新作は妹物
エロ漫画……通常この手の本は18禁、微妙な物も青年誌という名前が付いており、本来高校生は読んではいけない事になっている……
でも、まあ読むよね、隠れてこそこそと、そもそも本来高校生こそが、中々……実践出来ない者こそが読むべきだと思うんだ。
なのでまあ、実践出来ない俺も読んでいる……でもそんな変な物じゃないんだ、ロリとかSMとか凌辱とかは好きじゃない。
普通のごく普通の恋愛系エロ漫画を俺はこよなく愛している。
そして俺が最も愛している作品、『今時の女子高生は……』瑞季麗奈先生が描く今世紀最高のエロ漫画、まあ単純に女子高生が様々な男性と……しちゃうエロ漫画なんだけど、その描写は俺の欲望を充分に満たしてくれた。
だが残念ながら連載は終了してしまった。
あの奇跡のエロ漫画を知ってしまった以上、もう他の漫画じゃ満足出来ない。
俺は次の作品を、今や俺の神と崇める瑞季先生の作品を待った。そして遂に! 3ヶ月の空白経て今日新作が出ると知り、俺は早々に本屋に行き雑誌を買って来ましたよ、そして見ましたよタイトルを……
「終わった~~俺の青春は終わった~~~」
俺は本のタイトル見て愕然とした、全く趣味じゃない……これならロリやSM、凌辱物の方がましだった。
しかも情報によると長期連載になるらしい、ああ俺の青春、俺の性春。
何でこんなに残念かと言うと、その作品のタイトルを見ただけで俺はもうこの作品では興奮出来ないって分かる、分かってしまう。
その作品のタイトル、それは……
『今時の兄妹は…………』
「兄妹? はあ? マジか? あり得ねえ~~~」
兄妹物……俺が最も興味ない作品だ……あり得ねえ。
だってさ、だってな、俺には妹がいるんだ。妹がいるのに妹がエロい事される作品に興奮するか?
おかしいだろ? そんな兄キモいだろ? 俺だってそう思う。現に今まで雑誌で何度か見たけど、キモいだけでなんとも思わなかった……当然興奮もしねえ。
「何書いてくれてんだよ瑞季先生~~~~」
俺はため息をつき、仕方なく少ない小遣いで買ったエロ雑誌を手に取る。そのまま捨てるには勿体ない、何か他の良い作品が無いかページを捲る。
でもやはり無い、瑞季先生を知ってしまったら俺はもう他の作品じゃあ興奮出来ない……
そう思いながらページを捲っていると、瑞季先生の漫画のページにたどり着く、そして……その表紙を見て思った。
「やっぱり……すげえ……う、上手い」
恐らく兄妹だろう二人が描かれているその絵は、俺の心をくすぐった。
「いや、でも兄妹だし……」
そう思いながらもその絵に吊られる様に俺はその漫画を読み始めてしまった。
そして俺は読み終えて思った……
「瑞季先生……やっぱすげえ、半端ないって瑞季先生……あんな妹描けないって……妹作品……最高……」
俺は妹物のエロ漫画に……生まれて初めて……興奮した。