表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/236

2話 開拓スタート!!

 


 ◇◇レンside◇◇



「そう言えば自己紹介がまだだった。僕は雨宮蓮、三年のだけど君は?」


「私は塔野華憐(とうのかれん)です。同じく三年です。よろしくお願いします」


 僕達二人はトラックに轢かれて神様に生き返らせてもらった。まさか、本当に異世界に来るとは……。


 森を開拓って言われたんだがまずなにからするべきか……あ、そういえば助けようと思ったのに助けられてないじゃん! あーー、僕ダサい……とりあえず謝っとこ。


「ごめんね、君を助けようと思ったのに結局死なせちゃって」


「あ、いや……私の方こそよそ見してて、蓮くんをまきこむ形になってしまって……」


 僕が謝ると、華憐さんも恐縮するように謝ってきた。いたたまれない……なにか言おう。


「いやー、まぁあんまり気にしないで!! てか、カレンさんっていうのか、俺もレンだから二人でレンレンだね!」


「あははー……そうですね、とりあえずここはどこでしょう? これからどうします?」


 華憐さん、さすがにレンレンは嫌だったかな?


 ていうか、事故の時も神様のとこにいた時も思ってたけどこの子の顔整ってるなー、まだ子供っぽさも残ってるけどそこが可愛いって感じ、まぁ僕と同い年なんだけどね!


「どうするかー、サバイバル生活でまずすること……ん? なんか入ってる?」


 華憐さんに適当に言葉を返しながら制服のポケットに手を入れるとなにやら手紙のようなものが入ってたので取り出してみてみると、神様からの手紙?


「なんですか? それ」


「んー、たぶん神様からの手紙じゃない? んー、なになに……」


 

■■



 雨宮蓮、塔野華憐へ


 今回、この話を受けてくれてありがとうございます!


 最初は色々苦労とかあると思いますが神の使徒として頑張ってください!


 さて、まずは君たちのぐっちゃぐちゃになった身体を直す時、神気を使って直しました。


 つまり、君たちは神の使徒となったわけです、なにか不都合がある訳では無いですけど覚えておいてください。


 次に、塔野華憐の望んだ電子辞書なんですけど、ちょっと私、古いものしか分からなくて、最新のものが出来なかったので変わりに蓮の<才能>の力のように<知識>の力を渡しました。後はその世界には地球にあった作物が無いものがあると思いますので神の種(ザ・シード)を渡しときますね!


 では! がんばってください!!


  神より




■■



 神様、最新の電子機器が分からないのか? 意外とおばあちゃん……ゴホンゴホン、そう言えば神様に才能が欲しいって言ったんだったどうしたら分かるんだろ?


神の種(ザ・シード)とは、どれでしょうか??」


 華憐さんにそう言われてもう片方のポケットをまさぐってみると小さな瓶に十五粒くらいの種が入ってた。


 これって、お酒のお供の代表格、柿ピーじゃね?


「これ、柿ピーだよね?」


「柿ピーですね、大丈夫でしょうか?」


 華憐さんも柿ピーに見えるよう、よかった僕は普通だ。


「まぁー、大丈夫だろう、たぶん」


 と、僕は心の中でこの種を柿ピーと呼ぶことを決めた。


 次は、<才能>と<知識>の力について確認してみよう。


 とりあえず、飛んでみたり頭抱えてみたり走り回ったり逆立ちしたりしてみたけどなにもおきない、よくわからん。


 華憐さんも俺と同じようなことして逆立ちしようとしてスカートめくれそうになって顔を真っ赤にしてる。アホなのかな?


「なにか分かったー?」


「いえ、何もわかりません……」


 ちょっと俯きがちにそう言う華憐さん。こういう知識系って転生系主人公たちだとどんな能力ががあったっけ?


「知識って言ってたし何か考えてみたら色々分かったりするんじゃない? 鑑定スキルみたいな。たとえば、そこら辺の木の名前とか」


「うーん、どうでしょうか……」


 と、華憐さんがなんだか禍々しい木に近づいて目を凝らし始めたので隣に行って僕も同じようにしてみる。


「あ! 見えます! なになに……『地獄の木』??」


 なんか、華憐さんが地獄とかちょっと怖いことを言ってる。どうした?


「蓮くん、なんかこの木の名前何かなー? と、見てみたら視界に名前が出てきました!! この木は地獄の木みたいです!」


「んー、つまり鑑定スキルみたいなものなのかな??」


「たぶん、そういうものだと思います。他にも、この木で作れるものとかがなんとなくですけど分かります」


 やっぱり、そういう鑑定系の能力を持っているのはお約束ってやつだよね!


「ほー、それは便利だねー、じゃあ僕の才能ってなんなのかな?」


「うんー、なんでしょうか?」


「ま、そのうち分かればいいか。とりあえず移動しよ、お互いの事とか話し合いながら」


 すぐに分かるような物じゃなさそうだし、僕の能力については後回しでいいだろう。それより、そろそろ森は飽きてきた。


「そうですね、どっちに行きましょうか? とりあえず、水があるところに行くべきです」


 どっちに行こうかお互いに悩んで、周りを見回してみて、結局決められず、木の棒を立てて決めることにした。


 木の棒が落ちた方にいこう!


 木を立ててー。


 パタンっ。


「向こうに行ってみよう! なんかあるきがする!」


「分かりました! 行ってみましょうか!」


 僕たちはお互いに見合って、頷いてから歩き出した。


 行先決めるの少し適当すぎたかな?



■■



「華憐さんって、ラノベとか読むの??」


 歩き出して二十分くらい、お互いに森の中を歩くのも慣れてきて学校のこととか近況とかお互いのことを話し合っていて、僕は気になっていることを聞いてみた。


 そう、僕は本を読むことが大好きである! 中学生の時など本の伝道者や本の廃人、ブックマスター蓮などなど数々のあだ名をつけられた。


 僕はラノベに限らずミステリー小説や推理小説、ありとあらゆるジャンルの本を読みまくっている。


「はいっ! ラノベというより、アニメや漫画などオタク文化が好きです……やっぱり変ですかね?女の子がこんな趣味……」


「いやー、別にいいんじゃない?? 変な趣味じゃないよ、僕もアニメとか漫画も見てたし」


「本当ですか?? どんなの見てました?! 」


「んー、いろいろだなー、ラノベ原作のだったりがいちばん多いかも」


「私もラノベ原作のアニメ沢山見てます! S〇Oとかエロ〇ンガ先生とか!」


 ラノベの話を振ってから華憐さんはすごく饒舌になって本当にオタク文化が好きなのがとてもよく分かった。


 すごい楽しそうだし、マシンガントークだし、とっても笑顔だし、その笑顔を間近で見せられてちょっとドキっとしたり……。


 そんなこんなお互いの距離がぐっと縮められたかなーって思ってたとき、どこかから水が流れてるような音が聞こえてきた。


「やっぱりSA○はア○ナさんがいちばんいいと思うんですよ! 好きですよねア〇ナさん!? 初恋は実はアス○さんって白状しちゃっていいんですよ?」


「えー、僕はユ○キがいいー、それよりもなんか聞こえない? 水みたいな音」


「ユ○キですか、ア○ナ×ユ○キ!! いいですね〜……ん? ほんとだ、なにか聞こえますね」


「音する方に近づいてみよう!」


 テンションアゲアゲの華憐さんの話でちょっと疲れてきた僕は、音のする方に歩いていくと森が開けて少し広いところが広がっているのが見えた。


 そこには川があって少し上流の方には大きな大きな華厳の滝よりも大きな立派な滝があった。


「うわぁ……すっっごい大きな滝ですね!」


「そーだねー、涼しぃー!」


 華憐さんも感動してるみたいだ。


 まぁ、こんなに大きな滝なら感動もするか。


「疲れてきたし、ちょうどいい感じに開けた場所あるし、ここから開拓始めてみない?」


「そうですね、いいかもしれません! そうしましょう!」


 華憐さんも異論は無いみたい。


 それにしてもおーーきな滝だなー、全長何メートルだろ? 二百メートルくらい? そのうち上にも行ってみたいなー。


 そんな事を滝を見ながら考え、十分くらい休憩して、さぁ! 動こう! と思った時、きゅるきゅるとお腹が鳴る音がした。


 隣を見てみると、顔が赤くなってる華憐さん。どうやらお腹の虫がなったよう。


「す、すみません……お腹すいちゃって……」


「あはは、ずっと歩きっぱなしだったもんねー。僕もお腹がすいたよ。なにか食べ物あるかな?」


「うんー、ここは森ですし木の実くらいあると思いますけど」


「そーだねー、探してみるかー!」


「あ、待ってください!」


「んー? どった?」


「人が生活するには衣食住! 衣は今はなんとかなってます。だから、食べ物と住む場所が必要です! なので、手分けしましょう!」


 華憐さんがそんな提案をしてきた。サバイバル生活でもしたことがあるのかな? まぁ、特に異論はない。


「おっけー、じゃあ分担どーする?」


「では、私は食べ物を探してくるので、蓮くんは住む場所をお願いします!」


「わかったー! じゃあ、食べ物よろしくね!」


「はいっ! 任せてください!」


 こうして僕は家を作ることになった。



■■




「家って言ってもなー、まずなにからしようか」


 華憐さんが森に入ってから数分、僕は悩んでいた。なんせ、家など作ったことは無い。


 DIYもやったことがないし、そういうことをちゃんと習ったのは小学校の図工の授業の時くらいだし。


 今思えば、こんなノコギリもろくに扱えないかもしれないへっぽこに開拓などできるのだろうか?


 不安になってきた……。


「よしっ! とりあえず、まずはどれくらいの大きさにするか決めるかー」


 建てる範囲から決めることにする。


 まずは、森の中で木の棒を探す。


「これでいっかー」


 適当な長さの木の棒を見つけたので次は場所、滝の正面にすることにする。


 滝をバックに地面に落書きのごとく間取りを描いていく。


 正直、美術とか苦手だったからこういうの全くもってできるとは思えないけど。


 ーー買い物しようと街までっ♪ でーかーけたーらー♪ーー


 ちょっと、気分が乗ってきたので歌いながら描いてみる。





 描いてみる……。





 描いてみる……。







「よしっ!! できたー!!! ……………あれ?」


 蓮は書いてる時は全く気づかなかった、自分が何を書いていたのか……そして、描き終わって全貌をみて、膝から崩れ落ちた。


「うぅっ……!」


 蓮は涙を流す。悔し涙……否! 嬉し涙を流している。


 何を見て感動したのか、それは蓮の書いた間取り図てある。


 なんとこの間取り図、某日曜夕方アニメの顔、サザ〇さんの磯野家の間取り図だった!!!


 あの、長い長い廊下と、縁側。


 大きな大きなキッチン。


 和室にあたるところからはいまにも『ばっかもーーーーーん!!!!』と、聞こえてきそうなリアルさ


 蓮はもちろん芸術の才などない。


 芸術的センスなど皆無だ、人間を書いても何を書いたのかわからないくらい。


 つまり、これは<才能>の力のおかげである。


「ふー、これが才能のなせる技か。全く、自分の才能に惚れちまうぜっ(キラッ☆)」


 調子に乗って少しウザくなった。


「でも、こんな大きなの一人では無理だし、とりあえず、リビングのとこだけにするかー、次やることは壁と屋根だなー。ん? 壁と屋根ってことは木を使うよね? どうしよう」


 僕は木を切ることにした、けどどうやって切るか悩み中。


 こんなことなら華憐さんに斧の作り方教われば良かった。


「んー、なぐって折れるかな? でも、立派な木だしなー殴ったら痛そう……よし! 別のにしよう!」


 木以外で使えそうなものはー、んーーー、粘土とかどうだろ? やってみるかー。


 僕は川に近寄って中の泥を取ってみる。


 泥はいい感じのやわらかさで、幼稚園の時の紙粘土みたいだった。


 ちょうどいい感じだったからこれを持って間取り図のリビング辺りに積み重ねていく。


「うん! これくらいあればいいかな!」


 三十分くらい粘土を運んだので、それを重ねて束ねて伸ばして叩いて、ペったんぺたぺた、ドームみたく固めていく、さっきは変なこと考えて描いてたので今度は無心でぺたぺたしていく。




 ぺたぺた………。




 ぺたぺた…………。





 一時間くらいたったころ、立派な立派なお豆腐型のかまくらみたいのができた。


「よーし、これなら問題なし! 何も無いのは味気ないから壁になんか描いとこっと」


 僕はもう一度木の棒を手に取り、絵を描き始めた。さっきS〇Oの話してたし、あの二人を書いておこっと。


 二十分後、今にも動き出しそうなア〇ナとキ〇トが描かれていた。


「よっしっ!! 完成!!」


 僕は手を腰に当て満足気に胸を張り自慢気になっていた時。




「きゃああああああああ!!!」



 悲鳴と何か大きな足音が近づいてきた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
https://ncode.syosetu.com/n3707gq/『父さんが再婚して連れてきたのは吸血鬼な義妹でした』
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ