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第五話:終わりの始まり
あの日から丁度一ヶ月が経った。撮影も滞りなく進み、この日を迎えた。
文化祭の開会式を前に続々と体育館へと集合する生徒たちを見ると、一夏かけてやって来たことが受け入れられるかの不安に襲われた。
集合生徒たちが床に座ると、舞台に設置されたスクリーンに映像が映し出される。
数々のシーン。それに込められた思いを感じ取ってもらえたのか、生徒たちの表情は激しく動いてる
そして、映し出されたあの夜空。
登って行った一筋の光は、大きな花を咲かせて咆哮した。
そうして、俺の、俺たちの青春の一ページが綴られて行った。
━━━入りたかった。でも、入り方を知らなかった。
━━━俺は青春を、本当の青春を知らずに嫌っていただけで、本当はその中に入りたかったのだ。そう確信した。
━━━だから、一つ言いたい。
俺は『青春、食わず嫌い』だったと⋯⋯。
御読了ありがとうございました。
こちらの作品は今回を持ちまして完結となります。