表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

不完全で、とても健全な

作者: P4rn0s

元々、恋人だった人とこんな話をしていた。


私は人間関係を切るのが早い。

不安になる前に逃げたくなるし、面倒になる前に終わらせてしまう。

それは多分、弱さだと思う。


けれど彼とは、付き合って、別れて、また話すようになって、いくつもの紆余曲折を経てきた。

喧嘩もしたし、期待も裏切ったし、がっかりもさせた。

それでも結果的に、私たちは他の誰よりもお互いのことを知っている人間になっていた。

一番、話していて気が楽だ。


彼も同じことを思っていたらしい。


示し合わせたわけでもない。

ただ、気づいたらそこに安心感があった。

無理をしなくていい場所だった。


話の終わりに、彼は何気なく言った。


「これからも、適度によろしく」


その瞬間、本当に好きだと思った。

恋愛感情ではなく、友達として。


そして私も、同じことを思っていた。


適度に。

この言葉が、何より大切だった。


もう恋人には戻れない。

戻るつもりもない。

でも、切れない。


恋人になる余地のない、大親友。


それは不完全で、でもとても健全な関係だと思った。


世間では、男女の友情は成り立たないと言われる。

けれど私たちは、この形でちゃんと成り立っている。


もうお互いを好きになることはない。

それでも、なんでも話せる。

信頼している。


付き合っていた頃よりも、相手の悪いところをよく知っている。

その上で、友達なのだ。


それは浅い関係じゃない。

むしろ、簡単には壊れない、確固たる結束だった。


そして何より、その感覚を彼も同じように持っていたことが、たまらなく嬉しかった。


「適度によろしく」


それ以上でも、それ以下でもない。

まさしく、その通りだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ