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9話 コロッケたちの住処には

 



 ◇◇レンside◇◇




 やっとの思いで湖を泳ぎ終えた、こんなに溺れそうになったのは生まれて初めてに違いない。


「ふー、それにしても何度見てもでかいなー、大丈夫か? 本当に」


「たぶん大丈夫ですよ、最初は限定的に部屋を使っていけばなんとかなりますよ」


「そうかなー? 心配」


「とりあえず、ご飯にしましょ!」


 ということで、ごはんにすることになったのだが、如何せん食糧がない、家なんかではしゃいでる場合じゃなかった!!


「しょうがない、今日は魚で我慢だなー」


「のびのびダンスはしないんですか??」


「うーん、今日はもう疲れた」


「そうですか、じゃあとりあえず川に行きましょう」


 そんなこんなで、川へと向かい、魚をとり、焼いて、食う! サバイバル生活も四日目となると慣れてくるものだねー。


 この直火焼きも慣れてきたけど、やっぱり塩が欲しいね!


 お昼ご飯を食べ終わり、コロッケたちの住処だったところに行くことになった。


 コロッケたちの住処は前に華憐さんが覗き込んだところであり結構近場にある。


「がうがう!!」


「蓮くんこっちですよ!」


「はいはーい」


 コロッケたちと華憐さんに先導されてやってきたのは竪穴式住居のような穴なのだがちょっと覗いてみるとキラキラキラキラと光ってる、けど暗くてよく見えない。


「がうがうがうがう」


「えーとなになに、うんうん、わかった」


「なんだってー?」


「自分たちで持ってくるから待っていてくれと言ってます」


「あー、おっけー、早く取っといでー」


 と、促すとコロッケたちは入って行った、


「華憐さん、コロッケたちの住処の場所もわかったし僕は湖に橋かけてくるよー」


「はい、わかりました、私はここでコロッケたちが出てくるの待ってますね」


 そういうことで、僕は橋をかけにきたのだが、いかんせん丸太が長くて重い。


「うーん、どうするかー、テコの原理でも使ってみるかー」


 僕は手頃な頑丈そうな太めの枝を二本持ってコロッケたちが運んできてくれた大きめの木の下の隙間にぶっ刺す、そのまま全体重をかけるとちょっとだけだが動いた!


「よし、地味だけど動かせるなー」


 そっからひたすら右左右左と交互に転がしていき30分経過。


「よし! あとちょっとだ!!」


 あと、1回転がせれば水に落とせる! と思った時、


「がおおおー!!!」


 ばしゃーーん!!


「…………あはは」


 後ろからコロッケが、突っ込んできて丸太にアタック! 丸太はもちろん湖に落ちて、なんだか美味しいところだけ持っていかれた気分で乾いた笑いがでた。


「あはは、蓮くん美味しいところだけ持っていかれましたね」


 華憐さんが同情してくるのが虚しいよぅ。


「華憐さん、コロッケたちは持ち物もってきたー?」


「はい、あれです!」


 と、華憐さんが指さした方向には金銀財宝いろいろな鉱物のようなものが沢山、母グマ貯めてたなぁー。


「すごいいっぱいだねー」


「なんか、コロッケたちのお父さんの方がいろいろな鉱石を食べるのが趣味らしいです」


「クマにそんな趣味があったんだなー、とりあえず橋作っちゃう」


「わかりました、手伝います、コロッケたちも手伝ってー」


「がるるる!!」


 と、みんなで丸太を落として丸太の端と端を合わせること数回、即席の簡単な丸太橋ができた。


「わわわっ、蓮くんこれ落ちる! 落ちっ……きゃあっ! ………ぶくぶくぶくぶく」


「ちょっと! 華憐さーーーん!!」


 僕は、溺れた華憐さんを助けるために水中に飛び込む。結局また僕が背負って泳いで渡ることになった。


 まぁただ陸と陸を繋げただけだからぐらぐらするし不器用な華憐さんには渡りにくいんだろう、そのうち改良しよう。


 簡素な橋? 丸太浮かべただけだから橋とは言えないかも知れないが完成してそれを渡ってそのまま家の93階まできた、やっぱりもうちょっとちっちゃい方が便利な気がする。


「さて、昨日小物を作りながら考えたのだが我々には大きな問題が3つあった」


「はっ! 隊長立派であります!!」


「がるる!!」


「ひとーーつ! 食糧問題!! ふたーつ! 衣服問題!! みーっつ! トイレ問題だ!」


「はっ!隊長その通りにございます!」


「がるるる!!」


「それで、食糧問題は畑を作った、トイレ問題は家が生えたので問題ないだろう、つまり残るは衣服問題、これをどうにかしたい」


「はっ!隊長如何致しましょう!」


「がるがる!!」


「そこでだ! 華憐隊員に衣類の代わりになるものを見つけて欲しい! そこで不器用な華憐隊員にかわって私がそれで衣類を作ろうでわないか!」


「不器用じゃないもん!!」


「がるがる!!」


 そう、今我々……ごほんごほん……僕達は軍隊ごっこ……ごほんごほん……じゃなく衣類の問題に直面している。


 今、僕と華憐さんは制服のまま、さすがにそろそろ着替えたいお年頃、なので服を作ることにした。


「まぁ、真面目な話そろそろ着替えが欲しいんだよー、なにか近場で衣類の代わりになるようなものない??」


「んー、そうですねー、この辺りだとそれっぽいものは<知識>で見た限りありませんでしたね、ただ衣類のつくりかたは生糸蜘蛛って言う蜘蛛がいてその蜘蛛が生糸を吐くみたいですよ」


「ええー、僕蜘蛛苦手なんだけど……」


「蜘蛛苦手なんですか?? 意気地無しですね」


「うるさいなぁ、もう、なんかわしゃわしゃしてるのがいやなの」


「私は虫も大丈夫ですけど」


「それは華憐さんが男前! てか、そーかー、衣類は今は何も出来ないかー、どーしよう」


「柿ピー使ってみたらいいんじゃないですか??」


「あー、その手があったかー、でもあんまり使いたくないんだよな、あれ、また凄いことになりそう」


「今更ですよ、まったく」


「それもそうか、考えとこう、じゃあそろそろコロッケたちの持ち物の検分としよう」


「そうですね、鑑定能力発動!!」


 コロッケたちが持ってきたのはあらゆる色の数々の鉱石だった、赤、緑、青、黒、紫などなどいっぱいある。


「んー、ほとんどの鉱石は魔道具作成とかで使わるものみたいです、でも結構便利なものとか多いですよ、たとえばこれ、ランタン石」


■■


『ランタン石』


 明るいうちに太陽光と魔力を蓄えて夜になると自動的に発光するランタンのような鉱石。


■■



「へぇー、いいじゃんこの部屋明かりないみたいだし、というかこの世界ちゃんと魔力なんてあったんだね」


「そうですね、あれ? 言ってませんでした? たぶんあのエレベーターも魔力で動いてるものだと思いますよ」


 あぁー、やっぱりあのエレベーターは魔力だったんだね。


「そーなのか、魔法は使えないの?」


「魔法は私も試したんですが、コツがわからなくて……」


「なるほどね、それは残念。そのうち誰かに教わりたいねー」


 魔法なんて地球にない未知の力を僕達地球人が感覚的に使おうとしたって、この家みたいにおかしなことになるに決まっている。そのうち誰かに教わる方がいい。


「はい! 魔法使いたいです! えーと、あとは、ん? この岩は……」



■■



『岩塩』


 塩。塩の塊。


■■


「あ、蓮くん蓮くん!! 塩です!! 塩見つけました!!」


「え?! どれどれ?! ペロリ……ん?これはっ! 塩だ!! 」


 つ、ついに念願の塩!! やった!! これで食事改革だ!! てか、案外あっさり近場にあった!


「すぐに、魚を捕ってこよう、今日は久々にしょっぱいものが食べれるぞ!!」


「がうがう!!!」


「はいはい、コロッケたちにもちゃんとあげますよ」


 その他に、異世界の鉱石の定番、ミスリル。魔力伝導率とやらが高い、オリハルコン。強い衝撃を与えると爆発する、爆発石。などの異世界特有の鉱石も沢山あった。


 特に、びっくりしたのはライメイセキっていう鉱石で、投げて衝撃を与えると黒雲がある訳でもないのにその場に雷が落ちるっていうとんでもない鉱石もあった。


 まぁ、そんなのより、今は塩だな! やっぱり調味料は偉大だ!


 こうして僕達は塩を手に入れ、その日の夕ご飯は川魚の塩焼き、そのあとお風呂に入り「あ、シャンプーとかないやん」ってまだまだやること沢山あるなーっと思いながら華憐さんと今後の予定を立て、いつの間にか寝入った。


 今日は色々ありすぎて疲れたからね! しっかりと寝たよ!!



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