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15話 石鹸と繊維

 


◇◇カレンside◇◇



 家に戻ってきて、鶴のためにじゃがいもを蒸しています、鶴はなんでも食べるみたいなので大丈夫でしょう、コロッケは川に魚を取りに行きました。


「キョロー……」


「ちょっと待ってね、もう少しでできるから」


「カレン姉ちゃーん、魚とってきたぞ!」


「ありがとう、焼きたいから鉄板においといて」


 じゃがいもに箸を刺してみていい感じになったのでお魚を入れたお皿に添える、お魚も直火でぱちぱちと焼く、最後に塩をふりかけて、完成!


「はい、たーんとお食べ!」


「キョロキョロー……」


「大丈夫よ、気にしないで」


 鶴はくちばしを器用に使いながら啄むようにお魚を食べ始める。


「ほんとにお腹すいてたんだねー、お名前どうしようかな……うーん……キョロちゃん……お鶴ちゃん………うん! お鶴にしよう!美人っぽそう!!」


 華憐 命名 お鶴

 うん! いい感じ!


「おいしい??」


「キョロ! キョロ!」


「お礼なんて大丈夫だよ、気にしないで!!」


 お礼したいです! なんて律儀な鶴ですね、というか鶴ってキョロキョロって鳴くんですね、はじめて知りました。


 さて、お鶴ちゃんも大丈夫そうですし、私も自分の仕事をしますか。


 とりあえず、下に置いてきちゃったムクロジをとりにいこう。


 あ、ついでに蓮くんに蒸したじゃがいも持ってってあげよ。


 ムクロジを取りに行くついでに蓮くんを見てみると、いつの間にかいなくなってたコロッケを含めて4人で鍬を振ってました。


 なんだかみんな兄弟みたい。


「蓮くーーん!! みんなーー!! じゃがいも持ってきたよー!!」


「「「「はーーーい!!!」」」」


 本当に兄弟みたいです!


「華憐さん鶴拾ったんだって??」


「はい、助けを求めてたのでご飯あげました」


「なるほどー、恩返ししてくれるかな??」


「してくれるとしても、私にですよー」


「お情けくれるかもじゃんかー」


「ねぇねぇ、鶴ってどんなのぉー?」


「んー? じゃあハルは後で会ってきなー」


「そうするぅー!」


 それから、ハルちゃんを連れてムクロジをもってお鶴ちゃんのとこに戻ってきた。


 お鶴ちゃんは魚とじゃがいもを食べ終わってて、安心したのか眠っていた


「鶴寝てるぅー?」


「寝てるね、つかれたんだよきっと、そっとしといてあげましょ」


「はーい」


 今からやることはちょっと音が出るからハルちゃんを連れてキッチンにきた。


 まずは、カラムシから繊維を取り出そう。


「ハルちゃん、手伝ってくれる??」


「いいよぉー、何すればいいのぉ??」


「えっと、カラムシの皮を剥いで、この部分がいらないところだからこの部分をとってこの木のボウルに入れといて」


「わかったぁー!まかせて!」


 カラムシはまず皮を剥く、次に皮の不要な部分をとって細かく砕く、それを乾燥させたら茹でる。


 カラムシのことはハルちゃんに任せて私はムクロジの作業をすることにする。


 ムクロジは鍋で弱火で20分茹でる、そうするとムクロジ液が出てくるから蓮くんが作った木のビンに詰める、それが石鹸になる。


 それから私は大量にあるムクロジを茹で始めた。



■■



「ふぇっふぇっふぇっ、よーーく煮えてきたねぇ…」


「カレン、なにいってるのぉー??」


「……はっ!! なんでもないよ!!ハルちゃん!!」


 私は茹でても茹でても茹で終わらないムクロジに呪われそうだったみたい、魔女みたいになってました。


 というか、今全部茹でなくても良かったじゃないですか!


「そう?? 全部剥き終わったよぉ!!」


「わかった、今そっち行くね」


 石鹸の瓶は50本くらい出来てたからよしとします。


「次はなにするのぉー??」


「次はね、剥いたカラムシを臼に入れて槌で砕くよ」


 ハルちゃんに槌を持たせて、カラムシを砕いてもらう、何回か叩くと繊維が砕けてきたから取り出してお天道様の元に乾燥させる。


 全部のカラムシを砕く頃には最初に乾かしてたやつはもう乾燥していてしっかりと繊維になっていた。


「やっとできたーー、ただこっから編むの大変だーー」


「これがカレンがほしかったものぉー? なんかまずそう!」


「食べ物じゃないよ、これで布をつくるの」


「へぇー、すごいねぇー」


「お鶴ちゃんの様子を見たら蓮くんのとこに行ってみよっか」


「わかったぁー!」



■■




 蓮くんのところにいくと、更地になってた場所が全部畑になってました。


 ほんとうに仕事が早いです。


「蓮くん、畑はできましたか??」


「あ、華憐さん、できたよー! あの辺に果物の柿ピー植えて、あの水田のところに穀物の柿ピー植えたよー」


「私は石鹸作れましたよ! あとは、繊維もできたので布が編めます!」


「おおー! さすが! 鶴はどうしたの??」


「お鶴ちゃんは寝てました」


「お鶴ちゃん?? 名前?」


「はい! 綺麗な鶴だったので美人そうな名前です!」


「な、なるほどー」


「そろそろ、日も沈みますし、お風呂に入ってご飯にしましょ! 」


 私たちは家に帰ります。


 明日はのびのびダンスするんでしょうか?? お米が恋しいです……




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