三日目(1)ごめんねスクリ
三日目
今日も夢をみた、毎日あの映像が頭から離れない、責められるよう毎日夢にみる
それでいいとも思う
逃げ出したいような気持ちをここに留まらせてくれる
脅迫されるように見る夢で、逃げないですむ、
あと今日は良い夢も見れた
一人暮らししてから、なかなか実家に帰れ無かったからなと夢を思い出す
「おい。この汚部屋?地震でも起きたんですか?」
文句を言いながら、オレの部屋の片付けをする母
「はい、おっしゃる通りですスイマセン」
「炬燵でゴロゴロしやがって、ムカつくわ」
うちの母はデフォで口が悪い
以上です、この夢のお陰でスクリさんに何言われても大丈夫な気がする・・・
母さん貴方の息子は異世界でも前を向いて歩いてますよ、だから夢の中くらい優しくなってください
パウセさんに朝の挨拶をしたら、昨日話した防災をお願いされた
棚の固定はもちろん宿屋の防災か、各部屋はオレの部屋みたいに釘を使わない方が良いんだろうか?
夕方帰った時部屋の様子を見させてもらう約束をして宿屋を出た
スクリさんの家に行く途中、おばあさんが近所の人たちと話してるのが見えた井戸端会議ってやつか
笑顔であいさつをする
「おはようございます」
おばあさん以外の人はちょっとびっくりしていたが、おばあさんが他のマダムに別れを告げると他の奥さんたちもおはようと返事をしてくれた、逃げるように去ったマダムにオレは気づかない
「あらあら、朝の楽しみを見られちゃったわね、女はいつになっても噂が好きなのよ、ふふふ」
「いい趣味ですね、どんな噂がありましたか」
「んー、最近見ない顔の男が道でぶつぶつ呟いたり、と思ったら笑いだしたり後は子供を集めるとか猫を風呂に入れるとか、不審な人がいるみたいだから気をつけましょうね」
「変な人もいるみたいですね、けど猫のお風呂は普通ですよ」
うん、猫風呂そこだけは共感できるな
「え?猫のお風呂?猫とじゃなくて?」
「ええ、猫風呂ってやつですね」
「・・・」
「・・・・っは、そうよ今日もうちの人に会いに来たんでしょう」
何かを悟ったおばあさんは話をそらした
世の中には踏み込んでも、だれも得をしない聖域があるのを知ってる(業の深い人もいるものね)
「そうです、今日しっかりと謝ろうと思いまして、そしてまた話を聞いてもらいます」
「前向きね、私もおじいさんも前を向いて歩く人が好きよ、話は聞いてもらえると思うわおじいさんも昨日は言いすぎたと思ってるみたいだし」
家に着き、おばあさんは庭に用があるらしく家には入らなかった
カウンターにはおじいさんが居た
「昨日は気分を悪くする事を言ってすいませんでした!」
「もう良い、昨日はワシも言い過ぎたと思ったわ、今日は話を聞いてやる」
「ありがとうございます」
出来れば部屋を全て一緒に見て回って確認したかったが、私室に入られるのは嫌と断られたのでそれ以外の部屋をみさせてもらった
[煙の立ち込む中苦しむ老人]
必ず助けてみせます・・
元お店、今は玄関兼リビング
玄関に入ると正面にはカウンターがあり奥に扉、壁には窓と同じ高さに棚があった、元々研究がメインとの事で販売には力を入れてはいなかったらしい
棚には本が数冊とソファーが置かれていた
ここに火気の原因となる物は見当たらなかった、窓の飛散防止だけ注意しておいた
キッチン
異世界の厨房に初めて入った、おじいさんの家では火は使わず電気プレートのような物で調理をするという、水はボールのようなものに湧いて出る仕組み、冷蔵庫天井が取り出し口になっておりそのどれもに魔物のコインが使われてるというエコだな?
キッチンにはテーブルがあったので地震のときはテーブルの下が安全という話しと、プレートは使い終わったらコインを外すようにまた、周りにはタオルなど燃えやすそうなものは置かないようお願いした
ここまで今のところ火気の原因、煙の原因になる物は見当たらなかった次が最後の部屋
ポーション作成室
ここは掃除の時に入った時も見たが、相変わらずよくわからない機械が多い
秤やビーカー、フラスコなど馴染みのある物の他に
透明な蟻の巣のような物には芋虫が入ってたり
(薬草を餌として育て、繭が薬品の元になるという、同じような物が違う虫や生き物で何台か置かれていた)
魔物のコインが蓋付いた瓶が棚に積み重なってたり
(魔力にそめて効果の方向を変える回復や解毒、麻痺)
様々な色の液体の入った試験管、中には花の蕾がある
(濃縮した薬液を専用の花に吸わせると蜜袋には生成されたポーションが出来るという)
「このガラス製品は割れたりしないんですか?」
「ワシの使ってるものは魔法処理がされてるから落ちたり踏まれるぐらいじゃ割れないわ」
とりあえずガラスの飛散する恐れはないと
「あとさっき気になる事があったんですが、もしかして麻痺薬や毒薬なんかも作ってるんですか?」
「あぁポーション作りに飽きてきてな最近は麻痺薬や毒薬、毒消し、発煙剤、植物の成長促進薬なんかも作ってる」
ん??
「発煙剤を今作ってるんですか?あと、麻痺に毒薬、それ混ざったらどうなりますかね」
「煙の中苦しむじじいが完成するな」
真顔で答えるおじいさん
「それ死にませんか?」
「死ぬな」
思わず薬品を捨ててやろうと思うのを堪える、けどあとでおばあさんに言いつける事は確定した
「・・・必ず混ざらないように保管をお願いします」
原因がわかった所でポーション作成室ではまず薬品棚の整理をして、劇薬や毒薬は個別で保管し棚に注意を記した
またおじいさんには、対毒 対麻痺 対呪の効果がある聖なるお守り(1000G)なるものを半矯正的にお買い上げ頂いた
それでもこのマッドサイエンティストは心配なので
災害備蓄の話をしてしばらくポーション作りに没頭してもらう事とした
ポーションは一度オレが買い取ってギルドにでも持ってこうと思ってる、あー猫耳が恋しい今日は時間が無いから明日また依頼探しを口実に会いに行こう
その後は入れない部屋で必要なものがないか話し
他にも腰に負担をかけないよう杖を勧めたり
壁に掴まれる棒を作成したらどうかと、バリアフリー化も提案した
ポーションをもらって、道具屋の場所を聞いておじいさんの家を出た
ピコーン!
あれこれはもしかして
視界の端の四角いアイコンに意識を集中してみる、アイコンにはこう書かれている
スキルがレベルアップしました
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拙い文章ですが読んでいただきありがとうございます
ブックマークをしてもらえる事に驚いてます
また、読み返してわかりにくいと思う所を修正してますが、ストーリーに影響はしないよう努めてます
ちなみにレベルアップに過度な期待をしないで下さいなんてたってハズレスキルなので・・・