未来ある騎士様との初対面にて。
「ふん。貴様がアザレアか?」
「はい。アザレアですけど?貴方様はどちら様でしょうか?」
翡翠色の髪を持つイケメンと呼ばれるであろう少年だ。
私より、2か3ぐらい歳が上だろう。
翡翠色の前髪を真ん中辺りで二つに分け、翡翠色の腰辺りまであろう髪をむ無造作に後ろで纏めている。
切れ長の瞳は菫の花の様に鮮やかな紫だ。菫色と言えば女性らしいイメージだが、そんな感じはしない。
質の良さそうなスワロウテイルの袖口から覗く腕はよく鍛えらている。
なんと言うか……武人風だ。
騎士職か、騎士希望なのだろう。
み
「俺か?俺は……ジェイド・バイオレットだ。」
「じぇいど?えっ……あぁ〜近づかないで貰えます?」
彼は先輩が死神と呼んでいたキャラだ。
彼に関わった人物(ヒロイン以外)が必ず悲惨な死を迎えると言う……
主な例がアザレアだ。
婚約者であった彼と出かけた先で強姦魔に襲われて命を落とすのだ。
きゃぁ……悲惨。
後は……王子様だ。
ヒロインに惹かれちょっかいを出している所暗殺者にぶさりだ。
暗殺者は王子様の何が気に入らなかったのか知らないが肉片しか残らない様な形になるまで刺し続けたらしい。
『王子様と呼ばれていたモノは、黄色くブヨブヨした脂肪と真っ赤な血液と紫等の内臓を残して……これが王子様だなんて誰も信じないような姿にまで激変した……辞めてと止めてと言っても刺し続けた暗殺者は気が触れている様にも見えた。』
「はぁ?あって間もない人物に対してその態度は無いだろう?」
「おね……がい……来ないで……」
あぁ……一瞬だけ目の前が真っ暗になる。
電源をぷつりと切ったコンピュータの様だ。
だめだ。いま、倒れてしまえば彼に不信に思われる……
そんな事を考える思考とは裏腹に体は言う事を聞いてくれない。
思考が完全にブラックアウトする前に見えたのは焦った顔の彼だった。
彼でもそんな顔をするのかとびっくりしたものだ。




