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145話 レンがいない一ヶ月 (お土産準備)

 


 ◇◇カレンside◇◇




「えーっと、必要なものはー……」


 アーゼさんとの話し合いも終わって、妖精族のもとに向かうための準備をすることにした。


 準備するにあたって、私が持ってるバックと言えばこの世界に来る直前に持っていた学校指定のスクールバッグだけだったから、蓮くんの部屋に行ってスポーツバックを拝借してきた。


 そこに、お泊まりで必要なものを詰めてく。


「服は一週間分くらいあればいいかな?」


 今思うと、お鶴さんに本当に感謝しないといけないね。最初の頃は制服一着しかなくて着るものが無さすぎて困ってたのに、今では選ぶくらいに増えて贅沢してるもん。


 それに、今回この辺り中の魔物をかき集めることになったからこれからも服を作ってもらうことになるし、お鶴さん達だけじゃ服飾関係が間に合わなくなるかも。


 そう考えると、お鶴さんたちの負担を減らすためにもそろそろあの魔物を探すことも考え頃かもしれないかな? 蓮くんは絶対やだって言うかもしれないけど。


 今回、妖精族の元に向かうことに私は結構テンションが上がってるの。一応、これからのエリュシオンにとって大事な事だとは思うんだけど、それでもやっぱり友達と一緒にキャンプに行くって感じがして楽しみ。


「ねぇー、アルカちゃん。トランプとUNOだったらどっちやりたい?」


「疑問。そんなもの必要なの?」


「いるよ! もしかしたらテントの中でやるかもしれないじゃん!」


「困惑。私はいらないと思うけど」


「もぉー、もっと楽しまないと人生損しちゃうよ!」


 とりあえず、両方持っていくことにしようかな。


 服、下着、タオル、化粧ポーチ、歯磨きセット、遊ぶ物、などなどを入れて自分の荷造りは完了っ!


「次は、妖精族へのお土産っていうか見てもらうものを決めようかな。アルカちゃん、蓮くんの工房に行くよ」


 アルカちゃんに声をかけて蓮くんの工房に向かう。


 妖精族は魔道具作りが得意だから、きっと見た事のない魔道具があれば興味を持ってもらえるはず。そして、エリュシオンで魔道具が作れるのは蓮くんだけで、蓮くんが作った魔道具なら妖精族が好きな未知の魔道具があるかもしれない。


 ということでやってきた蓮くんの工房なんだけど、


「うわぁ、知らない間に色々なものが増えてるね」


「悲惨。この状況をルンが見ればすごく怒る」


 確かに、蓮くんの工房に久しぶりに入ったけど、前に来た時よりも物が沢山あって結構散らかってたりする。綺麗好きのルンちゃんが見たら、額に青筋を浮かべながら全部吸収しちゃうかも。


「とりあえず、少し片付けずつ面白そうなものがあったら持ってくことにしよっか」


「賛成。端っこの棚から片付けてく」


 アルカちゃんはそう言って、トコトコと床にあるものを踏まないように一番奥の棚まで行く。


 さて、それじゃあ私はどこから見ていこうかな。


 改めて蓮くんの工房を眺めてみる。すると、端っこの方に色々な色の正方形の箱が置いてあった。


「なんだろう? これ?」


 とりあえず手に持ってみる。意外と軽くて手のひらサイズだから持ちやすい。そして、開けられるようになっていた。


 しかし、蓋の部分に『開けるな! キケン!』って、書かれてる。


「むむ、こういうのは気になっちゃうのが私っていう人間だよね」


 蓮くんの秘密の何かが隠されてるのかな? 開けていいかな? いいよね?


「いいともっ!」


 衝動的にパカッと蓋を開けてしまう。


 すると、箱からボワッと白い煙が立ち込めた。


「ゴホッゴホッゴホッゴホッ」


 一瞬、服を剥ぎ取られたような気がしたけど、思いっきり煙を吸い込んでしまってむせ返る。


「驚愕。カレン、無事?!」


「ゴホッゴホッ……大丈夫だよ! なんだったのこれ?」


 やっと煙が晴れてきて視界が良くなった。


 すると、ポカーンとしてるアルカちゃんの姿が見える。


「どうしたの? アルカちゃん」


「へ、変態! カレン、なんて格好を……」


 アルカちゃんに声をかけたらいきなり変態扱いされた。


 この前ミーナたちと話してた時にもむっつりだとかなんとか言われたけど、私は黒髪の正統派清楚ヒロインだよ? そんなむっつりな訳……って、そういえばなんだか肌寒いような?


 すぅーっと吹いてくる風に体がブルりと震えて、思わず方を抱えるけれど、そこに布地がなかった。


「え? 何この格好……」


 寒い寒いと思ったら、私はメイド服を着ていた。


 ただし、ただのメイド服じゃなくて、肩は出ていて胸元ははだけてやけに強調されてるしスカートはその役目を果たせてない、多分丸見えでなんともえっちぃなメイド服。


「戦慄。カレンはやっぱりそういう……」


「違う! 違うからね!」


 アルカちゃんはワナワナとショックを受けたみたいに震えてる。


 こうなった原因は………あの箱しか考えられない!


 私は箱が置いてあった場所を素早く見直すと、私が持った箱の下には紙が挟まってた。どうやら説明書のようでその紙には、


『お着替えBOX

 これを開ければ、魔法が発動してその箱に納めた服装に瞬時に着替えられる箱。服を元に戻したい時は再び魔力を込めて蓋を開ける。納めた服は右からメイド服、バニーガール、サトシの格好』


 と、書かれていた。


 そういえば、いつかの日、蓮くんが魔法でサトシの格好になって私の部屋にやってきた時があったっけ? あの時の魔法を使った魔道具みたい。


「と、そんなことよりもいつまでもこんな格好してられない! 恥ずいっ!」


 確か、元の服装に戻るにはもう一回箱に魔力を込めて………。


 パリンッ!


「あ……」


 私がお着替えBOXに魔力を込めた瞬間、お着替えBOXは音を立てて割れた。


 そ、そういえば、私は魔力制御が壊滅的に下手くそだから絶対に魔道具に魔力を込めるな! って、言われたっけ……。


 そしてもちろん、魔道具が壊れたためにお着替えBOXに入ってる私の元の服装も出てくることはない。


 しょうがない、私はやむなくバニーガール……は、またえっちそうだから、サトシの格好のお着替えBOXを開けてそれに着替えることにした。


「ふぅ……蓮くんが起きたら元の服を返してもらわなきゃ」


 というか、あんなえっちなメイド服をなんで持ってるんだろう? お鶴さんに作ってもらった? それにしても蓮くんの趣味ってあんな感じなのかな、あの格好で甲斐甲斐しくあんなことやこんなことのお世話をしてもらいたいとか……これは、思わぬ真実を手に入れたもしれない。


 それから、ワナワナしてたアルカちゃんに今のは事故で私がいかに清楚で純粋なのかを伝えて、サトシの格好で魔道具探しを再開する。


 お着替えBOXはバニーガールのやつを一応、持っていくことにした。蓮くんが作った魔法の魔道具だしもしかしたら興味を持ってくれるかも知れないじゃん?


「発見。カレン、これは?」


 再び二手に別れて調べてると今度はアルカちゃんが何かを見つけたみたい。


「へぇ……これは、なかなか……」


 アルカちゃんが見ていたのは、なかなかサバイバル精神をくすぐる棚だった。


「興奮。なんだか、ここにあるものは心が踊る」


 アルカちゃんは手にトランシーバーと思われるものを持って目をキラキラさせてる。


 分かる。分かるよ、アルカちゃん。私もこういうサバイバル系のもの好きだから! というか、サバイバルゲームをやりびたってた人間だし。


 それに、アルカちゃんの格好は可愛い軍服みたいだからトランシーバーを持ってるのはなかなか似合ってる。


「アルカちゃん、それ腰のところにかけておきな。そしたら、軍人の指揮官みたいでかっこいいよ!」


 トランシーバー以外にも、スタンガンとか迷彩柄の電波腕時計とかが置いてある。


 たぶん、あれだと思う。蓮くんの義手を作ったときに『科学の結晶(スマートフォン)』って魔法を作ってたやつの副産物。


 液晶が作れなくてスマホはできなかったって言ってたし。バラバラにした機能なら個別で魔道具に出来たんだと思う。


 とりあえず、ここら辺のやつも蓮くんのオリジナルなものだし持っていこう!


 それから、しばらく他の魔道具も選別して荷物に入れて、妖精族に見てもらう魔道具を選び終わった。







昨日評価ポイント入れてくれた方、ありがとうございます! ありがとうございます!! すっごい嬉しかったです。嬉しすぎて3話分くらい書いちゃったくらい。


これからもよろしくお願いします!

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