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231話 いざ行け! ブリリアント王国! (ルカの助け方)

「異世界から帰ってきた先輩のカノジョになりました!」の方もどうぞよろしくお願いします!


確実にこっちより上手くなった自信がありますので!

 


 エリュの推察は当たってたらしい。


 異界魔法の崩壊を目の当たりにしたノノちゃんはさっきまでの自身とは裏腹に目に見えてうろたえだした。


「なんで……ノノの世界が壊れて……あなたなにしたの……?」


 そこはかっこよく世界を斬ったって言いたいとこだけど、実は違う。


 やっぱり唐突に空間を斬るほどに剣の腕をあげるのは不可能だよ。


 けど、それでもこの異界魔法を壊すことができたのはひとえにあまちゃんのおかげだろう。


 やっぱり神様ってすごい、そしてその一部でも顕現させたエリュもすごい。


「悪いけど、ノノちゃんの能力は封印させてもらったよ」


 そう、あの『天叢雲剣』の特性は封印。さっきの水龍に飲み込まれたすべては使い手の任意で様々の事柄を封印することができる。


 それでノノちゃんの夢の勇者の力をあの蘇生? する能力だけを残してそれ以外のすべてを封印した。


 ただまぁ、これでやっと条件は一緒になっただけで……いや僕が動くことが立ち上がることがやっとで戦闘なんてできそうないか。


 それに対してノノちゃんは勇者の力は使えないものの、普通に動いたりたぶん刃物を振りかぶることくらいはできるだろう。それに今は寝てるけど起きたらネネちゃんも控えてる。


 だんだんと異界魔法の空が地面が空間が剥がれて、元の二人がいた部屋に戻っていく中、色々な反動で今にも意識が飛びそうな頭でこの最大のピンチをどう乗り越えようか考えてると、目の前でその様子を眺めてたノノちゃんがスッと両手を上にあげた。


「降参するの~」


「え?」


「聞こえなかったの~? 降参するって言ったの~、この勝負はノノの負けでいいの~」


「へ? いや、けど……」


 それは正直とても助かるけど、なんだかあっさりすぎない? さっきまで激闘を繰り広げてたとは思えないんだけど。


「いいの~、『夢幻(ワールド・オ)世界(ブ・パンタソス)』が破られた時点でノノが死んだも同然なの~。ぶっちゃけるとノノの力はあの世界じゃないと十全に発揮できないからこっちだとノノは雑魚なの~」


 雑魚って……全然そんなことないと思うけど……いや、初めにこっちの部屋で戦ってた時はネネちゃんだけに圧倒されたんだっけ。


「あ、そういえばネネちゃんは!」


 そう思ってネネちゃんがいたらへんを向けば世界が崩壊してるというのに未だベッドで眠るネネちゃんがいて。


「ネネのことは、ああ言ったけどもともと戦闘に巻き込むつもりはなかったの~、ネネは心優しいからネネの友達のあなたを殺すことなんて最初からできない。だからこれ以上のことはするつもりはないと思うから安心して欲しいの~」


 確かに、最初にネネちゃんは降伏を求めてきてたっけ。


 ノノちゃんの言葉を信じよう、それならこうしちゃいれない! 次はルカだ! ルカを助けないと!


 ノノちゃんの能力を封印したんだからもしかしたらルカの呪いも止まるかもって思ってたけど、よく見れば黒の侵食は今も続いてて解呪されてない事がわかる。


「ふぁ〜……ノノも反動で疲れたの〜、ノノ達のことは煮るなり焼くなり好きにするといいの〜……おやす――」


「待ったーーっ! 寝るのは勝手だけど、その前にルカをどうしたらいいのか教えてくれ!」


「――あっ、そうだったの〜……でも、今のノノは能力を封印されてるんじゃないの〜?」


「たぶん、この世界が崩壊する前になら本当にちょっとだけ使えると思う……足りるか?」


 後々のことを見越して完璧に絶対封印した訳じゃなくて、ちょっとキツめに縛るって感じだから大丈夫だと思うけど……もし、やらかして何も出来ないって言われたらどうしよ……。


「ん、ん〜……まぁ、これくらいなら大丈夫なの〜。二人でノノの前まで来て欲しいの〜」


 よかった、ちゃんと力は足りるみたいだ。


 安心してほっと、胸をなでおろしながら僕はルカを背負って言われた通りノノちゃんの前に来る。


「どうしたらいいんだ?」


「初めにも言った通り天使さんにかけた悪夢の呪いはちょっと特殊で悪夢自体で独立してるの〜、呪いを解くには悪夢の中で悪夢を倒せばいいの〜」


 簡単でしょ? って言いたげだけど、簡単かな? というかそもそも悪夢を倒すってどゆこと?


「今からやるのはあなたの意識を天使さんの夢に繋げることなの〜、そうすればあなたは天使さんの夢に入れるの〜。そこで大事なのは『ここは夢だ』って確信すること、そうすればあなたは自由に動けるようになるの〜」


「それじゃあ、それでその悪夢とやらを見つけて 倒せばいいってこと?」


「そういうことなの〜。ただし、一番望ましいのはのは天使さんがその悪夢に打ち勝つことなの〜。悪夢を倒せば呪い自体は解けるけど、悪夢っていうのは自分自身で乗り越えなきゃ行けないの〜、そうしないと例え呪いが解けたとしても心は呪われたままなの〜」


「まとめると大事なことは『夢であると確信をすること』と『ルカが乗り越える』の二つであってる? 俺はそれをするルカを支えればいいってこと?」


 僕が結論をまとめて真剣に聞くとなんかすっごいトロンとした目をし始めたノノちゃんはうんうんと頷いて。


「そういうことなの〜、最悪あなたが倒しても問題ないの〜。こっちで目覚めたあとカウンセリングしてあげることもできるの〜。ただ、それだと後遺症で今後とも悪夢をる時があるかもしれないの〜」


「わかった、それじゃあさっそく始めて欲しい」


 僕がそう言うとノノちゃんは僕とルカの額に人差し指をちょこんとくっつけた。


「やる前に最後に一つだけお願いがあるの〜」


「ん?」


「ノノとネネはあなた達に投降する、けど身柄の安全を保証して欲しいの〜。二人が無理ならネネだけでも」


 それくらいならおやすい御用、というか元々酷い扱いなんてする気はない。


 王様の呪いを解除してくれればいいだけだし、僕はこの二人がどうにも悪人って感じはしないんだよね。


 ブリリアント王国はもしかしたら許さないとか言ってくるかもだけど、そこは僕達が捕まえたってことと、報奨とかで何とかしてもらおう。というか、


「なら、二人ともエリュシオンにおいでよ。そこでの安心安全な生活は保証する」


「ありがとうなの〜、ならお言葉に甘えるの〜。そうと決まればさっそく、あなたたちが悪夢を倒して起きた時、たぶんノノとネネは寝てるだろうからそのまま運んでくださいなの〜」


 そうして最後に「それじゃあっ」って掛け声をかけたノノちゃんは。


「いってらっしゃいなの〜――『共通夢』!」


 そうノノちゃんが呟いた瞬間、意識が吸い取られるような感覚と共に身体に力が入らなくなって。


 どさりって音がしたと思ったらぼやける視界にはノノちゃんが倒れてスヤスヤと寝息を立ててる姿。


 ……ほんと寝るの早い。


 結構ギリギリだったんだろうな。


 さてと、ルカ。


 今助けに行くから、ちゃんと心を強く持っていてくれ!


 遅くなっちゃったかもだけど、手遅れでないことを祈って、倒れる身体に身を委ねた。




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