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【完結】動物と話せるだけの少女、森で建国して世界の中心になりました  作者: なみゆき


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3/12

2ー森の中の歓迎セレモニー

 王都を追われた私が、ひとり森へと足を踏み入れた瞬間

―― 木々のざわめきが止まり、空気がぴたりと静まった。


「……なんだか、誰かに見られてる気がする」



その直後、茂みの奥からウサギがぴょんと飛び出し、私の前にぺたんとひれ伏した。

続いてシカが優雅に現れ、頭を垂れて一礼。 フクロウは枝の上から「ホー」と敬礼し、リスたちは木の実を捧げ持って、私の前に整列した。



「伝説の動物使い様が来たぞー!」

「インコ界の英雄だって聞いたクエッ!」

「“パンの耳の聖女”って呼ばれてるニャ!」



どうやら、過去に助けた動物たちが、“口コミ”ならぬ“鳴き声ネットワーク”で、私の噂を広めていたらしい。


王宮でインコの羽を直した話、迷子のリスを王宮の庭で見つけた話、王女の猫に正しい爪とぎ場所を教えた話

――すべてが、いつの間にか、動物界で伝説化していた。



私は、皆の歓迎ぶりに戸惑いながらも、ポケットからパンの耳を取り出して、彼らに差し出す。


「……これ、いる?」


その瞬間、動物たちは歓喜の雄叫びを上げた。


「パンの耳だー!」

「神の食べ物ニャ!」

「ミナ様、最高クエッ!」


ウサギは跳ね回り、シカは涙を流し、フクロウは「ホー!」と三回連続で叫んだ。

リスたちはパンの耳を神棚に祀り始め、インコは「ミナ様! ミナ様!」と連呼する。


私は苦笑しながら、つぶやいた。


「なんでこんなことに……」


だが、動物たちの瞳は真剣だった。


彼らは、私を“仲間”としてではなく、“導く者”として迎えて入れてくれた。


その夜、森の奥に、私のための小さな小屋が建てられた。 ウサギが草を運び、カメが床を磨き、フクロウが設計図を読み上げる。

私はその中心で、パンの耳をかじりながら、静かに笑って皆の様子を眺めていた。


こうして、森の住人としての新たな私の生活が始まった。


そして、私の知らぬところで

――“動物王国建国”の第一歩が、静かに踏み出されていたのである……。

お読みいただきありがとうございます。

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