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213話 いざ行け! ブリリアント王国! (人選と新人Aランク冒険者)

 


 ◇◇レンside◇◇



「ほらほら、蓮くん。蓮くんが強くて頼りになるのは分かってるから、ね? すねないで?」


「別にすねてないやい……」


「なら、このむくれてる頬っぺたはなにかな~」


「…………」


 別にむくれてるわけじゃない僕のほっぺたを突っついてくる華憐。いや? ほんとだよ? 僕、高校生! もうすぐ大学生になるのにそんな子供っぽくない! いたって真顔なはず、だよね? いやまぁ、確かに僕だけ試験で何もできなかったことを気にしてないわけじゃないけど。


 僕たちはランクスキップ制度の試験を受けた会場から出た後、ガウルさんに案内されたのはギルドのフロントではなくパーティーで会議をするときに使うような個室の部屋に案内された。


 防音性に優れて異様でここで待っててほしいとのこと。そう言ったガウルさんは僕たちから冒険者プレートを受け取ると部屋を出て行った。


「うりうり~~、いたぁっ!?」


「はぁ、せっかくだし今後の予定でも話し合おう?」


 僕のほっぺをぐりぐりしてくるのになんかイラッていたから華憐にデコピンをお見舞いした後、僕はみんなにそう切り出す。


「そうね、と言ってもここでプレートを受け取って傭兵の依頼を受注、達成後王様に直訴しに行く流れじゃないのかしら?」


「うん、そうなんだけど二手に分かれようと思って」


「え? どうして?」


 クルアがおおよその流れを確認するように言って、僕の言葉に華憐が疑問を呈してくる。


「戦場がここからどこなのかは分からないけど、セラリア達非戦闘員は置いていくべきかと思って。だから、向こうに行って戦うのと、こっちに残ってセラリア達の護衛っていうか、王都での情報収集? とにかくなんかエリュシオンにの為になりそうなことを調べたりした方がいいと思って」


 このままセラリア達を連れて行ってもしもし無効で戦闘になった時に巻き込まれたりしたら身の危険が危ないしね。それに、ここに来てからのセラリア達のはしゃぎ用を見てたらもっと故郷の町でゆっくりしてもらいたい。


「なるほどね、私はいいわよ」


 クルアが納得すると他のみんなも総じて賛成してくれる。


「それじゃあ誰がどっちに行くかだけど、王都組は華憐は確定かな?」


「私?」


「そう、理由としては華憐の能力的に情報収集は優れてるし、僕と華憐が分かれた方がいいと思う。もしものときはスマホで連絡が取れるのは僕たちだけだし」


「そうだね、わかったよ!」


 手を挙げて了承してくれる華憐。まぁ、それ以外の理由としては戦うであろう勇者に華憐の知り合いがいるみたいだからっていうのもあるけど、なんか気恥ずかしいから言わないでおこう。クルアがなにかに気が付いたように僕を見てくるけど知らんぷりっと。


「相変わらず優しいわね。それで? 他のメンバーはどうするの?」


「そうだなぁ、ミーナとティエラは華憐と、クルアとルカは僕とがベストじゃない?」


 クルアなら実践慣れしてるから心配いらないし、ルカがいればもし大けがで不測の事態に陥いっても万が一は避けられる。単純な強さを求めるならティエラが一番だけど手加減とか苦手そうだし、後単純にこんな儚げな少女を戦場に連れて行くのはなんか罪悪感が。ミーナは出会ったころと比べれば格段に強くなったとは思うけど実践慣れではクルアの方が上回る。


「むぅ、うちだって手加減くらいできるばい! でも、レンさんがそう言うなら」


「確かに、私はまだ戦うこと、特に人と戦かったことはないですし……わかりました、今回はお二人に譲ります」


 僕と離れるのに難色を示してた二人だけど、僕がしっかりと人選の理由を話したらしぶしぶだけど納得してもらえた。


「ミーナ! ティエちゃん! 一緒に王都観光しようね!」


「そうです! レン様が帰ってきたらデートするために下見をしておきましょう!」


「私も人里に下りてくるのは初めてですし、せっかくなので楽しみたいです」


 華憐も残ることは渋ると思ってたけどこれがあるから文句を言わなかったのか。ミーナとティエラと三人で集まって王都の町についてキャッキャと楽しそうに話してる。エリュシオンの為の情報収集忘れてないよね?


「僕たちの方は戻ってきたら観光するか」


「いいね! 『熾天使(セラフィス)』のときはこの国の担当になったことはなかったから楽しみ!」


「それはいいけれど、ここにいないメンバーはどうするつもり?」


「ん~、基本は全員王都に待機でいいんじゃないかな? オリアさんにも休暇を取ってもらうってことで、僕たちだけなら飛んで行った方が早いし」


「そうね、分かったわ」


 オリアさんはここまでずっと馬車の御者に野営の準備に料理とたくさん働いてもらってたからたまにはいいだろう。そもそも、馬車を引いてきた馬が華憐の精霊だから華憐が王都に残るなら僕たちの馬車は使えない。


「そうだ、オリアも残るのなら持ってきた荷物も出しておいて……」


 クルアと今後のことで話していると、コンコンとドアがノックされてガウルさんが戻ってきた。


「すまない、待たせてしまったかな?」


「いえ、大丈夫ですよ」


「そうか、それじゃあ君たちのプレートを返そう。そういえば、カレン君のプレートはどうした? 青みがかったプレートなんて私も初めて見たんだが」


「あはは、ちょっと魔力を込めすぎちゃって……」


 みんなそれぞれギルド総長手ずからプレートを受けっとて、華憐のプレートを返すときにこのプレートはどうなってるんだと疑問をぶつけてた。まさか、誰にでもできる程度の魔力制御ができないなんて恥ずかしいことを言えるわけもなく華憐は苦笑いしてる。


 渡されたプレートを改めて見てみると、Gランクを表す鉄色だったプレートがくすみ一つない綺麗な白金色に……ん? 白金?


「あの、すみません? これってCランクのプレートですか?」


「ん? そんなわけないでしょう? それはAランクだよ? 最後のコロッサス、Aランク推奨の魔物をあっけなく倒せるのにCランクなんかにしたら宝の持ち腐れだろう?」


 あれ~? 確かランクスキップ制度ってCランクまでしかあげられないんじゃ? 


「普通ならCランクまでだが君たちは普通じゃないだろう? 総長権限でAランクだ、そして最速Aランク到達者、誇っていいぞ!」


「え? わっ! ほんとだ!」


「最後のコロッサスはAランクだったのね」


「まぁ、情報がなかったとはいえ一瞬でも私たちが見失うほどの魔物だったし」


「竜人族でAランクの冒険者は私が初めてなような? 後で、おじいちゃんに自慢しよっ」


「私も、帰ったらお母様とお父様に自慢します!」


 っと、僕の疑問が顔に出てたのかガウルさんが説明してくれてみんなも受け取ったプレートをみて刻まれてるAランクの文字に喜んでた。てか、最後の奴Aランク推奨の魔物なのか、ガウルさんなんて無茶をしてくれてるんだ。


 というか、喜んでいいのかな? このままリビングに戻ったらいきなりAランクになってて目立たない? そも、Aランクの冒険者って何人いるんだ? 上から二番目のランクだし絶対少ないよね? こら目立つわ~……。


 ………………え、僕たちまだ新人なんですけど。





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