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リリーフ・オブ・ザ・ライフ~inTS  作者: タカハシあん


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第42話 曰く付き物件

 ミック改め、カトレアと名前を変えた。オレに付けて欲しいとお願いされたんでな。


「あ、エリーダ様。ちょうどいいところに。拠点となる家を手に入れました」


 ブロイたちが店にやって来た。


「もう見つかったんだ」


「はい。ここからちょっと離れますが、商人が使っていたところです。馬小屋もあって井戸もありました」


「へー、よかったじゃん。どんなところか見せてよ。話したいこともあるしさそさ」


「わかりました。お前ら、荷物を運ぶぞ」


 あ、筋トレマシーン、まだあったんだ。


 この町で引き入れた部下たちに筋トレマシーンを持たせて拠点となる家に向かった。


「闇闘技場ですか。そんな話、初耳です」


「情報を仕入れておいてよ。スピリッツ、いや、グレン一家の商売にしようと思うんだ。異界人の子孫を用心棒としたから花形として出場してもらうからさ」


「あー。帝国にも地下賭博場がありましたな。おれも一度行きましたが、なかなか賑わってましたね」


「へー。どんなことやってたの?」


「剣あり槍あり拳ありの殺し合いですね」


 魔物がいないから人間同士の戦いになるわけだ。


「殺し合いはウケるけど、戦士を集めるのが大変だ。闘技台から落ちたら負けとかにしたほうがいいかもね。また挑めるし、死体の片付けもしなくて済む。変な病気とか起こったら堪ったもんじゃないよ」


「落ちたら負けですか。水でも張りますか」


「お、それいいね! ブロイ、そういうのに才能あるんじゃない? 筋肉の発表会ってのもやろうか?」


 結構、筋肉に情熱を掛ける者がいる。そういう筋肉好きを集めてコンテストとかやったらいいんじゃね? 筋肉好きな女子受けすんじゃね? 知らんけど。


「……筋肉の発表会……」


「一回、リナイヤの店でやってみようか? 女性だけ集めてさ」


 なんかそんなイベントがあった気がする。野郎も女にキャーキャー言われたら嬉しいだろうよ。ほんと、よー知らんけど。


「いいですな! 是非やりましょう!」


 ブロイが乗り気でなによりだ。オレは口を出すだけだけどね。


 やる気満々のブロイを煽てていたら拠点となる家に着いた。リナイヤの店から五百メートルってところかな?


「へー。いいとこじゃん。お金足りた?」


 帝国軍の補給基地で見つけた金がいくらあったかは知らない。サーグに管理を放り投げたんでな。


「はい。足りました。というか、かなり安かったです。怪しいくらいに」


「幽霊でも出るとか?」


「……そんなウワサはありました……」


「へー。この世界にも幽霊とかいるんだ。人の恨み辛み世界が変わろうと消えたりしないんだね~」


 前の世界がクソすぎて幽霊とか怖くもなんともない。まあ、だからって気にならない、とはならない。蚊が飛んでいるくらいの殺意は湧いてくるよ。


「やはりマリーダ様は怖がりませんか」


「この世で一番怖いのは生きた人間だよ。残りカスはウザいだけさ」


 恨み辛みは生きている間に晴らせ。死んだら諦めろ。そして、魂を消して欲しいものだ。無駄に生かされると生きなくちゃならなくなるだろうがよ。


 生きるとなったら悲観も出来ない。死ぬのが怖くなる。ほんと、生きるって大変だぜ。


「どうにか出来るので?」


「うーん。この世界の幽霊がどんなものがわからないからなんとも言えないな~。まあ、アタシでダメならエリーダにやらせるよ。エリーダのほうが超感覚波長が強いから。よほどの悪霊でもなければ消滅させれるはずさ」


 おもしろいもので幽霊にも超能力は効果がある。弱い思念体ならテレキでも吹き飛ばせることが出来るのだ。


「あー、いるね、これ。波長が乱れてるや」


 人間の波長は異世界でもあまり変わらないようだ。てか、かなり乱れている。こりゃ、複数の思念体が蠢いていそうだ。


「ブロイたちは中に入った?」


「はい。なんか薄暗くて、ジメジメして、落ち着きませんでした」


 それだけ思念体がいるってことか。


「ブロイたちはそこにいて。アタシがいいって言うまで入らないこと。幽霊に取り憑かれても面倒だからさ」


 取り憑かれたヤツ諸ともなら話は簡単なんだが、幽霊だけ消滅させるってクソ面倒なんだよ。日本にいたとき失敗して精神崩壊させた経験あり、なんです、ハイ。


「お邪魔しまぁ~す。掃除屋で~す」


 ローブだかオーブだか光の埃がキラキラしている。超感覚波長(思念)を高くすると、光の埃が逃げ出した。


「一つ一つは弱いか」


 強い思念はないな。薄れたかな?


 この世に不滅なものなどない。それは幽霊も同じ。世界に溶かされて行くもの。このくらいなら百年もしないで消えてしまいそうだ。


 超感覚波長(思念)の強いところをテレキで捕獲。握り潰すように圧を掛ける。それで消えたりはしないが、数日で消滅するだろうよ。


 捕獲しては握り潰すを繰り返し、固く閉じた窓を開けて空気を取り込んで行く。邪気は空気とともに去りぬ。世界に溶けてしまえ、だ。 


 テレキを薄く張りながら建物の構造を確認していたら地下へと続く階段を発見。強い超感覚波長(思念)を感じた。


「人間ってのは地下に隠すの好きだよね~」


 ドアを破壊し、地下へと下りて行った。

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