疑問
結局、相浦はロストナンバーズの成果で死亡したことになった。
白川は国文美春とコンタクトをとって、相浦をバリアで包んで捕獲するつもりだったが、思わぬ誤算にどこか引っかかるものがあった。
白川は国文美春にお礼を言おうと、白金のカフェで待ち合わせをしていた。同席しているのは、ロストナンバーズ専用の病院の女医だった。
すると、国文美春が古びた本を携えてやってきた。そして、目の前にいる女医に思わず絶句して本を落とした。
「姉さん・・・。」
そこにいたのは紛れも無く国分医師だった。
実は、国分医師は死んだことになっていた。銃で頭を撃ち抜いたのも白川が企んだ狂言だった。
「今までごめんなさいね・・・。あなたに酷いことをして・・・。」
国分医師は立ち上がり、呆然とする妹の美春を抱きしめた。
美晴は今まで抱えていた罪悪感から開放され、涙を流しながら姉にすがりついた。
その時、本は床に落ちて青く燃えて消えてしまった。
ーあの本はラスプーチンの魔術書を追うあまり自分で作った産物だったのかもしれないな。これでSクラスが1人減っちゃったけど、薬漬けにされるよりはまぁいいか。
二人の再会を目の当たりにしながら、白川はコーヒーを飲んだ。
ーそれにしても、龍はコーヒーが好きだったな。
その時、ふと白川はどこかに引っかかっていたものを思い出した。
龍造寺風雅は電話の際、必ず『俺だ、龍だ。』と言っていたことを思い出した。
しかし今回、情報を提供した龍は『おれだ』としか言わなかった。
そこから段々と白川の中で絡まっていた疑問の糸がみるみるうちに解けていった。




