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 いつの間にか、夜になっていた。

 三人は、まだリンから抜け出せていないため、野宿をすることにした。

 「ここから、クウクは遠いんですか?」ロゼは、焚き火の炎を見ながら言った。

 「うん、かなり歩くことになるね。魔法で飛んで行ってもいいけど、シャルゴは飛べないだろ」

 「オレは、足手まといかよ」フンと鼻を鳴らすシャルゴ。

 「いや、君は役に立つからね。足手まといには、絶対ならないよ」

 「でも、オレ、飛べないし」

 「リンの住人だから、当たり前だよ。今は、飛ぶことよりも、『先読み』の方が、重要な気がするんだ」

 「………………」ライには分からないが、シャルゴは沈黙した。

 分からないので、ライも、沈黙した。

 ロゼは、何故二人が、急に押し黙ったのか分からなかったので、沈黙した。

 ふしぎな沈黙がその場を包んだ。

 ヒュォ────。

 そのとき、冷たい風が、三人のほほをなでた。

 そして、ゴロゴロという音。

 その音を聞いて、シャルゴはすばやく立った。

 「あらしが、来る!」

 シャルゴは、あたりを見渡すと、ライに向かって言った。

 「もうすぐ、やって来る!オレ、じいちゃんの手伝いしてくるから、ここにいて!」

 「僕も行くよ!」ライも立ち上がる。が、時すでに遅し。シャルゴは、それこそあらしのように、森の中に入っていった。

 「…………どうして?」

 だんだんと強くなってくる風に目を細めながら、ロゼはつぶやいた。

 「そう、リンの『先読み』では、あらしは一ヵ月後のはずだった。なのに、今来ている。──リンの『先読み』が間違っていたのか?いや、そんなはずは……」

 ライは、森を見すえながら、つぶやいた。

 「とにかく、ここにいては、危険です。近くの家に非難しましょう」

 「うん……」



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