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20話 野菜だらけの晩御飯

 


 ◇◇レンside◇◇



 僕は今、キッチンにいる。


 一緒にいるのはハルとエルフの料理のできる人たち。ハルは最近料理する時手伝ってくれる、なんか料理を覚えたいんだって、女の子だよね~。それに、華憐さんと違って器用な子だから手伝ってくれて助かってる。


「レン料理長、今日は何を作りますかぁー?」


「ふむ、今日はおにぎりだが米が手にはいった、だから米に合う料理にしようと思う」


 今台所にあるのは、ニギリメシコシヒカリと人参、玉ねぎ、かぼちゃ、キャベツ、ナス、もやし、ニンニク、ピーマン。


 それと、エルフたちが持ってきてくれたオリーブオイルと油。


「さて、まずは煮込むからスープから作ろう、それに今日は二十五人分だから量が多いしねー」


 みんなに人参、玉ねぎ、かぼちゃ、キャベツを細かくして水を入れた大鍋に入れてもらって煮込む。大鍋はエルフたちが持っていた。


 本当は味を濃くするためにコンソメとか入れたいがまだない、いつか必ず作る!


「レン、全部おわったよぉー!」


「おっけー、じゃあ次は庶民の味方、もやし炒めを作ろう、まずはもやしの髭の部分をとってー」


 みんなにもやしの髭を取ってもらっているあいだに僕はニンニクを炒めておく。


「レンーできたよぉー!」


「じゃあキャベツを切ってもやしと一緒に塩ダレで炒めてー」


「はーい!」


 エルフたちにも手伝ってもらって料理は結構な量なのにどんどん進んでいく。


「次はナスとピーマンの味噌炒めを作るよー、とりあえず手順は……」


 僕はもともと家では料理する子だったからそれなりにできるし、<才能>の力のおかげか日本にいたころよりもうまくなっている気がする。


 ナスとピーマンの味噌炒めは

 1、ナスとピーマンをざく切りにする、ナスはアクをとるために十分水つけ。


 2、フライパンで油を熱し野菜を炒める。


 3、野菜から水分が出てきたら味噌を加えて炒める。。


 4、全体に味が馴染むまで炒めたら完成!


 という手順を教えて、みんなで夕飯を作った。


 ちなみに味噌はエルフたちが持っていた、どうも味噌マニアのエルフがいるらしい、味噌エルフと呼ぼう。


「さて、じゃあそろそろ食堂に運ぶかー」


「はーい、コロッケ達も呼んでくるねぇー!」


 ちなみに、キッチンと食堂と食糧倉庫はエレベーターの他に階段で繋がってるから移動が楽だ。いちいちエレベーターのあるとこまでいかなくて済むからね。


 ぞろぞろとみんなで配膳し夕食の時間になる。


 ちなみに、夕食の献立は野菜スープと、塩ダレもやし炒め、ナスとピーマンの味噌炒め。


 なんだか野菜ばっかでダイエットしてる気分………。



 ■■




「はい、じゃあみなさん手を合わせてください」


 配膳を終え、華憐さんがいただきますの音頭をとろうとする。


「じゃあ、みなさんご一緒に、いーたーだーきーます!」


「「「「いただきます?」」」」


「なぁ、カレンねーちゃん、なんでいつもいただきますって言うんだ?」


 この世界の人たちにはいただきますの挨拶がないみたいだ、エルフの人たちも困惑気味。ありがとうとごめんねといただきますがあればこの世は回っていけると思うんだけど。


「えっとねー、いただきますの意味は料理の食材とかの命に感謝を伝えたり作ってくれた人に感謝を伝えたり……」


 華憐さんがコロッケやみんなにいただきますの説明をする、さすが華憐さん、宗教がーとか時代がーとか説明がウ〇キペデ〇ア並、まるで歩くウ〇キペデ〇アだ!


 ん? 実際そんなもんか、でもみんなよく分からないこと言われすぎて困惑気味、僕も途中から何言ってるのかわからない………ん、食べよ


「ん~~、やっぱり野菜はおいしいな!」


「オレは魚の方が好きだけど、このニギリメシコシヒカリはいくらでも食える!」


「ポテトのおにぎりもーらいぃー!」


「あ、お姉ちゃんやめてよぉー……」


「はい!知らない野菜ばっかで美味しいです!!」


「………とまぁ、とにかく感謝しましょうってこと!! って! みんな聞いてないじゃん!!」


 あ、やっと華憐さん帰ってきた、ほんと不器用な子だなぁー。


「ほら華憐さん、エルフ産の味噌おいしいよー」


 僕は華憐さんが拗ねそうだったから構ってあげることにした。


「コロッケくんたちは獣人みたいですけど、なんの獣人なんですか?」


 ミーナはコロッケたりと親交を深めようとしているのか話し声が聞こえてくる。


「ん? 俺たちは獣人じゃないぞ??」


「え? でも、獣耳生えてますよね??」


「私たちは鉄鉱熊だよぉー?」


「いやいや、まさかそんなはずないじゃないですか!」


 なんか、ぶんぶんと首振って「なにを冗談を(笑)」みたいな顔してるけど、


「ん? まじでいや鉄鉱熊だよ??」


 僕はミーナにコロッケたちの生い立ちを説明した。


 鉄鉱熊はかなり危険な部類に入る魔物らしい、僕は動物だと思ってた。だって大人のクマ、僕が殴る蹴る投げるで倒しちゃったし。


 僕が素手で戦って勝ったことを話すとみんなすごく驚いてた、けっこうあっさり勝ったんですけどー。


「ということは、コロッケさんたちは幻獣種なんですね! わぁ、私初めて幻獣種の方を見ました!」


 と、ミーナは目をキラキラさせてる。けど今のセリフの中に僕の知らない単語が……幻獣種って何ぞや?


 知ってるか? って視線を華憐さんに送ると、どうやら<知識>の力を使って知ったようでこくるとうなずいた後に説明してくれた。なんか視線だけで通じる信頼関係っていいよね。


「幻獣種は長い時を生きて、その知能を高め、人の姿になれる魔物のことです。魔物は不思議なことに頭がよくなると脳が発達し進化して人になれるようになるみたいですね」


「ほ~、じゃあコロッケたちって頭いいってこと? でも、僕たちがあったとき子供だったよね? とても長く生きてるようには見えなかったけど?」


 そう疑問に思ってつくまたちに視線を向けると小首をかしげられる。


「そうですよね、私もそれを不思議に思ってるところです」


「レン様たちといると不思議なことがたくさんですね!」


 結局、コロッケたちがなんで幻獣種とやらになったのかはわからずじまい。ちょっと情報が足りないっていうか、なにかを見落としているような気がする。まぁ、特に問題は起こってないし頭の片隅にでも置いておけばいいか。


 それからミーナたちエルフと親睦を深める晩ご飯の時間は終始賑やかに楽しく過ぎていった。


 次はお肉食べたいなぁー。柿ピーで念じて作ったらどうだろう? 子供のころ、豚の生る木って絵本を読んだことあるし案外いい案じゃない?!


 華憐さんに柿ピーで作ろうといったら無言で睨まれた、怖いよ……。




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