「打ち切りの恐怖があるプロ作家」と「最後まで書けるノラ作家」
先日、TLを眺めていたらこんなつぶやきが流れてきた。
「打ち切りに怯え売り上げに胃を痛めながら、多くの読者に支えられながら書くのと、打ち切りはないけどより多くの読者に支えられることもなく書くの、どっちが幸せなんだろう」「どっちがいいんだろう」
はっきり言おう。
どっちも嫌じゃ。
「打ち切りの心配なく、多くの読者に支えられながら、コミカライズやアニメ化・舞台や映画になるのがいちばんいいに決まってんだろ。何言ってんだ」と素で思った。
そんな都合のいい話があるわけないのは解っちゃいるが、「それがいちばんいいに決まってんだろ、野望的に考えて」と画面の前で真顔になったのは言うまでもない。
だって、それが一番でいいでしょ。
のびのび自由に書きたいじゃない。
創作ってそういうもんでしょ。
まあ、そんな
「好き勝手書いて売り上げも出て、打ち切りしないで最後まで書ききって、アニメにもコミカライズにもなる」なんてもんは、それこそ「転生してイケメン・美女になり、あっちで異性に囲まれながらちやほやされて、挙句の果てには前世の経験で神扱い☆ だけども俺(私)、そういうの興味ないからのほほんと暮らすんです~」
ぐらいファンタジーなので、一旦置いておくとして。
冒頭の二択を
真面目に考えるなら、「打ち切りの恐怖があるプロ作家」と「最後まで書けるノラ作家」の「どちらがいいか」は……
「その人に寄るやろ」が私の結論だった。
例えば、昔から作家を志し、小説家になることを夢見て色々な本を読み、レーベルや流行りの研究をし、「小説家(作家)になる」のが目的としている人ならば、前者(うちきりもあるプロ作家)の方が良いんじゃないだろうか。
なにしろ「作家になる」のが夢なのである。
極論、打ち切りがあろうが、最後まで書けなかろうが、思い描いていた複線の回収ができなかろうが、「作家になる」が叶えられているのだから、それを取ると思う。
例え一冊で終わろうが、「編集付きの作家である」「商業で本を出している」という事実は変わらないし、その狭き門を通過したのなら何よりも誇れるものだ。なによりも大切な経歴であり、存在証明になるんだと思う。
対して、ノラ作家の方が不幸せかっていったらそうじゃないだろ、とわたしは思うのだ。
これは私の場合になるが、ぶっちゃけ──「売り上げやらなんやらの数字で、次が出せるかどうかわからない状況があるのが嫌」だ。
なんで私の作品の生殺与奪を他人が握っているのかわけわからん。
書いてるのはわたしだ。
企画からネタ出しまで企業様が関わって、二人三脚でやった作品なら「仕方ないか」とも思うが、今書いてる「副業盟主とコメディ女」に関しては自分で作っている話である。どれだけ瀕死になろうが最後まで書き上げるに決まってる。そもそも「エリックとミリアの話を書ききる」と決めてこの一次創作界隈に飛び込んだのだ。
そんな私が「商業作家になってエルミリの続行を他者に握られる」のは、はっきり言って嫌である。商業契約をしたとしても、「打ち切りになった後こっちで書くので権利は返してくださいね」って契約書作りたいぐらいだ。
それが可能なのかどうか知らないが。
こんなことを書くと
「wwwだったらw趣味で押さえとけよwコンテストなんてだしてんじゃねーよw」
「身の程をしれwwwあほじゃねーのw」って声が聞こえてきそうだが……
うっせぇ。
書いたからには読まれたいに決まってんだろーが!
自信の無い話なんてださねーよ!!
あるから出してんだよ!!!
おもしれーの書いてるから見てほしいんだよ!!
腹減ったら食うのと同じ理由だよ!!
他に理由なんてねぇんだよーーーーーーーーー!!
っていうか。
書いてる人間の中で、一度たりとも「大賞受賞!あれよあれよという間にコミカライズ!バズってバズってアニメ化!最後は〇〇先生って惜しまれながら死んでいくのだ~~~~~~~~~!」って妄想しなかった人間なんていない。断言したって良い。
そんな、「尊大な夢を見るために」、人には大きな脳があるのだ。
夢を見たっていいのだ。
そこに大人の事情が絡もうと、商業の何かがまとわりつこうと、甘っちょろい世間知らずな意見だろうと、「私はこう思ってるんだよね」を形にしていこうと思った。
私は、エリックとミリアの話を最後まで書くと決めた。
だから、永遠に野良で良いとも思っている。
だけど、多くの人に楽しんでもらいたいという気持ちや、アニメでエリックとミリアが動き回るところがみたいという気持ちだってある。
それでいいんだ。今の時代、出版社を通さなくても、コンテストを通過しなくても、可能な世の中だ。果てのない道でも、とりあえずスコップ片手に掘り進めるんだ。
もしかしたら、一緒にスコップで道を作ってくれる人が現れるかもしれない奇跡があるかもしれない。
そんな奇跡を作るために、締め切りも打ち切りもない私は今日も、エリックとミリアというバディを広めるべく、キーボードをたたきネームを作るのである。
私が動かなければ、何も始まらない。
それが未来を拓くと信じてる。
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