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24話 ミーナ

 


 ◇◇ミーナside◇◇



 私は今、決心しました!


 今日、助けて貰ったレン様に全てを打ち明けると! まぁレン様は察してるって言ってたのでもしかしたら、全てわかってるのかもしれませんが、ちゃんと私の口から伝えたいのです。


「ミーナ様、レン様に伝えにいくのですか?」


「はい、伝えなければならないと思います、それに、もしかしたらまたあいつらが来るかもしれませんし」


「わかりました、止めはしません。ただ、その格好でいくのですか?」


「え? だって殿方の寝室にいくのですよ? それもこんな深夜に」


 私が着ているのはいつもより露出が多いネグリジェです。なにかあった時のためにと持ってきましたがこんなに早く使うことになるとは、何が起きるかわかりませんね。


 ちょっと、あまりこういうのは慣れてないので気恥しいですが、まぁレン様なら見られてもいいような気がします。


「はぁ、まぁミーナ様がそれならいいですけど後悔はしないでくださいね」


「レン様なら大丈夫です! 後悔なんてしません!」


 私はリーアに見送られてレン様のお部屋に向かいます。




 ■■




 私はレン様の部屋の前で深呼吸して心を落ち着かせています。


 レン様はもう寝てしまったでしょうか?


 うぅ、緊張します。


 いざ出陣!


 コンコン


「はーい、入っていいよー」


 よかった! レン様はまだ寝てませんでした!


「失礼します」


「んー、どうしたミー……ナ?」


 あれ? レン様が私を見て固まってます。私、変なのでしょうか?


「あ、あの、変ですか?」


「い、いやいや、似合ってるよ! ただ、ちょっと目のやり場に困るっていうかー……」


 やった! レン様に似合ってるって言ってもらいました! もう満足です!


 はっ……?! だめです、私たちのことを話すって決めたんです!


「あの、レン様。今日のことは本当にありがとうございました」


 そ~っと、私から視線を外そうとしてるレン様にまずはお礼をつたえます。


「いえいえ、気にしなくていいよ、それよりお腹は大丈夫?」


「はい、もう痛みもありませんし」


「そっか、それならよかったよ」


「その、それでその事とかについてしっかり伝えようかと……」


「ああ、わかった。じゃあ教えて?」


 今度はレン様は真面目な顔になってしっかり目をみて言ってきました、私も真面目に答えます。


「はい、ではまずは私のことです」


 私は恐る恐るネックレスを外します。


 すると私の髪は金髪から大っ嫌いな銀髪になります。


 この髪のせいで私は……そう思ったけどレン様は、


「やっぱり綺麗な髪だね!」


 そう言って私の髪を撫でて梳いてくれます。


 そんなことを言ってくれるのはレン様だけです。


 なんだか心地よくて気持ちよくて心が暖かく落ち着いていく気分です。そうしたら自然と口が動いていきます。


「エルフでは銀髪は忌み子の象徴なんです、そして私は一国の姫でした……」


 私はポツポツと事の事情を話していきます。


 私が生まれた時のこと、私が生まれたせいで国は荒れに荒れて、なんども殺されそうになったりしたこと、だけどその度にお母様とお父様が守ってくれたことなど


 レン様は私の話をしっかりと聞いてくれてくれます。


「そして、もうひとつのエルフの国が忌み子は排除すべしと私の国を攻めてきました。お父様とお母様は真っ先に私を逃がしてくれました。ですが、今日あの男が二人とも生贄に捧げたと言っていたので多分もう生きていないでしょう……」


 そこまで言って私は泣いてしまいました。お父様もお母様もずっと私を愛してくれてた人、私も二人のことが大好きでした。


 レン様は泣いている私をぎゅっと優しく抱きしめてくれて、背中をさすってくれます。


 その優しさが心地よくて、子供みたいにわんわん泣いてしまいました、レン様は私が落ち着くまでずっと抱きしめてくれました。


「大丈夫? 落ち着いた?」


「はい、ありがとうございます、レン様は優しいですね!」


「そんなことないよ、泣いている女の子がいたら優しくしてあげるのは当たり前だよ、僕のじっちゃんが言ってた」


「あの、レン様」


「うん? どうした?」


「改めて、我々エルフ一同をどうかここに住まわせてください! もう我々に帰る場所はありません、しっかりお手伝いもします、どうかよろしくお願いします!」


 私はしっかりと頭を下げます。


「うん! もちろん、いいよ、僕の方こそよろしくね!」


 レン様はそう言って微笑みかけてくれます。


 私はその微笑みをみて、つい……。


「レン様っ!」


「おっとと、どうした? いきなり抱きついてきて」


 レン様は私の銀髪を綺麗って言ってくれます、私の事を忌み子と知ってもひとつも嫌な顔せず受け入れてくれます、私の事を助けてくれます。


 レン様、私、そんなふうに受け入れて優しくなんてされたらレン様のこと好きになっちゃいますよ……?


「ねぇ、レン様? 私の事、抱いてください」


「な……え? 冗談だよね?」


「もうっ! 冗談でこんなこと言いません! 嫌ですか……?」


「い、嫌じゃないよ! ぜんぜん! ミーナ可愛いし、綺麗だし……」


「じゃあ!」


「でも、ほら! まだ会って間も無いし、それに恋仲とかじゃないでしょ? そういうことは恋人同士でやることでしょ?」


「なら! 恋仲になりましょう!」


「ええっ?! そんな唐突?!」


「レン様は私と恋仲になるのは嫌ですか?」


「い、いやさ、まだ出会って二日だよ? そんないきなり恋仲なんて……考えられないって言うかなんというかー」


「まったく、レン様は意気地無しですね、ヘタレですよへたれ!」


「うぅっ……うるさいなぁ」


「まぁ、確かに私も突然すぎますしね、今晩は諦めます」


「う、うん、分かってくれて嬉しいよ……」


「あっ、でもこれだけ!」


 そう言って私はレン様に近づいて頬にキスしました。


 照れくさくて、小走りで少し離れます、レン様は頬を抑えて固まってます。


 うふふ、そういう所もなんだか惹かれますね。


「じゃあ、レン様おやすみなさい」


 私はそう言って急ぎ足で自分の部屋へ向かいました。ちょっと……いえ、かなり照れ臭いですね。




 ■■




「すーーーはーーーすーーーはーーー。ふぅ、最後のはちょっと大胆でしたでしょうか」


 私は部屋に戻ってきて早まる鼓動を抑えます。


「はぁー、レン様好きですー」


 でも、まさか断られるとは思ってませんでしたね。自分に自信がある……とか傲慢なことは思いませんけど、肩透かしを食らった気分です。男は一時の過ちをするものって聞いた覚えがあるんですけど、それにあの感じだとレン様が私に興奮してなかったようではないようですし? 


「そういうことは恋人同士、ですか」


 そういえば、レン様たちはこの世界とは別の世界から来たんでしたっけ? そっちの世界の常識なのかもしれませんね。なら、


 いつか必ず私の事を好きになってもらいますからね!


 今日この日からミーナのレン様アタックがはじまった。



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