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解答

作者: 名無し

大人になった今でも、学校の夢を見る


学び舎はいつまでも、心の学び舎

近代の日本では義務教育として小・中学校は必ず通る道


幸いなことに私は、学校での強烈なトラウマなどは無い

学級委員をしていたような優等生で大概のことはできた

寝坊で遅刻ばかりしていたけど


遅刻の夢は定番

今朝方見たのは、授業中に黒板に書かれた問題を解く夢だった

算数なのか数学なのか、数式を解く問題がいくつか


先生に当てられた数名が前に出て解答を書く

私は数学は苦手、何の迷いもなく文系だった

席を立ちながら、あー無理と心の中で思っていた


私の担当の問題は一番簡単そうな、なぜだか分数の計算だった

これなら、私でも何とかなる…

そう思って解いたのだが、ケアレスミスで不正解だった

しっかり注意して取り組めば、解けるであろう問題だった


間違えちゃった、と半笑い

当時の私ならプライドが許さなくてショックを受けて凹んでいたと思う


しかし、夢の中の私は

解ける問題だけど、ミスして不正解だったことをネタにして笑うくらいの気持ちでいた

集中すれば正解を出すことはできる、模範解答は知っている

簡単な見落としで間違うことくらい何でもないこと

皆の前で不正解でも気にならなかった

のほほんとしていた


成長したのである


人生の問題も、真剣に向き合えば正しい解答は出せる

けれど、(つまず)いたっていいじゃない

人の目を気にして、完璧でいなくていい

転んじゃった、くらいの軽い気持ちで

そんなに正解にこだわらなくていい

別にどうでもいい


私が数学が好きじゃなかったのは、答が決まっているとこ

解き方にまでケチをつけられる

私にとっては何も面白くない

それが好きな人もいるけど


国語の問題の答は何通りもあった

自由な解釈で正解は柔軟に認められた

国語の先生の脱線話も面白かった

数学の先生は無駄話を全然しなかったのもつまらなかった(ほぼ寝ていた)


完璧主義で何事も一生懸命だった学校での私は

人間だもの、間違うことくらいある

そんな風に生きられる人間になった

遅刻も、当時よりしないようになった


何でも真っ向からぶつかって、バカ正直に傷ついていた

成長した私はのらりくらりとかわす生き様を身につけた


都合の悪いことは、聞こえない耳を持ち

近くがぼんやりとしか見えない目で、粗は探さない

目尻には笑い皺

年を取ることは、ある意味成長


正しく生きることだけが幸せじゃない

間違いを経験するのも勉強

学校も人生も何でもあり

優等生でなくていい

人生に正解なんてない



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