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【完結】動物と話せるだけの少女、森で建国して世界の中心になりました  作者: なみゆき


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8/12

7ー王都からの降伏状

 ある晴れた午後。

私は、いつものようにパンの耳を焼いていた。

リスが火加減を見守り、ウサギが皿を並べ、インコが「焼きすぎ注意クエッ!」と叫ぶ。

いつも通りの、穏やかな森の朝だった。



「誰か来たピヨ!!」


そのとき、森の入り口に見慣れない使者が現れた。


「……あれ、王宮の制服?」


インコがすかさず偵察に飛び、戻ってきて報告した。


「ピヨ! 王都からの正式な使節団ピヨ! しかも……全員、動物連れピヨ!」


やってきたのは、王子殿下フィンを筆頭に、王女殿下リゼ、王妃、そして王都に住む貴族たち。

その全員が、肩や腕にペットを乗せ、背中には“白旗”ならぬ“白い猫じゃらし”を掲げていた。


「ミナ……お願いだ。 王都を、助けてくれ……!」


王子殿下が差し出したのは、一通の手紙だった。



【王都公式文書】

件名:降伏状

差出人:王都動物管理局(実質、猫、犬、フェレット、カメ、インコ、金魚)

内容:

・王都は現在、ペット不足により、ストレスで精神的に崩壊寸前。

・王女殿下の猫、ミルフィー様が「ニャーニャー!」『ミナを呼びもどせ』と毎晩鳴きわめいている。

・王子殿下の犬、ベルクは“執務室の椅子の上でしか寝ない病”を発症。 そしてトイレも同じく王子殿下の椅子やソファーでしかしない。

・王妃は、インコに話しかけても一切無視され、精神的ダメージ大。

・貴族は、王宮で飼われている金魚に糞で暴言を書かれ続けて、大ショック。

・つきましては、森の王国と正式に友好関係を結びたい。

・パンの耳、定期輸出希望。



私は、手紙を読み終え、しばらく沈黙した。


動物たちは固唾をのんで、私を見守っている。


ベルクは「ワン」と一声だけ鳴いた。

『ミナさんの判断に従うワン』


私はゆっくりと顔を上げ、王族たちに言った。


「……まずは、動物たちに謝って……ください。 “ごめんなさい”を言ってください」



王族や貴族たちは、全員そろって地面に頭を下げた。


「ミルフィー、ごめんね」

「ベルク、すまなかった」

「インコちゃん、……鳴いてくれない?」

「金魚様、糞ではなく、泡で返事を……あ、無視された」



その様子を見て、森の動物たちはざわめいた。



『……ちょっとは反省してるニャ』

『まあまあ、許してやるワン』

『クエッ! パンの耳くれるならOKクエッ!』



私は小さく笑って、パンの耳を差し出した。


「じゃあ、まずはお茶でもどうぞ。森流のおもてなしです」


こうして、王都と森の王国は、ついに“和解”の第一歩を踏み出した。

お読みいただきありがとうございます。

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