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【完結】動物と話せるだけの少女、森で建国して世界の中心になりました  作者: なみゆき


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11/12

10ーインコの密告事件

 森の王国が落ち着きを見せ始めたある日

―― インコの一羽が、慌てた様子で私のもとへ飛び込んできた。


「ピヨ!事件ですピヨ! 重大な密告が入りましたピヨ!」


私はパンの耳を焼いていた手を止め、インコの話に耳を傾けた。


「誰から?」

「匿名ピヨ。 でも、内容は……“森のパンの耳が盗まれている”ピヨ!」


森のパンの耳は、通貨であり、信仰であり、朝食でもある。


それが盗まれているとなれば、森の秩序が揺らぐ。

私はすぐに動物たちを集め、調査隊を編成した。



•フクロウが空から監視。

•フェレットが地上の隙間を捜索。

•カメがゆっくりと、しかし確実に足跡をたどる。

•インコは「密告ホットライン」を開設。



『犯人は、パンの耳を恨んでいるニャ』

『パンの耳を食べすぎた者かもしれないワン』

『クエッ!王都のスパイ説もあるクエッ!』



* **


数日後、フェレットが“証拠”を発見した。

パンの耳が、木の根元に大量に埋められていたのだ。



「誰がこんなことを……?」


そのとき、カメが静かに首を振った。


『これは……ベルクの仕業ピヨ!』


とインコがつぶやいた。



そして、ベルクは、切り株の上で昼寝をしていた。

そばには、パンの耳を埋めるための小さな穴がいくつもあった。



私はそっと問いかけた。


「ベルク、どうして……?」


ベルクは目を開けて、ぽつりと答えた。


『保存してただけワン。 冬に備えてだワン』



森の動物たちは、しばらく沈黙したあと、一斉にうなずいた。


『……それなら仕方ないニャ』

『冬は寒いワン』

『クエッ!備蓄は大事クエッ!』




こうして、“インコの密告事件”は、無事に解決した。


森の秩序は守られ、パンの耳は再び皆のもとへ戻った。

私は焚き火を囲みながら、インコに言った。



「密告って、時には……ただの誤解かもね」


インコは首をかしげて答えた。


「ピヨ!でも、話題にはなったピヨ!」


そして森は、今日も相変わらず平和だった。

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