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リリーフ・オブ・ザ・ライフ~inTS  作者: タカハシあん


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第21話 金

 村にはちょくちょく通い、食料なんかを届けた。


「ん? 馬、増えてない?」


 もう少しで雪が降るって頃、五日振りに村に来たら馬が三倍くらいに増えていた。 


「どこから逃げて来たみたいです。人に慣れているから飼われていた馬ですね」

 

 人に飼われた馬? 近くにいるってことか?


「ちょっと周辺を探ってくる」


 食料を渡したらテレキボードで飛び立った。


 双眼鏡で周辺を探りながら飛んでいると、馬車の残骸を発見。村からざっと十キロのところだ。


「この足跡、マニッシャーか?」


 もうどんな姿をしていたか思い出せんが、鋭い爪を持っていたのは微かに覚えている。たぶん、こんな爪だったと思う。


「人間だけを食ったのか?」


 馬のほうが食い応えがあるだろうに、人間なんて食うとこないだろう。珍味好きか?


「山脈を越えて来たんだろうか?」


 ここに来るならイエティたちの縄張りを通ったほうが早いのに、別ルートがあるんだろうか?


 足跡からどんなサイズかはわからんが、なんだか三匹くらいいそうな感じがする。小さいのと大きいの。そして、さらに大きいのだ。


「三匹か」


 一匹なら充分倒せるが、三匹となるとちと厳しいな。どこかに行って欲しいものだ。


「移動してるな」


 山脈から下りて来て、あちらに向かったようだ。新天地でも探しているのか?


「この辺に住もうってんじゃないなら構わないか」


 別にマニッシャーに恨みはない。かと言って情があるわけでもない。こちらと敵対しないのなら好きな場所に行って好きなように生きたらいい。でも、いつ敵対してもいいように訓練しておくか。


 村に戻り、マニッシャーが人間の集団を襲ったことを伝えた。


「もしかすると開拓団なのかもしれませんね」


「あー開拓団か~。それかも」


 隊商とかではなかったし、ここに来るわけもない。開拓団なら納得だわ。


「そもそもこんな辺境を開拓してどうすんの? 一年の半分は雪に埋もれてるのに」


 ここはまだ雪は少ないが、だからって農業に適しているとは言わない。麦なんて育てられないし、春から夏にかけて育つものか芋なんかじゃないと無理だろうよ。


「金が取れるそうです」


「金? そんなのが取れるの!?」


 そんなもん取っているの見たことないぞ。その跡も見てないし。


「あくまでもウワサです。ただ、本当なら他の国に遅れをとることはできません。まずは開拓団を送り込んで自分たちの土地だと証明したいんでしょう」


 なるほどね~。それで襲ったり送ったりしているわけだ。


「送られる開拓団は哀れだね~」


「元々暮らしに窮していた者や犯罪者紛いの者たち。国からしたら痛くも痒くもありません。成功したらよし、って感じなんでしょう」


 人権がない時代はそういうもんなんだな。まあ、オレも人権無視されたけど! よりにもよってクソ女神にな!


「なるほどね。そういう事情なら申し訳ないけど、開拓団にはお引き取り願うとしよう」


 もちろん、クソ女の下にな。こちらにもこちらの事情があり守るべきものがある。正々堂々、生存競争を行うとしようじゃないか。


「アタシがいない間に来たら温かく迎えておいて。クズなら殺すから」


 下手に友好的だと殺すのも躊躇うからな。クズであることを願うよ。


「わ、わかりました」


 よろしく~と湖の小屋に帰り、超能力の訓練や作物を育てたりと、やることはたくさんあるのだ。


 今年は雪がよく降る年なのか、小屋が埋もれるほどの雪が毎日降りやがる。


 まあ、超能力の訓練になっていいのだが、毎日はさすがに飽きてくる。楽しいと思えるのは最初だけだな。あとは雪が憎くなってくるよ……。


 長い冬が終わり、太陽が眩しい日が多くなって来た。


 二十日振りくらいに村に向かうと、何事もなく過ごしていた。さすがに冬にやって来る開拓団はいないか。


「雪が溶けたら出発しようか」


「はい、わかりました」


 さすがにここに残りたいってヤツはおらず、いや、マギとルージーは残りたいと言ったっけ。なんかここの暮らしが気に入ったそうだ。物好きなヤツらだよ。


 用意はサーグたちに任せ、オレは旅の食料となる鹿を狩りに向かった。

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