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175話 氷界の竜人 (コタツがあればそこにみんな集まるのは道理)

 


 ◇◇レンside◇◇



 まぁ、結果から言えば今の僕にコタツを作るなんてことは目を瞑っててもできるくらい簡単なことだ。


 なんせ、設計図をパパっと書いて、材料を並べて魔法を使うだけなんだから。


 ちなみに材料はちゃぶ台はそこら辺にある木材、布団は余ってたお鶴さんに貰った布、最後にレオの発熱する鱗を貰って完成した。


「ふむ〜、レン! コタツとはとてもいいものだな!」


「………ん、ぬくぬくさいこ〜(´꒳`)」


「そうだろうそうだろう! 僕ももっと早く作っておけばと反省してるよ」


 作ったコタツは僕の部屋のリビングのとこに和室スペースを作ってそこに置いてある。


 今はレオとエリュと寒がり三人組でぬくぬく真っ只中だ。


「あ、そうだ。もう一つ暖房グッズを作ったんだった」


 僕はもう一つ、裁縫の才能をフル活用してヒートテックが出来るまでエリュが頭に被ってた前に使ってた布団とか、既に使わなくなった布団を集めてきて羽織、いわゆるちゃんちゃんこを作ったんだった。


「ほい、これね。コタツと合わせて羽織れば冬は最強になれるよ」


 エリュには全体的に黄色でデフォルメされた剣の模様のやつでレオには赤と黒色のストライプの模様のやつだ。


「………ん、これは?」


「これはちゃんちゃんこって言って、こうやって羽織って使う冬用の部屋着みたいなもの」


 自分用に創った紺色っぽいちょっと古臭い感じのちゃんちゃんこを羽織って見せる。まぁ、僕の価値観だけどちゃんちゃんこってなんだか古臭い感じの方が温かみがありそうでいいよね! なんか、おばあちゃん家に帰ってきたみたいなほっこりする感じ。


「おぉ! これはまた一段と暖かくなったな!」


「………ん、もはや冬なんて怖くない!」


 うんうん、二人もこの完璧コンボに満足してくれたみたいで僕も嬉しいよ。それに二人ともなんだか道に入ってるみたいに似合ってる。


「んーと、あとコタツムリになるために必要な物は…………あっ、みかんを忘れてたよ」


 本当は鍋とか食べたいとこだけど、それは今日の夜ご飯にでもしようかな。それにコタツでまったりといえばみかんは必要不可欠だ!


「でも、既に入ってしまったコタツを出るのは……」


 コタツあるあるだよね、一回入ったらなかなか出たく無くなるやつ。それに、みかんを取りに行くには一度あの寒い廊下を歩いて食料庫まで行かねばならぬ。


「そんなの絶対に耐えられるはずがない! ってことで、コール華憐!」


 プルプルプルプル……プルプルプルプル……ガチャ!


「あ、華憐? 僕の部屋にみかん持ってきて……うん、カゴ一杯分くらい……うん、よろしく〜」


 よし、これで少し待ってればみかんが配達されてくるね。あとは本を読んだりテレビを見たりしてゴロゴロ過ごすのが僕の冬の日課だけど、そんな娯楽は無いし華憐が来るまでまったりしてよう。



 ■■



 そんな訳で数分して華憐がみかんのカゴを手にやってきた。


「蓮くーん、みかん持ってきたよーって……コタツだぁー!」


「お、華憐ありがと。華憐もどうぞどうぞ〜入って入って!」


「お邪魔しまーす! えへへ、あったかい、日本の冬を思い出すな〜」


 と、そんな感じで華憐もコタツに入ってくる。


「また何か変なものを作ったのかしら?」


「否定。クルア、これは変なものじゃなくてコタツ。暖まるもの」


「お姉ちゃん、その服どうしたの? なんだかすごく似合ってるけど」


 そして、華憐と一緒に行動を共にしてたのなクルア、アルカ、レアも僕の部屋に来た。アルカは華憐に神気を分けてもらってるからかな? コタツの存在を知ってたみたい。


「三人も入りな! そこに立ってたら寒いでしょ。エリュは僕の隣においで」


「………ん、分かった」


「暖まる〜、蓮くんいつの間にコタツなんて作ったの? それに、三人はちゃんちゃんこまで着てるし」


「今日は外出れなくてトンネル掘り出来なくなったから時間ができたからさっき作ってみてみたんだよ」


「へぇ〜、それにしてもあったかい。このままゲームとか漫画とか読んでゴロゴロしたいな〜」


「確かにあったかいわね。冬にはうってつけの魔道具ね」


「レン様、お姉ちゃんのためにありがとうございます」


「至福。アルカはコタツの虜になりそう」


 うん、三人とも気に入ってくれたようで何よりだね。それに、コタツを少し大きめにしておいてよかった。普通の家庭用のだと今の人数じゃ入らないし、こうやって人が来ることを予測して予め大きく作っておいて大正解。


「蓮くん! せっかくこうやって集まったんだしパーティーゲームしようよ! 前作ってたよね? トランプとかUNOとか」


 あー、確かに作ったな。随分前だけどカードにするのは難しいからって木をうすーくしてカードみたいにしたやつで。


「いいよ。ただ、そのトランプがあるのは僕の寝室の方なんだよね」


「………ってことは」


「そう、誰かがコタツを出て取りに行かねばならない」


「ということは、誰かが犠牲にならねばならない……と?」


「いかにも。さぁ、皆右手を出すのだ!」


「あの、私が取りに行きましょうか?」


「ダメだよ! レアさん! こういうのは公平なのが大事なの! それじゃあ、みんな右手出したね? いくよ?」


「「「「「「最初はグー! じゃんけんポン!」」」」」」


 グー。グー。グー。グー。グー。チョキ。


「なっ、僕が負けるなんて……。しかも僕だけチョキ? まさかお前ら、口裏を合わせたな!」


「ハッ! 蓮くん、そんなわけないでしょう? 自分の不運さを呪いなさい。さぁ、早く取ってくるのだ敗北者よ」


 くっ、しょうがない。負けは負けだし、まぁそれにトランプとかどこにあのかわかるの僕だし、僕が行った方が早いんだけどね。


 しかし、しかしだ。やっぱり、コタツ出るの嫌だな……。


 まぁ、そんなこと言ってても何も始まらないから渋々と取りに行くことにした。これも敗者の務めだ。


「えーっと、確かトランプ……トランプはー……ん?」


 寝室に入ろうとドアに手をかけた時、中からなにか音が聞こえてきたような気がした。


「ルカさん、ここはここからこう入ればバレることはないと思うんです」


「けれど、ここでシュッとしてスパーン! と、いけばカッコよく入れると思う」


 いや、気の所為じゃない。僕の知らないうちに僕の寝室に侵入してきた輩がいるよようだ。


 僕はバンッ! っと勢いよくドアを開ける。


「手を挙げてその場に止まれっ!」


「レ、レン様っ?!」「何っ?! バレたのか!」


 何を隠そう、僕の寝室にいたのは現在侵入回数トップのミーナとルカがいた。そして、二人の真上にはちょうと人が一人通れそうな穴が。


「二人はいったいそこで何をしてるのかね、ううん?」


「えーっと、ですね……なんていうか」


「あーっと、そうそう、ミーナと侵入者ごっこしてたんだよ!」


「あっ! そうそう、そうなんです! それで城の侵入できそうな所を捜索してたらここに出てきまして……」


 二人は冷や汗を流しながらそんな言い訳にもならないような言い訳を言う。


 そうか、侵入者ごっこか。なら僕の寝室に出てきても仕方ないな……。


「って、そんなんで納得するかー! とにかく、その穴は埋めるからね! はい! 二人とも出る!」


「そ、そんな……また掘り直しですか……」


「ミーナ、次はもっとバレないところにしよう」


「またも次も無いよ! 起きる時にいつの間にか寝室に入られてるのってなかなかホラーだからね?!」


 そんなわけで、僕の寝室で悪さをしてた二人を捕まえて、トランプも確保してリビングに戻ることにした。


「あれ? 二人もいたんだね」


「でも、レンに見つかったみたいね。穴もバレてしまったのかしら?」


「はい、バレてしまいました……」


「無念……」


「お前らなー、いい加減にしないと僕もみんなの寝室に夜中に侵入するからな?」


 ちゃんと、寝る前とかに寝室のどこかに抜け穴とかが無いか確認してるのに朝になったら誰かしらが起こしに来るんだから。さっきの天井のは全く気がついてなかったし、もしかしたらまだあるかもな。


「んー、蓮くんとは最初の頃にかまくらで一緒に寝たしなー」


「え?! そうなんですか?! あ、私は大歓迎ですよ!」


「私は夜の眷属だし、夜はあんまり寝てないから話し相手とかになってあげるわ」


「毎日ぐっすり寝てるからレンが来ても分からない気がする」


 はぁー……それでいいのか君たちは。まぁ、みんなに好意を寄せてもらってるのは分かるけど、そういうのは礼儀としてね? よくないと思うんだ。


「冗談だからね? 真に受けないように! とりあえず、ミーナとルカもコタツに入りなよ」


「そういえば皆さんこの中に入ってますね、これはなんですか?」


「おぉ! あったかい! 今日みたいな寒い日にはいいね」


「あっ、ルカさんがそこに入るとちょうど二、二、二、二でピッタリですね……それじゃあ、私はレン様のお隣、失礼しますね!」


 えっ? ここに入るの? まぁ、詰めれば入らなくはないだろうけど……。


「「「むぅ……」」」


 僕にピッタリと寄り添うように入ってくるミーナ。どこか他の三人の視線が痛いんだけど……。


 うーん、それにしてもいくら大きく作ったとはいえこんなにたくさんの人が入るとさすがに狭く感じるな。


 まぁ、みんな大好きコタツだもんね、仕方がないか。





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