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親孝抗【第一話】―始まりの日―
初投稿初執筆
僕は両親に心から感謝している。
お世辞にも裕福とは言い難い家庭だが、誕生日には必ず僕が欲しかったゲームソフトを買ってくれた。度重なる残業で疲れていても休日には必ず遊んでくれた父。僕ら兄弟に心配をかけさせないよう隠れて内職をしていた母。
そんな両親に恩返しがしたい。その一心で僕は必死に勉強し、今年から某有名大学に進学する事になった。学費の事は気にするなと言われたが、両親に内緒でバイトをしている。
僕には四つ上の兄がいる。現在22歳、自称アーティスト、もとい高卒ニートである。
高校は僕と同じ県内一の進学校。3年生のある日突然不登校になり今に至る。理由は誰にも話そうとしない。
いつも何処かにフラフラと出て行き、寝る時だけ家に帰るような生活をしている兄が、どういう訳かこの日だけは自宅に居た。
「兄さんが家に居るなんて珍しいね、どうしたの?」
そう聞いた数分後だったと思う。
僕は兄を殺した。
1月20日(雨)
投稿ペース未定。理想は2日毎更新くらい。
ジャンルって何になるんだろう?