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117話 シロ様の悩みとおかえりお鶴さん

 


 お城は着々と建設が進んでる。


 お城の図形などはエルフの人にアーゼさんも認める建築士の人がいて、その人に全てを任せてる。


 そのエルフさんの名前はセーヤさん。


 僕がセーヤさんを見た時に才能の蕾が見えたため『開花』した結果、もともと建築士として頭角を生やしていたトーヤさんは建築設計の才能に目覚めて、さらに凄腕の建築士となった。


 僕が『開花』させたんだ、凄まじい城になることは確定だね!


 レアとレオは僕に謝罪するためにここに来てもらったから、城作りを手伝ってもらうことを謝罪として受け取ることにした。


 資材運びとか高いところの作業とかで大助かりだ!


 住居区画のほうは迎賓区画もだけど、まずは下水道を作るところから始めてる。


 汚い城下町なんて嫌だからね! かなり力を入れてる。


 ちなみに素材とかは、そこら辺にある木だったり、ハルツァナ王国の城跡からとかから集めてきてる。


 それと、魔法の力はやっぱり偉大だ、日本の大型クレーン車とかの比じゃないよ!


 日本でも科学者の人とかが少し全力で魔力とか探せばいいのになー。


 さて、今日は珍しくシロ様が僕に相談したいことがあるという。


 なにやら、僕にしか解決できないような相談とか。


 それで今、シロ様と青い空広がる芝生の上できもちい風に吹かれながら、城の工事音をBGMに寝転がってる。


「それでシロ様、相談ってなんだ? 」


「うむ、その……私の知人の話なのだが……」


 うん? 知人の相談を僕にするのか? よーわからんな。


 あ、それとももしかして自分の話だよっていう隠喩??


「その知人には、視界に入るとつい目で追ってしまったり、抱きしめたくて仕方なくなったりする特定の人がいるんだ」


 んーと、つまり恋してるってこと??


 シロ様って、そんなにピュアだったの?! いがいだ……


「それで、この気持ちをどうにかしたいのだが、どうすればいいだろうか?」


 あれ? もしかして恋だって気づいてない?


「シロ様、まずその気持ちがなんなのかわかってる?」


「ふむ、なにかの病気だろうか?」


「そうそうそう、恋煩いっていうからね」


「恋? 恋とは私がお米に対する思いとおなじようなものだろうか?」


 シロ様、もう知人の話設定忘れてるよね? まぁいっか。


 んまー、確かにシロ様のお米に対する思いは病気的なところがあるけどなー。


「んー、まぁ似たようなところもあるけれど、つまりその相手のことが好きで好きでたまらないってことだよ」


「ふむ、好きか、確かに私がお米を研ぐように愛おしく感じることもあるな」


 おおぅ、お米研ぎに愛おしさを感じるのか、やはり病気だ。


「まぁ、それでその気持ちを解決するには二つの方法がある」


 僕は空に向かってピースをする。


「ほう、それはどのような?」


「白か黒かだ、一つ目、これは成功するかもしれないし失敗するかもしれないが、その気持ちを素直に相手に伝えてお互いに同じ気持ちになり愛し合うことだ」


「ふむ、それで二つ目は?」


「二つ目は、その気持ちに蓋をして、収まるのをゆっくりと待つことだ、ただしこれは生半可なことでは出来ない、だからほとんどの人は一つ目の方法を選ぶな」


 まぁ、玉砕しても諦めない人とかもいるけどね、特に僕の周りとか。


「ううむ、なるほど……楽だがリスクがあるのが一つ目で苦しいのが二つ目ということか、新しい炊き込みご飯を作るのと真冬の水で米を研ぐような感じと言うわけだな」


 うーーむ、お米例えはわからんけど、そんなかんじかな?


「一つ目のリスクっていうのは拒否されることだよ、もし一つ目を選ぶなら振られないように創意工夫をすることが大切かなー、好感度上げとくとか」


「ふむ、なるほど……して、それは以下のようにするのだ?」


 あれ? そこまで僕に聞いてくるの? まじかい、上手くいかなくても責任とらないからね?


 まぁ、それでもいいなら任せなさい、この恋愛マスター蓮に!


「ちなみに、その特定の人って誰なのか教えてくれる?」


「いいだろう、レンならば言いふらしたりはしないだろうからな………その、カレールのことだ……」


 わぁお、シロ様はカレールのことが好きなのか……確かに、カレーパーティーをした日からチラチラとカレールのことを見ていたような気もするな。


 カレールはシロ様と同じで、カレーのルーの木のところにいつの間にかいた赤髪でボンッキュッボンな褐色肌の謎の人だ。


 実はアーゼさんもよくチラチラと見てる時があるのを俺は知ってる。


 まぁ、その度にルーナさんにどつかれてるけど。


 うちのカレーのルーの木に惚れてここに住み着いた。


「うーーん、カレールか、彼女の好感度上げるならカレーを褒めてあげることだなー、というかカレール、前にシロ様のご飯すごくカレーに合うって言って褒めてたよ」


 カレールはカレー作りの天才で、スパイスのところから細部にこだわって作ってるから隠し味を当ててあげたりするとすごく嬉しそうになる。


「そ、そうなのか?! 私の炊いたニギハヤミが……そうか、彼女のカレーはいつも褒めているぞ! 美味しいからな! 元気が出るまじないがかかっている!」


 そうかー、まぁシロ様、2日に1回くらいカレー食べてるからね、そりゃ褒めるか。


「それなら、常にカレールのそばにいるのがいいよ、話しかけてたりして接点を作るんだ、それで相手にも自分を意識してもらう」


 まぁ、これは僕の体験談だ。


 ゆいりとはずっと一緒にいたから、いつの間にかそれが普通になっていない時が逆におかしくなってくるから。


「なるほど、つまり相手にも自分と同じ気持ちを芽生えさせれば良いのか! して、気持ちはいつ伝えれば良いのだ?」


「んー、そうだなー……まず、焦りは禁物だよー、いきなり言ったって困惑させちゃうだけだからね! だから頃合を見るのが大切だよ、時期を見計らうんだ」


「ふむ、気長に待つことが大切ということか、それならば得意だぞ、お米が炊きあがるのを待っているのは特別な時間だからな!」


 んー、好きな人をお米に例えるのはどうなのだろう? 最後には食べるって言うことかな?


「まぁ、そういうことかな? 今やらなければ行けないことは彼女とたくさんの接点を持ち同じ時を過ごして、それを日常化することだなー」


「なるほど! さすがはレンだ! 知人にはそのように伝えておこう! では、私は早速その任務を果たしてくるとしよう、感謝する」


 そう言ってシロ様は立ち上がって巨木な我が家に戻って行った。


 というか、知人の話設定まだ続いてたのね、あんまり隠す気無かったような……シロ様って例え話苦手なのかな?


「ふぅ……なんだか嬉しいなぁ……」


 そう、前にもこんな感じにコロッケと寝転がって、悩みを聞いてもらった気がする。


 確かその時の悩みは、同世代の男友達が欲しいって悩みだったなー。


 今じゃ、人数も増えて同世代の同性も増えたからいつの間にかその悩みは解消されてた。


 シロ様に恋愛相談されるくらいだからね!


 なんとなーく、ぼんやりと雲ひとつない青い空を見ていると空に黒い五つの影、多分鳥が視界を通り過ぎてく。


「なんか、前もこんな感じだったなー、あの時は確かお鶴さんが来て……えっ!?」


 のんびりとその影を追ってると、その後ろから大量の鳥の群れが先頭にいた五つの影を追って飛んで行った。


 その姿はいつか見たムクドリの群れみたいで、でもムクドリよりも大きいから迫力がある。


 それらは全て、巨木な我が家の方向に飛んでいった。


「そういえば、お鶴さんは古い友人を連れてくるって言ってたっけ? もしかしてさっきのが……??」


 いや、さすがに多すぎん?


 そう思った僕はちょっと心配になったから、巨木な我が家に戻ることにした。





 ………………………………………………………………





 巨木な我が家に戻ると、そこは、


「わぁお……」


 鳥の楽園と化してた。


 やっぱりさっきの鳥の群れはお鶴さんの古い友人みたいだ。


 あれは……鷹かな? あとは、クジャク? それとコンドルだろうな、多分、あと折り鶴も4匹いるな。


 そんな感じの猛禽類多めの鳥たちはみんな赤とか黄色とか色とりどりだ。


「ああ、レン様、ここにいたでありんすか、ただいま戻ったでありんす」


 てくてくと黒い折り鶴が近づいてきたら擬人化してお鶴さんになった。


「おかえりなさい、これがお鶴さんの古い友人ですか?」


「はい、まぁ私の友人はこの中の三匹ですが、そのもの達の家族や仲間だと思うでありんす、話を持ちかけたら是非に仲間たちとということでこのような大人数になったでありんすが問題なかったでありんすか?」


 まぁ、僕はそこまで気にしないけど、華憐……名前つけるの大変そうだな……


「蓮くーーん、さっきすごい数の鳥が……わぁっ!! 何この数!!」


 そんなこと思ってると、名付けるする当事者がやってきた。


「カレン様、ただいま戻ったでありんす」


「お鶴さん、おかえりなさい! えっ、じゃあ、これ全部お鶴さんの連れてきた人達ですか?」


「そうでありんす、鷹、クジャク、コンドル、こっちに来るでありんす」


 お鶴さんがそう言うと、群れの中から3種類の鳥が一匹ずつ僕達のところに来る。


 ていうか、やっぱり鷹とクジャクとコンドルだったのか! 僕すごくない?! 当てたよ!


「わぁ!! 蓮くん、タジャドルコンボだよ!! 仮面ライダーの!!」


「え? 仮面ライダー??」


「蓮くん知らないの?! 仮面ライダーオーズ! タージャードルー♪ って言ってたじゃん!」


 ごめんよ華憐、僕の仮面ライダーは電王で終わってるんだ。


「レン様、カレン様、この三匹が私の古い友人でありんす」


 ほー、赤い鷹と青いクジャクと黒いコンドル……異世界の鳥はかっこいいな。


「『鑑定』! んーと、燃え鷹と、幻影クジャクと、鋼コンドル? 折り鶴と同じで特殊能力を持ってるんだね!」


 華憐によると、燃え鷹は名前の通り炎を身にまとったり、火球を操作したりできるらしい、レオの鳥バージョンって感じかな?


 幻影クジャクは相手に幻影を見させたり、眠らせることが出来るらしい。


 鋼コンドルはこの三匹の中で最も早く飛べて、鋭い嘴や爪を鋼のように硬化させることが出来るらしい。


 その上三匹とも空を飛び上空から攻撃をするためかなり強い部類の魔物らしい。


「カレン様、いかがでしょう? 皆に名前を付けてくださらないでありんすか?」


「はい! それはもちろん!」


 華憐は元気よく返事をする。


 大丈夫かー? 六十匹近くいるけど……ひろしさんの時みたいな二の舞にはならないで欲しいなー。


 あれは、ひろしショックだったよ……


 僕は今回の命名はしっかりと華憐が変な名前を付けないか監視することに決めた。

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