……」


 結構大きな声で話してたから今更聞いてませんよ~なんて言えない。


「え、えーーとーー……あはは、いいお湯でしたね?」


「は、はい……」


 相手のエルフさんたちはまさか僕がいるとは思ってなかったようで、それはもう顔を真っ赤にして俯いてしまった。


 気まずい。とってもいたたまれない。


 あとそれ迷信だから! 揉んだら大きくなるなんて都市伝説だから!


 そんなこと言える雰囲気もなく僕は苦笑いをしながらそそくさとその場を後にした。


 気まずい。



 はいっ! カットぉぉー!



 そう、こういうことが多々あるのだ、気まずいったらありゃしない。


「コロッケはいいよなー、こういうこと気にしなくてもいいだろ?」


 体の大きさは中学生くらいだけど、コロッケたちはまだ中身はお子様のはず、なんてったって子熊だし。


「まぁー、そうだけど俺だって苦労あるんだからな!」


「へぇー、たとえば?」


「えーと、たとえばな……」



 コロッケの気まずいパターン


 3


 2


 1


 よーーーい、はいっ!!



「コロッケー、髪乾かしてあげるから来なさい」


「えー、いーよカレン姉ちゃん、自分でやる」


「コロッケ自分でやったらいつも中途半端じゃない、ほらっ」


 華憐は自分の膝を叩く。


「カレン姉ちゃんの膝の上はやだよ、普通にベットの上からやってくれ」


 コロッケはベットのそばに座る。


「なーに、恥ずかしがってるの」


 華憐はコロッケを抱えて自分の膝の上にのせる。


「わぁ! だからやめろよ!」


「なにぃー? 照れてんのー? 顔真っ赤」


「照れてるわけないだろ!」


 コロッケ大人しく頭をふかれる。



 はいっ! カット!



「……てことがあったんだよ、まったくいつまでも俺をガキ扱いして。髪くらい自分でふけるってのに」


「……なぁ、コロッケ」


「ん? なんだレン兄ちゃん」


「お前のそれはご褒美だ!」


 そんな、華憐のあの柔らかそうな太ももに乗って、後ろから髪を拭いてもらっただ? そんなん、華憐の結構大きな柔らかそうなあそことかの感触が背中越しに感じられて優越感に浸れるわ!


 僕はコロッケとはこの苦労は分かり合えまいと悟った。


 はぁー、誰か男の旅人とかいないだろうか。


 それで、話始めると結構話が合って気心が知れるんだ。


 僕は巨木な我が家にその親友を連れて夜までゲームとかをして朝まで遊んだり、共に死線を潜り抜けてさらに友情を深め、たまには喧嘩して本気で殴りあったりするけど最後には二人で地面に寝転がって大笑いをして仲直り。


 そんなちょっと男臭い青春を僕にくれてもいいじゃないか。


 そういえば、部活で一緒だったあいつはどうしてるだろうか?


 ここ最近転生だなんだのあったせいですっかり日本のことが頭から離れてたけれど結構残してきたものも多いんだな~。


 実は僕にもいたんだよ。僕はあんまり興味ない感じでそっけなく接してたけど、少しは退屈を紛らわしてくれる男友達が。


 そんなこと思いながらセンチメンタルを感じて、ぼーーっと青空を眺めてると視界に空を飛ぶなにか、多分鳥の二十匹近い群れが通っていった。


 鳥の群れは我が家の方向に飛んでいった。




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