まわりはみんなテンプレ主人公みたいなのに僕だけ平凡だけどマシだった。
シリーズものです。
前の作品から読んだ方が面白いと思います。
ここはテンプレ主人公が集まる村。
過剰戦力とオーバーテクノロジーの村。
僕は凡人だけど、今日もみんなが何かしらやるので平凡な日々じゃないみたいです。
今日は外向けの美味しすぎない保存食を開発するために料理人さんたちの所でお手伝いしてきました。
地球で仕事として料理人をしていたというのは料理人さんだけだけど、趣味でやってた人達も侮れません。
独身生活が長かったからという理由でプロ顔負けの料理をする人たちです。
その帰りになんだかどんよりとした集団に遭遇しました。
チームリストラの皆さんです。
「こんにちは。何をしているんですか?」
「おう、ボンか。いやな、俺らリストラ組で何かしようと話し合ってるんだよ。」
リストラ勇者さんはブサイクだからと勇者の功績を王子に奪われた勇者。
リストラ戦士さんは勇者並みの活躍をしたにもかかわらず、功績を偽勇者に奪われた戦士。
リストラおじさんは勇者を導く役割をするも、後からついていけずクビになったおじさんだ。
「おい、俺だけ説明が悲惨じゃねえか!」
リストラおじさんが怒るのはわかるけど、人のモノローグに突っ込まないで欲しい。
名前だけ聞くとどうしようもないただのおじさんに聞こえるかも「違うからな!」…しれないけど。
実は何でもかんでもこなす万能型の凄い人だ。
この村でスローライフを送る分にはいいんじゃないかな。
「それで何をするつもりなんですか?」
「僕らみんな評価されずに終わっちゃったからさ、スローライフもいいけど、何か伝説に残るような事をしたいなと思って。」
この村自体が既に伝説になるんじゃないかという気がするけど、そこは突っ込んではいけないみたいだ。
「ああ、再評価されて戻ってきてくれとか、いなくなって困った助けてくれってとこまでがテンプレですもんね。」
「「「…言われてみれば」」」
「今戻ってみたら意外と再評価されるんじゃね?」
「いや、リストラおじさんは高確率でそうだろうけど、王子にとって都合の悪い俺とか勇者に戻れないよ」
「俺も偽勇者がいる限り再評価される事は無い気がするんだけど。」
あ、これリストラおじさんだけが再就職コースだ。
”チャキッ”
あ、これリストラおじさんだけが八つ当たりコースだ。
「ちょちょちょ、ちょっと待ってくれよ!
今から行こう!俺のいたパーティーはまだ魔王倒してないはずだから!
賢者を誰かひとり連れて行けば大丈夫だって!」
「「それだ!!」」
三人は立ち上がると、猛ダッシュで森の方へ走っていった。
後日、村に来た商人から変質者4人が魔王を倒したという話を聞いた。
おそらくは、よりにもよって変態ござるさんを連れて行ったのだろう。
結局リストラチームの人たちは功績を残せない運命のようだ。
「英雄になるのも大変なんだねえ…」
「え?なんだって?(キラッ)」
「あ、難聴系さん本格的にオチ担当になっちゃったの?」