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212話 いざ行け! ブリリアント王国! (あれ? 僕の出番どこ行った?)

 


 ◇◇レンside◇◇



「ブモオオオオオオォォォーーー!!」


「ミーナ、ルカ! 魔物の注意を引き付けて! クルアは高威力なやつ準備!」


「了解!」「わかりました!」「わかったわ」


 華憐の指示に従ってミーナとクルアの二人は相対してる黒い肌に二本の大きな角とハルバードのような大きな斧を持って華憐たちをその赤い相貌で睨みつけてるブラックミノタウロスというBランク推奨モンスターに突っ込んでいく。クルアはその後方で魔法を組み、華憐はさら後方で瞳を碧眼にして指揮を執っている。


 ブラックミノタウロスは向かってくる二人に対し、先に接敵したミーナにハルバードを振り下ろし迎撃しようとするも、身軽なミーナはそれを横っ飛びで難なくかわす。


 ミーナに当たることなく地面に振られたハルバードの威力はさすがはBランク推奨モンスターなだけあって強く、地面は地割れの様に衝撃でひびが入る。それはちょうどミーナの後ろを隠れるように追走していたルカに迫る。


 ルカはその衝撃破を飛ぶことで回避、そのまま魔法でできた二本の双剣で肩を切りつけブラックミノタウロスの後方に着地。


「っ!? ブモォォォォォーーー!!」


「私のことを忘れないでくださいっ!」


 傷つけられたブラックミノタウロスはその元凶のルカを振り返って攻撃しようとするも、横っ飛びで回避していたミーナがブラックミノタウロスの顔面目掛けて短刀を投げつける。


 その短刀にはミーナの『歌』が乗っていたようでブラックミノタウロスに突き刺さると同時に爆発を起こす。ミーナはいったい何の歌を歌ったのだろうか? 爆発する歌なんて……。


「ブモォオオオォォォォーーー!!」


「おっとっ! いいんですか? 本命は向こうですよ!」


 標的をミーナに変えたブラックミノタウロスはミーナに攻撃するも、ミーナはそれをひょいひょいっと躱しながら華憐とクルアの方を示す。


 その瞬間、ブラックミノタウロスの側顔に青白い電光が走る。それは華憐が打った『スタンガン』の魔法を込めた弾丸でブラックミノタウロスの身体を否応なし硬直させる。


「二人とも、離れなさい!」


 クルアの声に応じてミーナとルカの二人はブラックミノタウロスから距離をとると、


「『風葬の凶刃(トルネルド・キリング)』!」


 クルアが魔力を練り、それを開放して魔法を放つ。ブラックミノタウロスの足元から竜巻が発生し、その中を不可視の刃が縦横無尽に暴れ狂う。流石クルア、無駄のない魔力制御に十分な威力。


「ブ、ブモオオオォォォーーー!」


「なっ!?」


 しかし、流石はBランク推奨モンスター。クルアの魔法を受け、全身切り刻まれて血まみれになっても最後の力を振り絞り、スキルか何かなのか二本の角を赤く発光させてクルアに突撃し始める。


 クルアは咄嗟に魔法障壁を張ろうとしたが、それよりもブラックミノタウロスは早くて、クルアに迫ろうとした瞬間、


「ショットォォォォォォオオオオオーーー!!」


 そんな叫び声とともに『超電圧電磁砲(ネオ・レールガン)』が打ち込まれ、そのあまりの威力にブラックミノタウロスは木っ端みじん。我ながらとんでもないものを作っちゃったかもしれない。


「クルア! 油断は良くないよ!」


 ネオ・レールガンを打った張本人、華憐はアルカディアを構えなおしながらそんなことを言ってる。


「皆さんすごいですね」


「そうだなー、連携も様になってきてる。みんな個々人で強いから今までこんな戦い方したことなかったし」


 最初は雑魚モンスターだったがモンスターが強くなっていくにつれ癖も強くなっていき華憐がせかっくだから連携を極めようってことでBランクの魔物が出てくるようになってから今みたいに連携して戦い始めた。


 そう、Bランクだ。いつの間にかCランクを超えておかしなことになってる。


 そんな四人の様子を遠巻きに見てるのは僕とティエラ。いや、もちろんあの四人に僕たちも戦うって言ったんだよ? けど、


「華憐~! もう大丈夫だから僕たちもそっちで戦ってもいい? そろそろ出番が欲しいんですけど~!」


「んーー? いやいや、蓮くんまだ顔色悪いよ? ここは私たちがやるからさ、もう少しゆっくりしてて、ね?」


「あ、うん。じゃあ、もう少しお言葉に甘えて……」


 ってな感じで諭されるのだ。それに、華憐たちは無茶してるんじゃないかと完全に善意から言ってくれるからなんか動けに動けなくておとなしくしてたら、こうずるずると……。


「おじさ~ん! 次、お願いしま~す!」


「おうっ! じゃあ、次はコイツでどうだ? なかなか一筋縄じゃ行かないぞ」


 ガウルさんももう試験のことなんて忘れてる気がする、絶対戦いを楽しんでるだけだよね、あれ。そんなガウルさんが魔力を込め、魔法陣が輝いて魔物が召喚される。


「?? 初めて見る魔物ね、ルカは知ってる?」


「う、うーん? あれがダークマターか……」


「知らないんですね……」


 なんだか良くわからない、ゴーレムのような派手なオレンジ色の鉱物のような魔物が召喚された。


「流石にこの魔物は天使様でも知らないか? これはある鉱山でたまに出没する魔物、コロッサスだ。防御力が高くて物理攻撃ははとんどきかん、なかなか手ごわいぞ」


 ほえ~、確かにかたそうなお体をしている。


 っと、感心していると、コロッサスは体を発光させはじめる。


「やばっ! みんな気を付けて! そいつ『縮地』ってスキルもってる!」


『鑑定』を使ってコロッサスのステータスを見た華憐が叫んでみんなに注意を促すが少し遅かったようで、


「えっ……」


 気が付けばコロッサスは召喚された場所から姿を消していて、いつの間にか一番近くにいたミーナの目の前までに迫っていた。


「ミーナっ!」「『マジッ……」「避けてっ!」


 それに気が付いたルカとミーナは声を上げ、クルアは魔法を発動しようとしたが間に合いそうもなく、僕も突然のことで咄嗟に体が動くこともなく……あんな硬そうな体が姿が見えなくなるほどの速さで激突されたらミーナの身体は……。


「あんたは硬そうばってん、世界で一番頑丈なんな竜人であるうちばいっ! そして、うちも役に立つったいぃぃぃぃぃーーー!」


 しかし、ミーナに直撃することなく、その直前で僕の隣にいたはずのティエラがいつの間にかミーナの前にいてコロッサスを押しとめていた。


「ティエラさん!? いつの間に!?」


「うぐぐぐぐぐぐ!!」


 大きさが五メートルくらいありそうなコロッサスと、小柄なティエラだと大きな差がありそうだけど、そこは流石世界に誇る伝説の竜人、よくよく見ていると腕は竜化して鱗になっていて苦しそうにしながらもティエラが押し始める。


「はぁっ! 『氷河の季節(グレイシャルエイジ)』!」


 ティエラがコロッサスと組み合ったまま魔法を放つと、ティエラが掴んでいるところからコロッサスが凍っていき、最後にはそのまま氷の塊になってしまった。僕はティエラが魔法を使うの初めて見たけど、流石氷界の竜人。


「ふぅ、大丈夫ですかミーナさん?」


「ティエラさん! ありがとうございます!」


「おおっ! ティエちゃん、ナイスだよ!」


「すごい氷魔法ね、初めて見る魔法だわ」


「ティエラ、少しケガしてるよ。ちょっと待ってね」


 みんなもティエラのところに集まってティエラを褒めてる。一瞬、ミーナがヤバいって思ったけどナイスプレーだったな。肝が冷えたよ。


 さて、ティエラも参戦してたし、そろそろ僕も戦いましょうかね。


「わお、コロッサスを真正面で受け止めて倒すなんてな。竜人っていうのは噂に違わずとんでもないな」


 そう、僕もみんなのところに行こうとすると、召喚の魔道具のところにいたガウルさんもやってきて、心底驚愕したように感心していた。


「お前たちの実力は分かり切ってがここまでとはな、流石だキャンベルが紹介してきたのも分かる。私も満足したしそろそろ戻ろう」


 ん? あれ?


「う~ん、私もたくさん魔物に出会えて満足!」


「私も、自分が強くなったことを実感できて良かったです!」


「ふっ、なかなか楽しませてもらった……」


「ティエラ、さっきの魔法ってどういう魔法なのかしら?」


「はい、あれは私とおじいちゃんが作り出した……」


 ガウルさんに連れて、戻っていく華憐たち。


「…………あれ? 僕の出番どこ行った……?」







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