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102話 第三回種族会議

 


 僕は二週間ぶりに起きたためかなり体がなまってたけれど、やらなきゃいけないことがかなりあるからフラフラするのを堪えて小ホールに来た。


 空の王者(笑)の襲来による被害とかミーナに再び手を出してきたことについてなど話し合うことが沢山ある。


 ということで、第三回種族会議を開催することにする。


「さて、とりあえず僕が寝ていた間になにか変わったことはあった?」


 まずはザリュさんとお鶴さんが口を開いた。


「ミーナさんが狙われたので私とガルを置いた巡回隊を2つ増やして警戒態勢を上げました」


「折り鶴の男性たちが交代で空を警戒する体制を整えたでありんす、それと目の良い者を天空庭園に在中させ飛行物体があればすぐに鐘を鳴らせるようにしたでありんす」


 ふむ、必要なことだろう、僕も起きたらやろうと思ってた。


「ガルさんはいつまでこっちにいるのか分かる?」


「本当は襲撃があった日に帰るつもりだったみたいですが、レン様が倒れてしまったので目を覚ますまではいると言ってましたよ」


 んー、じゃあ、今日とかに帰るのかな? あとで聞きに行こう。


「じゃあ、ガルさんが抜けた時の代わりを選出しておいてくれると助かる」


「あ、それなら最近トーアがリーアとレーアに鍛えられて頭角を生やしてきてますよ、彼女になら任せてもよろしいと思います」


 トーアって、たしかデモゴルゴンから助けたエルフの子だったな。


「いいんじゃない? ミーナから伝えておいて」


「わかりました!」


「あとは何かある? よし、ないなら次! 空の王者(笑)の被害ってどうなってるか今わかってることだけでいいから教えてくれ」


「それじゃあ、私から」


 シロ様がまずは挙手した。


「火炎弾の流れ弾がニギハヤミの田んぼに被弾して田んぼの半分くらいが焼け野原になった」


「レン様、酒のぶどうもお米ほどじゃないが被害が出てるわい」


 他にも果物と野菜も少しだが被害を受けて畑が燃えていた。


 くっそー、あのクソドラゴンめ! 今度あったらぶっ飛ばしてやる!!


「レン、クロウ達の報告によると森が一番燃えたって」


 まぁ、そうだよなぁ……ここに来る前に窓からちらって見たけど、世紀末みたいな焦土と化してたもん。


 森は空の王者(笑)の炎を纏う突進のせいで広範囲に渡り燃えまくっていた。


 プールまでの森はぜんぶ無くなってる感じだ。


 まぁ、でもあそこら辺の森は全部切る予定ではあったからその作業を代わりにやってくれたとポジティブに考えよう。


「そういえば、家にも一発当たってたよね? それは大丈夫だったの?」


僕の質問はクルアが教えてくれた。


「それなら、私があの時はすぐに消火したからあんまり燃え広がらなくて、この間見た時は焦げてたところも元通りになってたわよ? たぶん、この巨木が自分の生命力で治したんじゃないかしら?」


 まじか、凄いな巨木な我が家……自分で焦げたら修復するのか、意外と火事の時とか安全??


「わかった、とりあえず畑から何とかしなくちゃだね、今生えてるやつ『開花』させて改めて育てるのがいいかな?」


「んー、そうかも、もう夏も終わったしそろそろ冬だし畑寝かせることも考えなきゃだし」


 あー、そっか農業はそんなことも考えるのか、農業に関しては僕は『開花』させる時だけ関わって華憐と農業してる人達に任せた方がいいかな?


「それじゃあ、そっちは華憐に任せてもいい? 僕じゃちょっと勝手が分からないし、耕すとかだったら手伝うから」


「うん! 任せておいて、ていうか蓮くん、片手でどうやって耕すのよ」


「あー、そーだった、今の僕隻腕だったな」


 慣れないなぁ……


「それで、森の方はとりあえず、放置でいいんじゃないかな? なにかまた作るときにあそこのスペースを使おう、というか突然だけど国を作ろうと思うんだけどどうだろう?」


「え?! 蓮くん、それってどういう……」


「僕ね、アマちゃんに言われたんだよ、そのうち遊びに行くから楽しいところにしてくれって、つまり名実共にここに理想郷(エリュシオン)を作ろうと思う」


「レン様のお国ですか、いいですね!」


「確かに、蓮が一国の王様になってくれたらルーシィにも貴族のことでガミガミ言われたりしないわ」


「レンの力ならアトランティスの復活も幻想ではないのだ!」


 他のみんなもだいたい肯定的だね!


 いやー、僕が異世界で王様になるのかー、なんか王道って感じでいいね!!


「でも、レン様、ここに建国はすぐには出来ませんよ? まずもう少し人を増やした方がいいでしょう、領土はここら一帯で大丈夫だと思います、最後に主権ですが私の国は無くなってしまったので、もうひとつのエルフの国かここから一番近い人間の国『ブリリアント』という国に認めてもらう必要があります」


 さすが、華憐に影響を受けて残念になってきたけど元王女様だね、僕の知らないことを色々と知ってる。


「なら、その人間族の国に認めてもらおう」


「それなら、ブリリアントに行く時は私にお任せ下さい、私はブリリアント出身なので案内とかできますよ」


 そう言うのは、人間族の代表として会議に出てるミライアだ。


「そうなの? それなら頼むよ、その時はよろしくね」


「はい、お任せ下さい!」


「蓮くん、人を増やすのはどうするの?」


 んー、やっぱそれが一番ネックだよなぁ……最悪、華憐がプリンとか野菜とかを命名しまくれば増やせるかもしれないけど中学生ばっかり増えるのもあれだし、そんな裏技はやっちゃいけない気がする。


「こればっかりはスカウトとか募集とかするしかないんじゃないかな?」


 他に何かあるかな?って考えながら水を飲んだとき


「レン様! 私と子供を作りましょう!」


「ぶっっっ?! ゴホッゴホッ! な、何言ってるの?!」


 ミーナが爆弾発言、僕はむせ返る。


 華憐とか顔真っ赤にしてるぞ、お鶴さんとかはあらまぁみたいな顔してるし!


「そうすれば、国民が増えますよ!」


「ミーナ、それは禁止!!」


「そんなぁー、いい案だと思いましたのに……」


 相変わらず、ミーナは愛が重い……


「と、とりあえず! そういう変な事じゃなくて、普通に移住者をそれぞれのツテを使って募ってみるという方針でいいかな?」


「レン様、私たちは魔物でありんすが、それでもいいでありんすか?」


「んー、あんまり誰彼構わず華憐が命令してって言うのはよくないと思うけど、お鶴さんの知り合いとかならいいと思ってるよ、華憐もそれでいい?」


「うん! 私は大丈夫だよ!」


「わかりましたでありんす」


「じゃあ、僕達のこれからの基本方針は建国をすることにする、それに伴って住居とか決めないといけないけど、それはあとでにしよう。というかそういうのは僕は勝手が分からないから適任の人がいれば任せたいと思う、みんなもそれでいい?」


 僕の言葉にみんなはそれぞれ同意してくれる。


 うん! やっぱり適材適所だと思うんだ!


 僕は<才能>の力があるから基本的にはなんでもそつなくできるけど、シロ様とかカレールとかオリアとか天才がいることも分かってる。


 できればぜひ、そういう人にやらせたい。


 だから、そういう人を探すのが僕の役目だと思う、僕は才能の芽が見えるからそういうのに適任だ!


「それじゃあ、僕達のこれからの基本方針は決まった、次に今日一番重要なことを話す」


 そう、正直被害報告とかは前置きみたいなものだ、これから話すことが僕が今日みんなに言いたかったこと。


「この前の空の王者(笑)襲撃事件のときミーナが未遂に終わったけど誘拐された、そして犯人はみんなが来る前にも一度、ミーナのことを誘拐してる、そしてその時、僕は次に手を出したら潰すと伝えた」


 そう、空の王者(笑)の襲撃に合わせてミーナのことを誘拐したあの男のエルフたちはどこか見覚えがあった。


 つまり、まだここに来て初めの頃にミーナを誘拐した奴らだろう。


「だから、アイツらのエルフの国の実行犯をすべて根絶やしにする、なにか異論はある?」


 僕は今、かなり雰囲気が悪いんだろう、みんなちょっと顔がこわばってる。


「私は異論はないよ、むしろやるべきだと思う」


「そうね、あの男たちは潰しておくべきだわ」


「あんな奴ら、塵も残さぬくらいの破滅を味あわせてやるべきだ」


 まぁ、華憐もクルアもルカも相当怒ってたしね。


 他のみんなも否定的ではないみたい。


 もし否定されてもやめる気はなかったけど。


「ミーナもそれでいい?」


「はい、お父様とお母様の無念、私が晴らしてみせます」


「あぁ、そうだな、それじゃあ国を建国する前に、僕達の仲間に危害を加えたことを後悔させてやるぞ」


 僕達はミーナのことを狙っている奴らを潰すために準備を開始する。

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